砺波チューリップ公園(となみチューリップこうえん、英: Tonami Tulip Park)は、富山県砺波市花園町にある都市公園(総合公園)である。
富山県の県花、砺波市の市花であるチューリップをテーマとして四季折々の花を楽しむことができる。毎年、春に「となみチューリップフェア」、冬に「KIRAKIRAミッション」が開催されている[4][5]。
概要
砺波チューリップ公園は、富山県農事試験場出町園芸分場(現在の富山県農林水産総合技術センター園芸研究所果樹研究センター)[2]が由来とされる[6]。第二次世界大戦後、1951年に連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)の指導により園芸分場の廃止案が上がった[6]。同年、生産農家や研究者が分場の一般開放を考案し、GHQ関係者を招待。チューリップが咲く風景を見て廃止案を撤回した[6]。これが現在の「となみチューリップフェア」の前身にもなっている。
1964年、砺波園芸分場(砺波市市制移行後に名称変更)の果樹部門が魚津市へ移転後にチューリップフェアの会場も現在のチューリップ公園へ会場を移し開園した[3]。1976年に公園整備に着手し、1986年の第35回となみチューリップフェア開催時に現在の公園の整備が完了した。
歴史
チューリップタワー
初代
公園内のシンボルであるチューリップタワーは高さ21.9m、1972年(昭和47年)4月26日に1970年大阪万博の中央広場に設けられた太陽の塔に魅せられて、「チューリップ公園にも立派なシンボルタワーを」と、第20回チューリップフェアの記念事業として建設したもので、2008年(平成20年)チューリップタワーの花の部分を改修、上部の赤いチューリツプのオブジェは高さ3m、幅1.8mあるが[26]、老朽化のため現タワーの東側に2021年(令和3年)の70回記念チューリップフェア開催までに新タワーを建て替えることとなり、初代は同年6月初旬に解体されることとなった。跡地には、直径26.8mの花壇が設置され、花壇中央には初代タワーの赤いチューリップのオブジェが再塗装され設置され[32]、2021年(令和3年)11月21日に除幕式が執り行われた[33]。
二代
2021年(令和3年)3月下旬完成し[26][27]、同年4月22日に完成式が行われた新(二代)タワーは[29]、高さは約26mと、初代タワーより約4m高くなり[27]、展望台の位置も約1m高い[34]。新タワーの各頂点には高さ約2m、幅約1.6mの3品種のチューリップのオブジェ(赤「とやまレッド」、白「白雲」、黄「黄小町」)が取り付けられている[26][27]。また、展望台に続く螺旋階段の途中高さ4mの位置には、延長が138mあるスカイウオーク(展望園路)に繋がっている[30][35]。
2021年(令和3年)の70回記念チューリップフェア終了後の6月上旬に、初代タワーは取り壊されるため、2本のタワーが並ぶ最初で最後のフェアとなり[36][29]、5月下旬から29日まで、2本のタワーがライトアップされ[37]、29日には旧タワーのクロージングイベントが開催された[38]。
画像解説
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奥に旧(初代)チューリップタワー
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チューリップタワーから
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水上花壇
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園内に保存されている
「中越弁慶号(通称)」
脚注
注釈
- ^ 公園の一部を子供の交通教育の場として活用しようという構想から、園内の遊歩道にこども用の自転車や三輪車を備え、実際の道路と同じように信号機や模擬標識を置き、児童交通公園として整備した。
- ^ 1970年の日本万国博覧会(大阪万博)の中央広場に設けられた太陽の塔に魅せられて、「チューリップ公園にも立派なシンボルタワーを」と、第20回チューリップフェアの記念事業として建設した。
- ^ 1989年(平成元年)、当時の内閣総理大臣竹下登が打ち出したふるさと創生事業を受けて、チューリップ公園に流れている農業用水路に国内でも珍しい五連揚水水車を整備した。
- ^ トルコ・ヤロバ市との姉妹友好都市交流の一環として、ヤロバ市内各地にある湧き水施設を模した水飲み場を設置した。外壁にはめ込んだ伝統的デザインの白磁器タイルは、1991年第40回チューリップフェアの際にヤロバ市から贈られた。
- ^ となみチューリップフェア50年と日蘭友好400周年を記念して、チューリップ四季彩館にオランダ王国より風車を移設。日蘭友好のシンボルとして「ヴリンスキャップ(VRIENDS CHAP)」(友情)と名付けられる。
- ^ 砺波ロータリークラブ設立50周年を記念して、チューリップ公園へ寄付される。名称は公募で決定された。
出典
参考文献
- 『となみチューリップフェア50年の歩み』(となみチューリップフェア50回記念誌編集委員会 編・砺波市)2001年(平成13年)3月発行
- 『となみチューリップフェアの軌跡~60年を終えて~』(砺波市 編・砺波市花と緑の財団)2012年(平成24年)3月発行
- 『砺波市五十年史』砺波市、2004年3月25日。
関連項目
外部リンク