野性時代フロンティア文学賞(やせいじだいフロンティアぶんがくしょう)は、株式会社KADOKAWA 角川書店が主催する公募の新人文学賞。
前身である野性時代青春文学大賞や、後身である小説野性時代新人賞についても本項で述べる。
概要
野性時代青春文学大賞
主催は、角川書店とフジテレビジョン[1]。募集・発表は、角川書店発行の小説誌『野性時代』にて行われる[2]。2005年から2008年まで全4回実施される[3]。ジャンルを問わず、世界を変えうる勢いをもつ熱い小説が対象とされた[1]。賞は、大賞が賞金300万円[注 1]および『野性時代』誌上での連載権(第4回は特製「青春象」も贈られた)、候補作が10万円となっている[1]。
『野性時代』編集部による第1次選考で候補作品を決定する。同誌上およびWeb上ですべての候補作品を全文掲載し、Web上で読者投票による第2次選考を行う。読者投票の結果を受け、編集部、書店代表・読者代表で構成される最終選考会で選定する[1]。
野性時代フロンティア文学賞
主催は、第1回から第4回までが角川書店とフジテレビジョン、第5回が株式会社KADOKAWA 角川書店とフジテレビジョン、第6回からが、株式会社KADOKAWA 角川書店[4]。募集・発表は、第1回のみ『野性時代』にて行われ、第2回以降は『小説 野性時代』にて行われている[4]。2009年に創設される[5]。恋愛、ミステリ、冒険、青春、歴史、時代、ファンタジーなど、ジャンルは問わず、広義のエンターテインメント小説が対象とされる[6][7]。賞は、第1回から第5回までが記念品と賞金300万円、第6回以降が記念品と賞金100万円[4]。
小説野性時代新人賞
2020年の第11回からは小説野性時代新人賞に名称を変更。
受賞作一覧
野性時代青春文学大賞
特記がなければ、初刊は角川書店、文庫は角川文庫刊。
回(年) |
賞 |
受賞・候補作 |
著者 |
初刊 |
文庫化
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第1回(2005年) |
受賞 |
「りはめより100倍恐ろしい」 |
木堂椎 |
2006年2月 |
2007年8月
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候補 |
「アラカワファントム」 |
野上鳴 |
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「フライング・ソフトクリーム」 |
二三枝俊 |
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第2回(2006年) |
受賞 |
「些末なおもいで」 |
埜田沓 |
2006年11月 |
2009年2月
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候補 |
「明日をかいで、今日を食べよう」 |
溝上あいら |
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「湾岸宮殿」 |
小野寺史宜 |
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第3回(2007年) |
受賞 |
「楽園に間借り」 |
黒澤珠々[注 2] |
2007年8月 |
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候補 |
「シーユー、シーユー」 |
野上鳴 |
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「ジャングルジムのどこかで」 |
溝上あいら |
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第4回(2008年) |
受賞 |
該当作なし
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候補 |
「かっぱ塾へ行こう!」 |
松尾佑一 |
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「ぼくらのミリタリー・パレード」 |
未来谷アユ |
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「ピューマンロード」 |
宮藤蔵六 |
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野性時代フロンティア文学賞
特記がなければ、初刊はKADOKAWA、文庫は角川文庫刊。
回(年) |
応募総数 |
賞 |
受賞・候補作 |
著者 |
初刊 |
文庫化
|
第1回(2010年) |
904編 |
大賞 |
「鳩とクラウジウスの原理」 |
松尾佑一 |
2010年4月[注 3] |
2016年5月
|
第2回(2011年) |
761編 |
受賞 |
「枯神のイリンクス」[注 4] |
日野草[注 5] |
2011年8月[注 6] |
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候補 |
「かれん」 |
岡坊栄 |
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「「神様」と俺は言った」 |
吉森悠三 |
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第3回(2012年) |
881編 |
受賞 |
「罪の余白」 |
芦沢央 |
2012年8月[注 7] |
2015年4月
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「ホテルブラジル」 |
古川春秋 |
2012年8月[注 8] |
2014年5月
|
候補 |
「田嶋、再び」 |
深津十一 |
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第4回(2013年) |
924編 |
受賞 |
「天涯の果て 波濤の彼方をゆく翼」[注 9] |
篠原悠希 |
2013年8月[注 10] |
2020年2月
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候補 |
「クロス ドミナンス」 |
清水てつき |
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「未来パン」 |
高條理太 |
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第5回(2014年) |
973編 |
受賞 |
「心中おサトリ申し上げます」 |
未上夕二 |
2014年8月 |
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候補 |
「最後のガストロノーム」 |
D坂ノボル |
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「朝は来ないのだけれど」 |
坂梨福朗 |
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第6回(2015年) |
840編 |
受賞 |
「厭世マニュアル」 |
阿川せんり |
2015年8月 |
2017年8月
|
候補 |
「餓鬼阿弥の妻」 |
高橋弘和 |
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「日本語なら教えられるだろうと思いまして」 |
小松知佳 |
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第7回(2016年) |
853編 |
受賞 |
該当作なし
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奨励賞 |
「お月様のブランコ」[8] |
田中倫子 |
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候補 |
「革命式のジュリエット」 |
夢崎羊 |
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「転ばぬ先のチビ男子」 |
宇治川陽 |
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第8回(2017年) |
751編 |
受賞 |
該当作なし
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奨励賞 |
「うつくしき屑」[9] |
岩井圭吾 |
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候補 |
「結婚革命」 |
本宮晃樹 |
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「誰は彼時に咲く椿」 |
今村翔吾 |
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「逆走モラトリアム」 |
神崎周 |
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|
第9回(2018年) |
565編 |
受賞 |
「永遠についての証明」 |
岩井圭也[注 11] |
2018年8月 |
2022年1月
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奨励賞 |
「親子喧嘩」 |
坂梨福朗 |
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候補 |
「嘘つき達のキッチン」 |
小松知佳 |
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第10回(2019年) |
488編 |
受賞 |
該当作なし
|
奨励賞 |
「むかさりの彼方」 |
高橋弘和 |
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|
候補 |
「明るい無光層」 |
笑白黒助 |
|
|
「敗者の一歩」 |
坂梨福朗 |
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小説野性時代新人賞
特記がなければ、初刊はKADOKAWA、文庫は角川文庫刊。
回(年) |
応募総数 |
賞 |
受賞・候補作 |
著者 |
初刊 |
文庫化
|
第11回(2020年) |
440編 |
受賞 |
「化け者心中」 |
蝉谷魚ト[注 12] |
2020年10月 |
2023年8月
|
奨励賞 |
「嘘のくに」 |
吾野廉 |
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|
候補 |
「パリ連続殺人」 |
小早川真彦 |
|
|
「ヘブンズ・トーク・プラン」 |
宮下甲 |
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|
第12回(2021年) |
667編 |
受賞 |
「水平線は回転する」[注 13] |
君嶋彼方 |
2021年9月 |
2024年6月
|
奨励賞 |
「どしょぼね」 |
河合紗都 |
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「連鎖するチョイスチョイスチョイスと天秤の帰結」 |
橋本秋葉 |
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|
第13回(2022年) |
622編 |
受賞 |
該当作なし
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奨励賞 |
「性の隣の夏」 |
入江直海 |
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|
候補 |
「深層」 |
一瀬かなた |
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|
「白月夜」 |
青奈きよ |
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|
第14回(2023年) |
704編 |
受賞 |
該当作なし
|
奨励賞 |
「隣も青し」 |
関かおる |
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|
候補 |
「スターフィッシュ・セカンダリー」 |
佐伯僚佑 |
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|
「繭が破れたあと」 |
和泉陽子 |
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第15回(2024年) |
614編 |
受賞 |
「海賊忍者」 |
諏訪宗篤 |
2024年9月 |
|
「みずもかえでも」 |
関かおる |
2024年9月 |
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候補 |
「ふくふくいいめし」 |
綿原芹 |
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「多摩川スピードウェイ」 |
彼方出 |
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選考委員
野性時代青春文学大賞
- 第1回 - 第4回:『野性時代』編集部、書店代表、読者代表
野性時代フロンティア文学賞
小説野性時代新人賞
脚注
注釈
- ^ 第1回は100万円
- ^ 「黒澤蘭子」より改名
- ^ 角川書店刊
- ^ 刊行時『ワナビー』に改題
- ^ 「日々草」より改名
- ^ 角川書店刊
- ^ 角川書店刊
- ^ 角川書店刊
- ^ 刊行時『天涯の楽土』に改題
- ^ 角川書店刊
- ^ 「岩井圭吾」より改名
- ^ 刊行時に蝉谷めぐ実に改名
- ^ 刊行時『君の顔では泣けない』に改題
出典
関連項目
外部リンク