秋ヶ瀬取水堰(あきがせしゅすいぜき)は、埼玉県さいたま市桜区及び志木市の荒川にある可動堰である[1]。荒川で最も下流にある堰で河口から約35キロに位置する[2]。この堰より下流の荒川は汽水域(感潮域)であり[1]、塩水くさび[3][4]や潮汐が発生するほか、東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)では遡上した津波がこの堰に到達した[5]。
独立行政法人水資源機構が管理する。利根川から武蔵水路を通って荒川に導かれた水を東京都水道局朝霞浄水場及び三園浄水場[6]、並びに埼玉県営大久保浄水場へ送水する役目を担うほか、新河岸川及び隅田川の浄化用水も供給する[1]。
右岸に宗岡取水口、及び右岸から長さ約500mに及ぶ管理橋がある。
形式
長さ127m[7]、調節ゲート1門(幅10m、高さ6m)、洪水吐ゲート3門(幅34m、高さ6m)、魚道1箇所の上下可動式である。
歴史
問題点
- 志木市側は隠れた釣りの名所であるが、放送によって禁止区域への立ち入りが警告される。志木市側は随時水の流れる調節ゲートで流れが激しく、近年このゲート地点で死亡事故が多発しているためである[9]。
- 堰の上流側と下流側では約2.5mの水位差(T.P.+2.6m)があるため船の通行が不可能である[10]。そのため近年、取水門に災害時の物資運搬等のための閘門の設置が検討されていたが、水量保持と莫大な費用の点から計画が白紙になった。
周辺
1979年に秋ヶ瀬取水堰付近で実施された魚類捕獲調査では、ギンブナが優占し、1985年の調査ではウグイが多数を占めた[11]。河川敷は左岸側に広くとられている。その広い河川敷を活用したレクリエーション施設がある。右岸上流側は羽根倉橋にかけて主に水田などの農地となっている。
その他
特撮系のテレビドラマなどの撮影ロケ地としてよく使われている。
- 快傑ズバット - 第19話「悲恋 破られたラブレター」にて、ロケ地として登場している。
脚注
参考文献
関連項目
外部リンク