蔵王坊平アスリートヴィレッジ(ざおうぼうだいらアスリートヴィレッジ)は、山形県上山市坊平高原にある、高地トレーニングを目的としたナショナルトレーニングセンターである。山形県及び上山市が整備し、2008年に日本オリンピック委員会から、ナショナルトレーニングセンターとしての指定を受けた。
概要
坊平高原は、標高1,000mの蔵王連峰の中にあり、上山市と蔵王町を結ぶ山岳道路、宮城県道・山形県道12号白石上山線(通称:蔵王エコーライン)沿いにある。蔵王連峰の登山口として知られ、蔵王エコーラインの開通に合わせて、その拠点としてキャンプ場、ペンション村が整備され、夏季の自然体験学習、冬季のスキー合宿、一年を通した勉強合宿の場所として、山形県・宮城県民に親しまれている。
坊平地区が、高地にあり、気象、地質の面でもトレーニングの適地とされた。1956年(昭和31年)の蔵王縦走マラソン大会の際に村社講平がクロスカントリーに最適な土地として蔵王高原坊平を絶賛。1990年(平成2年)に、地元自治体により研究会が発足され、数年にわたる調査・研究を経て、1994年(平成6年)に「蔵王坊平アスリートヴィレッジ構想推進協議会」が設立された。以降、着々と施設整備を進めている。
現在は、夏季を中心に様々なスポーツクラブ、企業や大学の陸上競技部が合宿を行っているほか、昆虫採集・トレッキング・星空観察など自然体験学習の拠点として、地元にも施設が開放されている。また、毎年8月には「蔵王坊平クロスカントリー大会」が開催されている。
施設
坊平地区
- ZAOたいらぐら
- 陸上競技場(400mグリーントラック。全天候型陸上トラックとしては日本で最も高地にある)
- 1,000mトラック
- 多目的グラウンド(サッカー・ラグビーなどに使用)×3面
- クロスカントリーコース(JOC認定の、東日本唯一のクロスカントリー専用コース。3km。最高標高1,048m。冬季はクロスカントリースキーにも使われる)
- テニスコート:計画中
- クラブハウス
- 総合交流促進施設(体育館、トレーニングセンター、売店など)
- 温泉保養施設(屋内プール)
- スポーツ医科学研究センター:計画中
- 宿泊施設(ライザ、ペンション村)
- 指定管理者:蔵王ライザワールド株式会社
猿倉地区
- 蔵王猿倉イベントパーク
- 猿倉地区の施設は、サッカー・ラグビー・投擲競技などで使われる。
- 蔵王猿倉の項も参照のこと
交通
- 自動車
- バス
- 無料シャトルバス「グリーンエコー号・ホワイトエコー号」(上山市街各所~蔵王坊平~刈田岳)
※ 坊平地区は「ペンション村入口・たいらぐら」下車。猿倉地区は「蔵王猿倉」下車。
沿革
- 1956年(昭和32年)8月11日 - 蔵王縦走マラソンを開催。蔵王坊平のセントラルロッジを出発点とし、熊野岳等を経由し蔵王温泉若松屋旅館をゴールとした。全長15.05km。その頃より、村社講平がクロスカントリーに最適な土地として蔵王坊平を絶賛、「天然の芝生とクロスカントリーコースは霧ヶ峰に劣らぬ弾力に富んでいる」と評した。
- 1956年(昭和32年)9月29日 - 第1回蔵王坊平クロスカントリー大会が開催。1周1,000mのコース。
- 1957年(昭和33年)6月1日 - 第1回東北クロスカントリー大会が開催。
- 1957年(昭和33年)8月3日 - 第1回蔵王横断マラソン大会が開催(遠刈田温泉~刈田岳~蔵王坊平~上山市役所前※当時は元城内地区に立地)。高松宮宣仁親王が来賓。
- 1962年(昭和38年)7月28日 - 蔵王横断マラソンを蔵王エコーラインロードレースに改称し開催
- 1975年(昭和50年)8月10日 - 1周3kmのクロスカントリーコースが完成。昭和33年以降はクロスカントリー大会を開催していなかったが、この年に第1回蔵王坊平クロスカントリー大会としてクロカン大会を再開した。村社講平氏をゲスト。
- 1984年(昭和59年)8月5日 - 坊平園地内に村社講平氏の碑が建立。「オリンピックの覇者に天才なし」の文字が陰刻。
- 1990年(平成2年) - 蔵王坊平アスリートヴィレッジの構想研究会を設置
- 1990年(平成2年)8月5日 - 蔵王グリーングラウンドがオープン
- 1992年(平成4年) - アスリートヴィレッジ構想大綱が完成
- 1993年(平成5年)8月22日 - 第1回蔵王坊平高原学生クロスカントリー大会が開催
- 1994年(平成6年) - 蔵王坊平アスリートヴィレッジ構想推進協議会が発足
- 1997年(平成9年) - クロスカントリーコースを新整備。8月31日にアジアジュニア国際クロスカントリー蔵王坊平大会を開催。日本を含め、28の国と地域から参加。
- 2002年(平成14年)6月8日 - 「ZAOたいらぐら」がオープン
- 2008年(平成20年)5月28日 - ナショナルトレーニングセンター高地トレーニング強化拠点施設に指定される
- 2014年(平成26年)2月 - 第69回国民体育大会冬季大会にて、クロスカントリースキー種目を開催。
- 2020年(令和2年)7月3日 - リカバリー温泉施設「高源ゆ」がオープン。サウナ、プール、多目的ルーム、スタジオ等も設置。
- 2024年(令和6年)2月 - 第78回国民スポーツ大会冬季大会にて、クロスカントリースキー種目を開催。
外部リンク
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