精索静脈瘤![]() ![]() ![]() 精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう、英語 Varicocele)は、睾丸上部に流れる静脈の異常肥大のことを言う。 症状一般男性の15%に精索静脈瘤が認められ、男性不妊症患者の40%以上に認められる。精索静脈瘤の98%は左側の陰嚢に発症する。 自覚症状としては陰嚢部の重圧感、不快感、鈍痛が発生し、陰嚢上部での蔓状静脈叢(つるじょう静脈そう)がミミズ腫れ・怒張・鬱血する。 精索静脈瘤ができると血流障害で腫れが発生し精索が圧迫され睾丸温度の上昇を引き起こし、精子を作る働きに悪影響をおよぼす(精巣は体温より2度ほど低い温度でよく機能する[1][信頼性要検証])と考えられているが、そのメカニズムについてはまだ完全には解明されていない。また持続性低酸素症になり精巣機能に障害を持つようになる。 精液所見の悪化やライディッヒ細胞(男性ホルモンつくる細胞)機能に関連し、この精巣機能の低下は進行して行くが、精索静脈瘤の手術を行えば精子を作る機能だけでなくライディッヒ細胞機能も改善する[1][信頼性要検証]。 原因精索静脈瘤は血管の弁の異常で引き起こされ、右精索静脈と左精索静脈の血管合流地点が違うのが大きく関係している。 右の睾丸は右精索静脈を経て直接下大静脈と繋がっているが、左の睾丸は左精索静脈を経て腎臓の腎静脈を介して下大静脈に繋がっている。 精索静脈瘤が発生する原因として、おもに以下の3つが挙げられる[2]。
検査精索静脈瘤は簡単な検査で発見できる。一般的にエコーで陰嚢の状態を確認した上で、医師が手で睾丸を触って診断が行われる。 静脈瘤の程度は以下の3段階に分類される。[2][信頼性要検証]。
次に精液を採取し精子数チェックや精子運動量などを調べ、精子に異常がないかを検査される。 精索静脈瘤が発見された場合、手術をするしないに関わらず定期的な診察が必要になる場合が多い。 なぜなら精索静脈瘤は進行性の病気であるため放置すれば年々静脈瘤が肥大し悪化するためである。 治療精索静脈瘤の治療は必ずしも必要ではない。不妊に悩んでいる者や、痛みがある場合は治療を行う。治療を行う際は手術によるものが一般的であるが、軽度(グレード1~2)の精索静脈瘤の場合、漢方薬(桂枝茯苓丸、桃核承気湯)やサプリメント(コエンザイムQ10等)を服用することにより精液所見が改善することがある。 ![]() 手術は男性不妊症の最も外科的に治療可能な原因として認められ、男性不妊症に対して最も一般的に行われている治療である。精索静脈瘤は陰嚢の病気であるため、陰嚢の切開を伴う手術であると勘違いされるが、実際は、ヘソ下の腹部かソケイ部を開いて血管を塞ぐ手術が行われる。そのため直接精巣部分の切開するような事はない。 一般的に下記の4つの手術法で行われる。以前は高位結紮術が主流であったが、現在はより高度で患者の体に負担が少ない顕微鏡低位結紮術が行われる傾向にある。
東邦大学病院のデータでは、手術により約70%で精液所見が改善し、自然妊娠率は24%~53%となっている[1][信頼性要検証]。睾丸で精子が作られるのに数ヶ月かかるため、手術を受けてから精液所見の改善がみられるまで約半年かかる。[2][信頼性要検証] 脚注出典関連項目外部リンク
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