谷地頭温泉
谷地頭温泉(やちがしらおんせん)は、北海道函館市谷地頭町にある温泉。 概要函館山山麓の爆裂火口跡といわれてている谷地にある[1]温泉である。寒川火山噴出岩層に湯脈がある[2]。 泉質泉質は日帰り入浴施設「谷地頭温泉」館内掲示の温泉分析書(2008年<平成20年>付)によると 施設
函館山の東側山麓に、広い内風呂と露天風呂を備え、源泉掛け流しの日帰り入浴施設「谷地頭温泉」が存在する[3]。
かつては温泉旅館も存在していたが閉館している。ほか、宿泊施設と老人ホームを兼ね備えた厚生年金ハートピア函館も存在したが、民間への売却後は有料老人ホームの「フルールハピネスはこだて」となっている。
敷地内の一角には、温泉工事の際に出土した陰陽石が祀られている[4]。 歴史
1878年(明治11年)の函館大火のあと、当時湿地帯であった谷地頭地区が宅地造成され、1881年(明治14年)竣工、翌1882年(明治15年)、事業家の勝田銀蔵によって温泉掘削が行われ営業した。1883年(明治16年)9月の「函館新聞(現在の函館新聞とは別)」には、「谷地かしら公園抔へ散歩の人も多く浅田屋の七色・柳川の蕎麦を当込む女連中もあれば勝田の温泉に浴する人も多く」とある[5]。元々低温の温泉が湧出していた[6]。 1934年(昭和9年)3月21日発生の昭和9年函館大火で勝田温泉旅館が焼失した(後に再建)。山内温泉の施設も焼失した[6]。
戦後直後は勝田温泉旅館と料理旅館池の端が営業するのみとなり、泉質も劣化していた[6]。湯温が40℃前後と低く、料理旅館池の端こそ温泉水を沸かしていたが、勝田温泉旅館は水道水を沸かしていたという[7]。そんな中函館水道局(現、函館市企業局上下水道部)に新しい湯元の開発が持ちかけられた[6]。同局はちょうど湯の川温泉の温泉供給管に付着するガリ対策の目処がついたこともあり[7]、1949年(昭和24年)8月にかつてあった料亭「浅田楼」(1906年<明治39年>以降は遊廓「みやぎ野」[6])の土地(谷地頭町25番地)を相馬報恩会から購入をすることにし、同案が函館市議会で決議される。 翌1950年(昭和25年)に市民より谷地頭町17番地も寄付される[7]。1951年(昭和26年)、同局よりボーリングを実施して、源泉開発が行われ、1953年(昭和28年)2月16日に市営谷地頭温泉として開業した。従来の勝田温泉旅館と料理旅館池の端は同局より分湯を受けて営業を続けた[6]。 →「函館市企業局上下水道部 § 歴史」も参照
勝田温泉旅館は1990年(平成2年)ごろ[8]、料理旅館池の端は2018年(平成30年)[9]に閉館した。 市営の日帰り入浴施設は1998年(平成10年)に改築されたものの、2013年(平成25年)4月1日に市から株式会社ケーケーエム[10]に建物等が売却され民営化[11]。理由は1998年(平成10年)をピークに利用者数が落ち込み、翌1999年(平成11年)から赤字が続いていたためである[12]。2024年(令和6年)12月15日、食堂の営業を終了した[13]。 源泉井戸
アクセス脚注
参考文献
関連項目外部リンク
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