田坂広志
田坂 広志(たさか ひろし、1951年4月17日- )は、日本の技術者、経営学者(社会起業家論)。学位は工学博士(東京大学・1981年)。多摩大学名誉教授・大学院経営情報学研究科特任教授、グロービス経営大学院大学特別顧問・経営研究科特任教授、株式会社日本総合研究所フェロー、シンクタンク「ソフィアバンク」代表、田坂塾(任意団体)塾長、社会起業家フォーラム代表、社会起業大学株式会社“名誉学長”。 三菱金属株式会社原子力事業部での勤務を経て、株式会社日本総合研究所取締役、多摩大学経営情報学部教授、多摩大学大学院経営情報学研究科教授、内閣官房参与などを歴任した。 概要愛媛県生まれの起業家であり、社会起業家論を専攻する経営学者でもある[1]。東京大学大学院修了後、三菱金属に入社し原子力事業に携わった。日本総合研究所に転じ[1]、技術研究部や事業企画部の部長を経て、取締役を務めた[1]。後進の育成にあたり、私塾の田坂塾を主宰するとともに[1]、多摩大学の経営情報学部や大学院の経営情報学研究科で教えた。東北地方太平洋沖地震によって引き起こされた東日本大震災と福島第一原子力発電所事故を機に、菅直人内閣で内閣官房参与に就任した[1][2]。 来歴生い立ち1951年(昭和26年)生まれ[1]。愛媛県で育ち、東京都に転居。1964年(昭和39年)、千代田区立番町小学校を卒業。1967年(昭和42年)、千代田区立麹町中学校卒業。1970年(昭和45年)、東京教育大学附属高等学校(現・筑波大学附属高等学校)卒業。 1974年(昭和49年)、東京大学工学部原子力工学科卒業[1][3]。東京大学医学部にて研究生となり、放射線健康管理学教室に在籍した後、東京大学大学院工学系研究科進学。博士論文は「放射性廃棄物陸地処分の安全評価に関する研究」[4] 。1981年(昭和56年)、東京大学大学院博士課程修了、工学博士取得[4][5]。 実業界にて大学院修了後、1981年(昭和56年)、三菱金属入社。原子力事業部に配属され、高レベル放射性廃棄物の処理・処分プロジェクトなどに従事した。また、1987年(昭和62年)よりバテル記念研究所の客員研究員とパシフィック・ノースウェスト国立研究所の客員研究員も兼任し、アメリカ合衆国に転居して技術開発に携わった[1][3]。 1990年(平成2年)、日本総合研究所の起ち上げに参画した[1][3]。「産業インキュベーション」のビジョンと戦略を掲げ[3]、10年間に民間企業702社とともに20のコンソーシアムを設立し[1][3]、民間主導による新産業創造に取り組む[1][3]。技術研究部や事業企画部の部長を経て[3]、取締役に就任し[1][3]、創発戦略センターの所長なども務めた[1][3]。のちに、日本総合研究所のフェローとなった[1][3]。また、1999年(平成11年)より、ニューイングランド複雑系研究所の研究員も兼任した[3]。 学界にて2000年(平成12年)、田村学園が設置・運営する多摩大学に転じ[1][3]、教授に就任した[1][3]。経営情報学部においては「経営情報論」「経営実務」などの講義を担当した。また、大学院の経営情報学研究科においては、社会起業家論を講じた[1]。2001年(平成13年)、経営情報学部の教授を1年で退任し、以降は大学院の講義に専念することになった。2019年(平成31年)3月、定年を迎え多摩大学の教授を退任した[6]。定年退職後、多摩大学より名誉教授の称号が贈られた[1][7]。また、定年により教授を退いたが、引き続き特任教授として経営情報学研究科で教鞭を執っている。さらに、グロービス経営大学院が設置・運営するグロービス経営大学院大学にて特別顧問に就任するとともに、経営研究科の特任教授に就任した。 また、その傍ら、2000年(平成12年)に「シンクタンク・ソフィアバンク」を設立し[1][3]、その代表に就任した[1][3]。2003年(平成15年)には「社会起業家フォーラム」を設立し[3]、その代表に就任した[3]。2013年(平成25年)には「田坂塾」を設立した[1][3]。また、2009年(平成21年)には、経営塾・起業塾を運営する株式会社である「社会起業大学」にて名誉学長となった[3]。なお、2011年(平成23年)の東北地方太平洋沖地震によって引き起こされた東日本大震災と福島第一原子力発電所事故を機に、内閣官房参与に就任し[1]、原発事故対策、原子力行政改革、原子力政策転換などに取り組む。 研究放射性廃棄物に関する研究で博士号を取得し[4]、もともとは原子力工学を専門とする技術者、研究者である。三菱マテリアルでも原子力事業に携わっていたが、その後、日本総合研究所を経て社会起業家論を専攻する経営学者となった。ITに関した起業論に詳しく、経済産業省幹部との共著もある。心理学や宗教・哲学にも造詣があり、河合隼雄、中沢新一、小林康夫らとの共著がある。 2008年(平成20年)より、「ダボス会議」を主催する世界経済フォーラムにて、グローバル・アジェンダ・カウンシルのメンバーを務めている[1][3]。また、2009年(平成21年)より、「TEDカンファレンス」を主催するTEDのメンバーを務めている[1][8]。 宇宙の量子真空の中に宇宙すべての出来事のすべての情報が『記録』されている『ゼロ・ポイント・フィールド』という場所があるという仮説を立てている[9]。 略歴
著作単著
共著
出演テレビ
脚注註釈出典
関連項目外部リンク
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