西春別駅

西春別駅
西春別駅(1989年3月)
にししゅんべつ
Nishi-Shumbetsu
光進 (5.2 km)
(5.2 km) 上春別
所在地 北海道野付郡別海町西春別駅前西町
北緯43度24分59秒 東経144度45分49秒 / 北緯43.41639度 東経144.76361度 / 43.41639; 144.76361
所属事業者 北海道旅客鉄道(JR北海道)
所属路線 標津線
キロ程 22.5 km(標茶起点)
電報略号 ニユ
駅構造 地上駅
ホーム 1面2線
開業年月日 1936年昭和11年)10月29日[1]
廃止年月日 1989年平成元年)4月30日[1]
備考 標津線廃線に伴い廃駅
テンプレートを表示
1977年の西春別駅と周囲約500 m範囲。上が中標津方面。駅裏側のホームと並行な長方形の盛土は、かつての殖民軌道虹別線の貨物ホーム。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成

西春別駅(にししゅんべつえき)は、北海道野付郡別海町西春別駅前西町にかつて設置されていた、北海道旅客鉄道(JR北海道)標津線廃駅)である。電報略号ニユ事務管理コードは▲111702[2]

歴史

標茶 - 中標津間の鉄道建設に際し、西春別を経由するよう、別海村(当時)が周辺地域の農業生産物の生産状況資料、約1000人の住民の署名を付して鉄道大臣・道知事あてに請願したことによって設置が実現した経緯がある[3]

営業時の列車交換(1987年12月)

駅名の由来

「春別」の西にあることから[8][5]

駅構造

貨物及び荷物取り扱い廃止までは、島式ホーム1面2線と、さらに駅舎側に貨物積降線1本、及び外側に中標津側から引き入れた行き止まりの留置線1本を有する列車行き違い可能駅であった。駅舎は構内の東側(標茶方面に向かって左側)の中標津寄りにあって地面に直接建てられ、駅舎正面とホームの中標津側端が、線路上を横断する形で連絡していた。駅舎横の標茶寄りにはホーム状の貨物積降場が設けられていたが、これは当駅が最寄りの陸上自衛隊矢臼別演習場向けの特大貨物(戦車・大砲)用の設備であった[9]。貨物及び荷物取り扱い廃止後に駅舎側の貨物積降線が撤去された。

廃止時点では、島式ホーム1面2線及び留置線1本を有する列車行き違い可能駅であった。

初期には駅裏側にも貨物積降場が置かれ、1939年(昭和14年)から1949年(昭和24年)にかけて標茶町虹別へと向かう殖民軌道虹別線の停車場が置かれていた。

また駅表側の貨物積降場から少し離れた街の一角に、1936年(昭和11年)から1952年(昭和27年)にかけて別海町上春別春日へと向かう殖民軌道西別線の新西春別という名前の停車場が置かれていた。

さらに戦時中の1944年(昭和19年)頃から終戦まで、駅の西方にある旧陸軍計根別第4飛行場の建設及び補給物資運搬用の目的で、駅の北側(中標津側)から軍事用引き込み線が分岐していた。

利用状況

乗車人員の推移は以下のとおり。年間の値のみ判明している年については、当該年度の日数で除した値を括弧書きで1日平均欄に示す。乗降人員のみが判明している場合は、1/2した値を括弧書きで記した。

年度 乗車人員 出典 備考
年間 1日平均
1978年(昭和53年) 213 [9]

駅周辺

もともと西春別地区は当駅から南東に約4 km 離れた位置(現:道道342号沿い)に1931年(昭和6年)から入植をはじめていたが、1936年(昭和11年)に、陸軍省軍馬補充部根室支部の開設に伴い市街と周辺の原野に入植した住民の一部が立ち退きを余儀なくされ、同年7月に当駅の開業に先立って区画を整理、新市街として成立した当地周辺へ移転して、旧市街と駅前新市街の2つの市街を持つ地区となった[10]

現在でも新市街の字名西春別駅前○○町となっており、当駅が所在した名残となっている。

現状

隣の駅

北海道旅客鉄道
標津線
光進駅 - 西春別駅 - 上春別駅

脚注

  1. ^ a b c d e f g 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』(初版)JTB、1998年10月1日、927頁。ISBN 978-4-533-02980-6 
  2. ^ 日本国有鉄道営業局総務課 編『停車場一覧 昭和41年3月現在』日本国有鉄道、1966年、247頁。doi:10.11501/1873236https://doi.org/10.11501/18732362023年4月2日閲覧 
  3. ^ 別海町百年史編さん委員会 編『別海町百年史 本編』別海町、1978年、1392頁。doi:10.11501/9569942https://doi.org/10.11501/95699422023年4月14日閲覧 
  4. ^ 鉄道省告示第380号」『官報』第2942号、大蔵省印刷局、1936年10月21日、doi:10.11501/29594242023年4月15日閲覧 
  5. ^ a b 『北海道 駅名の起源』(第1版)日本国有鉄道北海道総局、札幌市、1973年3月25日、167頁。ASIN B000J9RBUY 
  6. ^ 鉄道省告示第399号」『官報』第3244号、大蔵省印刷局、1936年10月21日、doi:10.11501/29597302023年4月15日閲覧 
  7. ^ 鉄道省告示第400号」『官報』第3244号、大蔵省印刷局、1936年10月21日、doi:10.11501/29597302023年4月15日閲覧 
  8. ^ 札幌鉄道局 編『駅名の起源』北彊民族研究会、1939年、168頁。NDLJP:1029473 
  9. ^ a b 藤田, 稔 編『国鉄全駅大事典』藤田書店、1980年4月30日、916頁。doi:10.11501/12065814https://dl.ndl.go.jp/pid/12065814 
  10. ^ 別海町百年史編さん委員会 編『別海町百年史 本編』別海町、1978年、1624-1627頁。doi:10.11501/9569942https://doi.org/10.11501/95699422023年4月14日閲覧 

関連項目

外部リンク