紫川
紫川(むらさきがわ)は、福岡県北九州市小倉南区および北九州市小倉北区を流れる二級河川である。 地理・自然山頂の標高が900.6メートルの福智山の山腹に源流を発し、小倉南区から小倉北区を北上し響灘へと注ぐ。クロダイ、シロウオなどの魚類、ホタルやトンボなどの昆虫類や鳥類、植物群など、様々な生物が見られる[1]。 しかし、1960年代まで周辺の工場や住宅から排水が紫川に流れ込み、水質汚染が進んだものの、1970年代には下水道の普及が進んだ。1969年度に市全体で16パーセントだった下水道普及率は、1977年度には50パーセントを超え、21世紀初頭現在は100パーセント近くに達した。その間に水質の改善に伴い、紫川には再びアユやシロウオが遡上し、上流ではホタルが舞うようになった[2]。 例えば、1980年5月には紫川支流の小熊野川で、姿を消していたホタルが20匹観察され、地元の校区では翌1981年から「ほたる祭り」を開催している。1992年には北九州市河川課に全国初の「ほたる係」が誕生し、現在この課は建設局水環境課に所属しており、ホタルが飛ぶ水質や環境が整うように努力している。なお、2002年には小倉北区熊谷に、北九州市ほたる館が開館した[3][4]。 整備事業1990年に「紫川マイタウン・マイリバー整備事業」が開始され、100年に1回の大雨に耐えられるような治水を進めると同時に、道路や公園、市街地整備などを一体的に整備していった[5]。この1990年代の紫川の整備の目的の1つとして、北九州市のヒートアイランド現象対策の1つで、玄界灘から吹き込む海風を、効率良く市街地へと流入させる意図もあった[6][注釈 1]。2000年には同事業の中核施設として、川・自然・環境について理解を深めるための場として、北九州市水環境館が開館した[7]。 紫川に架かる「紫川大橋 (海の橋)」は手づくり郷土賞平成6年度(ふるさとを紹介する道)受賞[1]。このほか「洲浜ひろば」で平成10年度受賞[2]。紫川周辺賑わいづくり「遊びにおいでよ紫川!」で平成15年度(地域活動部門)受賞[3]。 主な支流
流域の自治体主な利水施設
名称の由来紫川の名称の由来については諸説あるが、そのうちの1つに、小倉南区蒲生の鷲峰山大興善寺の門前に残っていた、万葉集の歌枕として詠まれた「企救の池」の名残りと言われる、「紫池」がある。当該地を通る道路新設工事に伴い「紫池」の考古学調査が実施され、工事後の文化・自然遺産としての同池の保全法が注目を集めていた。しかし、2007年12月7日に現地を確認した結果、道路工事により全て埋められていた。 紫川に関連する施設
橋梁(河口から順に)北九州市は北九州市ルネッサンス構想の「紫川マイタウン・マイリバー整備事業」の主要事業として紫川10橋を整備した。下流部流域は、川幅の拡幅および老朽化した橋の架け替えに併せて、周辺施設の整備が行われた。なお、事業費は104.54億円であった。 小倉北区
小倉南区
欄橋並行する交通鉄道道路脚注注釈
出典
参考文献
関連項目
外部リンク |
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