西鋭夫

西 鋭夫
人物情報
生誕 1941年12月(82 - 83歳)
日本の旗 日本・大阪
国籍 日本の旗 日本
出身校 関西学院大学、ワシントン大学大学院
学問
活動地域 日本、アメリカ
研究分野 国際政治学、政治教育学、日米関係
学位 博士(国際政治・教育学)
主な業績 Unconditional Democracy: Education and Politics in Occupied Japan, 1945-1952, Hoover Institution Press(1982)
公式サイト
https://prideandhistory.jp/
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西 鋭夫(にし としお、1941年(昭和16年)[1]12月 - )は、日本出身でアメリカ在住の国際政治学者、教育学者、歴史研究者。

スタンフォード大学フーヴァー研究所元研究員。専門は日米関係、占領史、日本近代史。

経歴

1941年12月大阪生まれ。 関西学院大学文学部卒業後に渡米し、ワシントン大学大学院に学ぶ。

修士号取得後にJ・ウォルター・トンプソンに勤務[2]しながらワシントン大学研究助手・バテル記念研究所英語版専任研究員を務め、学位論文(Politics of Freedom : American Occupation of Japan, 1945-1952)を執筆。博士号(国際政治・教育学博士)を取得。この論文がフーヴァー研究所シニアフェローラモン・マイヤーズ[注釈 1] から評価され、同研究所から招聘されて[3]1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。

1985年以降、麗澤大学国際経済学部教授日本大学大学院総合科学研究科教授、日本大学国際関係学部教授等を歴任。1977年から2023年までは、スタンフォード大学フーヴァー研究所リサーチフェローをつとめた[注釈 2][4]モラロジー研究所特任教授、滋慶学園教育顧問等を務める[5][6][7]

人物

第二次世界大戦及びGHQによる日本占領における一次資料の分析で知られる[8]。特にフーヴァー図書館[9] が所有する米国の日本占領期間(1945-1952)中の重要文書・資料などの調査を行い、その成果をUnconditional Democracy: Education and Politics in Occupied Japan, 1945-1952 (Hoover Institution Press, 1982; reissued in 2003)や『國破れてマッカーサー』(中央公論社、1998年)にまとめた。更に日本占領期における研究調査の視野を広げ、トルーマン大統領図書館、マッカーサー記念図書館にて歴史資料の発掘に努める[10][11]。トルーマン図書館財団からは学術奨学金を受賞した。

Unconditional Democracyはフーヴァー・クラシックス(Hoover Classics)として現在も販売[8]されており、教科書として扱う米国の大学もある。

2010年頃より米国での研究調査活動から日本国内にも活動の軸足を移し、東日本大震災とその後の日本社会のあり方に言及した論文 “Fukushima: Three Years Later”(March 13, 2014)[注釈 3] や "At Fukushima, Still More Heat than Light"(July 7, 2017)[12] などを発表。スタンフォード大学フーヴァー研究所の対日窓口としての役割を果たし、日本の大学との共同シンポジウムを2度企画し総合司会を務めた。またダイレクト出版創業者の小川忠洋が2016年1月にフーヴァー研究所で寄附講座「Tadahiro Ogawa Endowed Chair」(小川忠洋研究基金)を創立した際にシニアフェローとなり、ダイレクト出版と講座などで協業している。

ロナルド・レーガン大統領コンドリーザ・ライス国務長官など米国首脳との交流をはじめ、日米財政界に太いパイプを持つ。

海軍大学、マッカーサー記念図書館、ハリー・S・トルーマン大統領図書館、全米各所での講演活動多数。ハーバード大学MITなど世界最高峰の大学との共同研究会でゲストスピーカーとして登壇。

2012年9月5日、西、三宅久之すぎやまこういちなど保守系の著名人28人は、同年9月の自由民主党総裁選挙に向けて、「安倍晋三総理大臣を求める民間人有志の会」を発足させた[13][注釈 4]。同日、同団体は安倍晋三の事務所に赴き、出馬要請をした[24][15]。9月26日、総裁選が実施され、安倍が当選した。

主な著作

英語

  • “The Voluntary Abstention Principle and Japan: Some Legal and Political Implications,”Natural Resources Journal, Vol.11, No.4, 1971, pp.657-673.
  • Unconditional Democracy: Education and Politics in Occupied Japan, 1945-1952, Hoover Institution Press, 1982 (reissued in 2004).
  • “Japan’s Last Stand in the 21st Century,”ASIA PROGRAM SPECIAL REPORT, Woodrow Wilson Center, No.119, 2004, pp.16-20.
  • “On the Cesium Road,” Hoover Digest: Research and Opinion on Public Policy, Hoover Institution, No.2, 2012.
  • “The New Japanese Nationalism,” Defining Ideas, A Hoover Institution Journal, Dec. 19, 2012.
  • “Fukushima: Three Years Later,” Defining Ideas, A Hoover Institution Journal, Mar. 13, 2014.
  • "At Fukushima, Still More Heat than Light," Hoover Digest, Hoover Institution, July 7, 2017.

日本語

Unconditional Democracy の日本語版。電子書籍でも再刊
  • 『富国弱民・ニッポン』広池学園出版部、1996年
  • 『國破れてマッカーサー』中央公論社、1998年。中公文庫、2005年
  • 『日米魂力戦 敗けるなニッポン』中央公論新社、2003年。回想記
    • 新訂版『アメリカ帝國滞米五〇年』ダイレクト出版、2020年
  • 『占領神話の崩壊』岡﨑匡史共著、中央公論新社、2021年/中公文庫、2024年
  • 『米占領・空腹と伝染病』岡﨑匡史共著、ダイレクト出版、2024年

脚注

注釈

  1. ^ ラモン・マイヤーズ博士については、“Ramon H. Myers,” Fellows, Hoover Institute (http://www.hoover.org/profiles/ramon-h-myers ) (2016年3月10日アクセス)
  2. ^ 同研究所は、スタンフォード大学の初代卒業生(1895年卒)で第31代大統領ハーバート・フーヴァーにより、1919年、スタンフォード大学内に創設された公共政策を専門とするシンクタンクである。正式名称はHoover Institution on War, Revolution and Peace(フーヴァー戦争・革命・平和研究所)。創設に際し、ハーバート・フーヴァーはスタンフォード大学に50,000ドル(1919年当時)を寄付した他、同大学の評議会に対して研究所の理念を声明として発表した。同研究所はスタンフォード大学の一ユニットでありながら、独自の運営主体・評議会等を有するという特別な形態をとっている
  3. ^ 本稿については “Fukushima: Three Years Later,” Defining Ideas, A Hoover Institution Journal, Hoover Institution (http://www.hoover.org/research/fukushima-three-years-later) より閲覧可能。
  4. ^ 「安倍晋三総理大臣を求める民間人有志の会」の発足時(2012年9月5日)の発起人は以下の28人。三宅久之(代表発起人)、長谷川三千子金美齢津川雅彦板垣正鳥居泰彦大原康男中西輝政岡崎久彦、西鋭夫、小田村四郎加瀬英明百田尚樹日下公人平川祐弘小林正小堀桂一郎福田逸佐々淳行すぎやまこういち百地章石平渡部昇一竹本忠雄山本學田母神俊雄屋山太郎奥田瑛二[14][15]。ほどなく奥田が抜け、丹羽春喜福井雄三藤岡信勝西岡力上念司勝間和代潮匡人倉山満三橋貴明島田洋一の10人が加わり、最終的に計37人となった[16]日本会議および同関連団体の役員・幹部が多く名を連ね、その数は37人中17人に及んだ。内訳は以下のとおり。日本会議:長谷川、板垣、大原、小田村、加瀬、小堀、百地、竹本、丹羽[17][18][19][20]。日本会議関連団体:中西、岡崎、佐々、津川、渡部、平川、小林、屋山[21][22][23]

出典

  1. ^ 西鋭夫の新説・明治維新 - プライド&ヒストリー公式サイト
  2. ^ "Toshio Nishi Returns to Hoover Institution As The Tadahiro Ogawa Fellow," Hoover Institute。(2016年3月10日アクセス)
  3. ^ "Toshio Nishi Returns to Hoover Institution As The Tadahiro Ogawa Fellow," Hoover Institute。(2016年3月10日アクセス)
  4. ^ Hoover Fellows, Hoover Institution(http://www.hoover.org/fellows<meta />)(2016年12月5日アクセス)
  5. ^ “Toshio Nishi,” Fellows, Hoover Institute (http://www.hoover.org/profiles/toshio-nishi) (2015年8月7日アクセス)
  6. ^ 「日本大学教員紹介ページ」 (http://www.nihon-u.ac.jp/arish/prof/prof_h_nishi.html
  7. ^ 「滋慶学園ニュース『グループの日本語学校、東洋言語学院4月入学式 日本に賭ける16カ国167名の留学生を地域や企業の人たちが激励』」 (http://www.jikeigroup.net/news/20150415_8608.html )(2015年8月7日アクセス)
  8. ^ a b "Toshio Nishi Returns to Hoover Institution As The Tadahiro Ogawa Fellow," Hoover Institute。(2016年3月10日アクセス)
  9. ^ フーヴァー図書館はフーヴァー研究所に含まれる
  10. ^ "Toshio Nishi Returns to Hoover Institution As The Tadahiro Ogawa Fellow," Hoover Institute。(2016年3月10日アクセス)
  11. ^ 詳細については「スタンフォード大学フーヴァー研究所」西鋭夫公式HP:PRIDE and HISTORY :Another History Not Written By Winners (http://www.prideandhistory.jp/book-archive/book1/first/000008.html )(2015年8月8日アクセス)
  12. ^ “At Fukushima, Still More Heat than Light” (英語). Hoover Institution. https://www.hoover.org/research/fukushima-still-more-heat-light 2018年4月1日閲覧。 
  13. ^ 創誠天志塾 Facebook 2012年9月6日”. 2022年12月31日閲覧。
  14. ^ 安倍晋三総理大臣を求める民間人有志による緊急声明(一部抜粋)”. 城内 実(きうちみのる) オフィシャルサイト. 2023年1月1日閲覧。
  15. ^ a b 安倍晋三総理大臣を求める民間人有志による緊急声明”. 金美齢ホームページ (2012年9月10日). 2023年1月1日閲覧。
  16. ^ 発起人一覧”. 安倍晋三総理大臣を求める民間人有志の会. 2022年6月3日閲覧。
  17. ^ 役員名簿(平成23年4月15日現在)”. 日本会議. 2012年10月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年1月10日閲覧。
  18. ^ 設立10周年大会”. 日本会議. 2021年1月16日閲覧。
  19. ^ 日本人の伝統取り戻す 日本会議政策委員の百地章・日大教授”. 日本経済新聞 (2016年10月9日). 2024年1月30日閲覧。
  20. ^ 『日本の息吹』創刊200号(2014年7月号)”. 日本会議. 2024年2月7日閲覧。
  21. ^ 役員一覧(平成24年3月31日現在)”. 民間憲法臨調. 2014年7月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年1月25日閲覧。
  22. ^ 役員名簿”. 皇室の伝統を守る国民の会. 2023年9月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年2月12日閲覧。
  23. ^ 要望書(2004年10月29日)”. 民間教育臨調. 2006年12月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年1月30日閲覧。
  24. ^ 渡辺哲哉、神田知子「民主党最後の切り札 細野豪志を代表選から引きずり降ろした黒幕の名前」 『週刊朝日』2012年9月21日、18頁。

外部リンク