近江今津駅(おうみいまづえき)は、滋賀県高島市今津町名小路一丁目にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)湖西線の駅である。駅番号はJR-B14。
概要
湖西地域の高島市の中心駅・主要駅で、かつて所在地付近を走っていた江若鉄道が当駅近くを終点としており[3][4][5]、駅周辺は開業前から湖西地域の鉄道の拠点であった。
現在の湖西線においても拠点駅として機能しており[6]、多くの列車が当駅で折り返すほか、優等列車である特急も一部が停車する。
当駅は高島市内では乗降客が最も多い駅であり、駅前からは上中・小浜方面(若狭)への西日本JRバス(若江線)が発着し[3][6]、駅付近にある今津港には竹生島方面(竹生島経由で長浜港へ運航する便もある)へ向かう(琵琶湖の)遊覧船も発着する[8]。
歴史
駅構造
島式ホーム2面4線を持つ、待避設備を備えた高架駅であり、改札口は1か所のみ。湖西線内で2駅のみの直営駅の一つ(堅田駅の傘下の地区駅)である。
- 特徴
- 駅構内にはみどりの窓口・有人改札口・交通系ICカード専用簡易型自動改札機・自動券売機・屋内待合室・化粧室・発車標などが設置されている。
- 構内の南側には留置線4線が設けられ、線内運用の電車の夜間留置に使用される。多雪地帯のため留置線に短い屋根があり、積雪からパンタグラフを保護する。
のりば
- 線路の構成
- 1番線(ホームなし、下り待避線)
- 2番線(1番のりば、下り本線)
- 3番線(2番のりば、下り待避線)
- 4番線(3番のりば、上り待避線)
- 5番線(4番のりば、上り本線)
- 6番線(ホームなし、上り待避線)
- 付記事項
- 外側2線(1・4番のりば)が本線、内側2線(2・3番のりば)が待避線であり、外側2線(1・4番のりば)の外側にはホームのない待避線が1線ずつ敷かれている。
- 当駅から京都方面へ折り返す列車は2番のりばを、当駅から近江塩津方面へ折り返す列車は3番のりばを使用する。
- 一部列車は当駅で緩急接続を行うが、当駅始発の京都方面行き・近江塩津方面行きとの対面乗り換えはできない(特急は同一ホームで対面乗り換えをすることができる)。
- 内側2線(2・3番のりば)は両方向に出発信号機を設けているため、方向を問わずに発車することができる。
- ホームの長さは320 mとなっており、15両分のホーム有効長をもつが、12両分しか使用していない。なお、使用していない部分にはフェンスが設置されたため、立ち入ることはできない。
- ホームのない待避線には、貨物列車や試運転列車[注釈 1]などが後続列車の発車・通過待ちを行うために停車することがある。
- 当駅は湖西線において近江塩津方へ折り返せる構造になっている唯一の駅である。
- 一部の列車は西日本ジェイアールバス若江線と連絡するため、このバスと連絡する列車は駅到着時にバス発車時刻のアナウンスが行われる。
- 2006年10月21日の改正で新快速が敦賀駅に乗り入れるようになり、当駅で車両の連結・切り離し作業が行われることになった[注釈 2]。車両の連結・切り離しを行う列車は上下とも3番線(2番のりば)に停車する。
- 下り列車は近江塩津・敦賀方面行きの新快速と快速のほぼすべての列車で切り離し作業が、上り列車は京都方面行きの新快速と快速のほぼすべての列車で連結作業が行われる(上下線とも、当駅発着と永原発着および一部の列車を除く)。
- 連結・切り離しが行われる列車を中心に乗務員の交代があり、連結・切り離しを行う列車は列車番号の設定変更(別列車扱い。種別表示は変えない)も行われる。
利用状況
高島市内では最も利用客が多い。主に京都・大阪方面への通勤通学客や、滋賀県立高島高等学校への通学生の利用もあるが、西日本ジェイアールバス若江線やマイカー利用による福井県嶺南地方の利用客も多い。
「滋賀県統計書」によると、1日平均の乗車人員は以下の通りである。
年度
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1日平均 乗車人員
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出典
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1992年
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3,016
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[統計 1]
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1993年
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2,998
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[統計 2]
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1994年
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2,945
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[統計 3]
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1995年
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2,935
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[統計 4]
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1996年
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3,053
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[統計 5]
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1997年
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3,029
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[統計 6]
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1998年
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2,998
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[統計 7]
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1999年
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2,928
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[統計 8]
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2000年
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2,899
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[統計 9]
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2001年
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2,830
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[統計 10]
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2002年
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2,799
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[統計 11]
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2003年
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2,764
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[統計 12]
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2004年
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2,737
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[統計 13]
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2005年
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2,645
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[統計 14]
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2006年
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2,616
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[統計 15]
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2007年
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2,567
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[統計 16]
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2008年
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2,544
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[統計 17]
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2009年
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2,446
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[統計 18]
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2010年
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2,353
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[統計 19]
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2011年
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2,263
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[統計 20]
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2012年
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2,242
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[統計 21]
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2013年
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2,235
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[統計 22]
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2014年
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2,162
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[統計 23]
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2015年
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2,168
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[統計 24]
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2016年
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2,175
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[統計 25]
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2017年
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2,187
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[統計 26]
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2018年
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2,102
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[統計 27]
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2019年
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1,989
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[統計 28]
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2020年
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1,498
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[統計 29]
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2021年
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1,477
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[統計 30]
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2022年
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1,661
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[統計 31]
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駅周辺
住宅が多く建つが、公共施設や商業施設が駅の東西に点在する。湖西線の開業に際して27万 m2の土地区画整理事業が行われ、全日本建設技術協会から設計・施工の面で優秀と評価され、土地区画整理事業として全国で初の表彰を受けた[18]。開業時には警察や消防署などの公共施設や国鉄の事務所や職員住宅が整備されていたが、地価が10倍以上に高騰したことで商店や民家はまばら状態であった[18]。買い物客の流出を防ぐために近江今津駅前にショッピングセンターを開業させる計画があったが、地価の高騰で頓挫している[19]。
駅西側には図書館や市営斎場があり、駅東側には総合病院・資料館・今津港・琵琶湖がある。国道161号高島バイパス・国道303号・滋賀県道291号今津停車場線は駅西側、滋賀県道333号安曇川今津線は駅東側、滋賀県道54号海津今津線は駅北側を通る。なお、国道303号・ザゼンソウ群落・陸上自衛隊今津駐屯地は駅からやや離れた所にある。
東口
西口
バス路線
駅西口のロータリー内に「近江今津駅」停留所があり、下記の各路線が発着する。なお、カッコ内の事業者名はコミュニティバスの運行委託先である。
かつては高島市コミュニティバスの新旭西循環線が当駅に乗り入れていたが、経路見直しに伴い廃止された。
隣の駅
- 西日本旅客鉄道(JR西日本)
- 湖西線
- ■新快速・■快速・■普通
- 近江中庄駅 (JR-B13) - 近江今津駅 (JR-B14) - 新旭駅 (JR-B15)
脚注
記事本文
注釈
- ^ JR西日本では試運転を行う場合、線路規格が高く列車本数の少ない湖西線の当駅から永原駅の間において行うのが通例となっている。
- ^ 敦賀駅の一部ホームの有効長が4両編成分であるほか、近江塩津駅・新疋田駅についてはホームが4両編成分のみ整備されている。
出典
利用状況
参考文献
関連項目
ウィキメディア・コモンズには、
近江今津駅に関連するカテゴリがあります。
外部リンク