道脇裕
道脇 裕(みちわき ひろし、1977年 - )は、日本の発明家、実業家である。株式会社NejiLawと株式会社NejiLaw MO IP Innovationの代表取締役社長を務める。 「小学校中退[注釈 1]」という異例の学歴の持ち主[1]。緩まないとされるネジ「L/Rネジ」を考案したことで知られる。幼少期から発明・考案をしてきたといわれる[2]。東京都ベンチャー技術大賞、グッドデザイン賞金賞などを受賞。「世界に誇るべきニッポンの100人」、「日本を動かすベンチャー100」などにも選出された。 来歴大手化学メーカーの研究所所長・役員を務めた父と東京外国語大学名誉教授の母・道脇綾子のもとに群馬県桐生市で誕生した[3][4]。祖父は群馬大学名誉教授で前橋工科大学初代学長も務めた数学者の道脇義正[4][5]。 1歳から10歳までを東京都多摩市で過ごす[3]。小学校に入学後、1学期に配られた教科書や問題集を授業中に独学で学習し、わずか1週間で全て終わらせた。「解き方が全部教科書に載っているのに、なぜ同じことを教わる必要があるのか理解できなかった」という。学校の授業は常に退屈で、さながら拷問のように感じていた[2]。徐々に学校教育の在り方に疑問を抱き始めたため、小学5年生の時に「勉強は決して嫌いではないけれど、今は勉強する時ではないから、この道から降りる。でも、いつか必ず戻ってくるので、その時まで見守っていてほしい」と宣言し、小学校に通うことをやめる[3]。「日本の学校教育は独創性をなくさないと過ごせない仕組みになっている」と感じたことが主たる休学理由であった[2]。その後、大学教授をしていた母親の研究室に通い詰め、電子顕微鏡や実験器具、薬品などを駆使し、化学実験や電子工作に明け暮れた[3]。 新聞配達やチラシポスティング、家事代行、漁師、とび職などの様々な仕事を経験しながら、物心が付いた頃から日常化していた「発明」を続ける[3]。都立の工業高校に進学するも、1単位も取得することなく退学[6]。10代の終わりに、学校教育の本質的重要性に気付き、大学入学資格検定を受検して合格。続いて米国・コロラド州の大学にも留学するも、わずか5日でドロップアウト。 2009年、“緩まないネジ”を社会に送り出すために株式会社NejiLawを創立。 経済産業省より戦略的基盤技術高度化支援事業を受託。2014年に官民ファンドである産業革新機構等の第三者割当増資による出資を受け、現在に至る[7]。 発明・ユニーク製品多数の登録特許を保有し、様々な製品を開発している。その中で特に有名なモノが「L/Rネジ」=「緩まないネジ」であり、テレビ東京「カンブリア宮殿」(2021年6月17日)に出演し発明秘話などが紹介された。イノベーター、発明家、起業家、ビジネスマン、知的財産プランナー、研究者、開発者であり、広く社会のために発明を役立てたいという思いから、新日鐵住金、IHI、東京鉄鋼、横浜ゴム、東レ、関電工、カシオ計算機、三菱商事グループ、丸紅など、ベンチャー企業、中小企業、大企業のコンサルタント&アドバイザーを、プライベート時間を割いてまで引き受け、共同開発プロジェクトなどを中核に、各種の新製品開発に貢献している(2024年3月7日、テレビ東京「カンブリア宮殿」にて東京鉄鋼の特殊製品「ネジテツコン継手」が紹介された)。 鉄鋼総合商社「メタルワン」と2021年3月に、合弁会社「ネジモ」を設立し、メタルワン取引顧客(約10万社)に対して、技術コンサルタント役を務め、社会インフラ事業の課題に日々取り組んでいる。 「L/Rネジ」に関連する主な製品として(以下7点):
「L/Rネジ」関連以外での開発製品(以下4点):
受賞歴
メディア出演
脚注注釈2. 絶対に緩まないネジについては、ハードロック工業が製造販売するハードロックナットが新幹線の台車にも採用されるなど広く普及しており、その点では道脇の発明したとされるネジは二番煎じ感を否めない。 3. L/Rネジについては、緩まないネジと謳っているが、その原理から判断するに左ネジ右ネジが互いに離間する方向に回転させれば緩むのであって、利用者の誤解を招く表現である。因みにハードロックナットは緩まない原理がL/Rネジとは全く異なり、緩まないネジとして広く普及している。 出典
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