海部観光
海部観光株式会社(かいふかんこう、英語: Kaifu kanko co., ltd.)は、徳島県海部郡美波町に本社を置く貸切バス・高速路線バス事業者、旅行会社である。コーポレートスローガンとして「徳島の先頭を走り続けたい」を掲げている[4][5][6]。 徳島県バス協会会員[1]、社団法人全国旅行業協会正会員[1]。 2020年(令和2年)11月より、東京都千代田区有楽町に本社を置くナオヨシ株式会社の連結子会社となっている[3]。 概要1996年(平成8年)6月5日、当時バス運転手として働いていた打山昇が会社を創業し[6][1][7]、同年7月10日付で旅行業登録を受け[1]、旅行会社として事業を開始したという比較的新しい事業者である[7]。 当初は有限会社として創業され、のちに株式会社に改組された。その名残で、現在でも運行する高速ツアーバスや観光バスの集合・待機所等の看板に「海部観光有限会社」と表記したものが見られる。 その後は1998年(平成10年)2月10日付で一般貸切旅客自動車運送事業の認可を取得(四運自旅第71号)[1]、貸切バス事業を開始した。阪急交通社主催ツアー専用のバスを所有・運行している。 当初は観光ツアー向けの貸切バス運行のみを手掛けていたが、2006年(平成18年)10月に阿南・徳島⇔東京(新宿・東京駅)便の運行を開始したのを皮切りに高速ツアーバスに参入した[6][8]。 東京⇔徳島間のツアーバスは、日によっては途中で大阪(梅田駅付近)に停車する便もあったため、東京⇔大阪間の利用者も多かった。トイレ付きの3列独立シートを採用している東京⇔大阪間のツアーバスでは、料金が比較的安めに設定されていた。 2011年4月27日に2列12席の全席個室タイプの車両「マイ・フローラ (“MY Flora”) 」を、さらに2012年4月1日からは3列独立21席で「マイ・フローラ」と同様な大型化粧室を備えた車両「マイ・リピート (“MY Repeat”) 」を東京⇔徳島便に就航させるなど、車両施策の面でも主力路線である東京⇔徳島便を中心に特徴的な施策を採っている[7]。 中でもフラッグシップ車両の「マイ・フローラ」は、2列12席・全席完全個室タイプという座席配置のほか[7]、各座席に地上デジタル放送やBSデジタル放送を楽しめる小型液晶テレビを設置し、桜交通がロータリーエアーサービスから継承したキラキラ号に匹敵する広さの大型トイレを採用するなど、非常に豪華な装備となっている。カーペットが敷かれた車内は土足禁止とされ[7]、乗客は乗車時に専用の上履きに履き替える[7]。 また車両の装備を豪華にするだけではなく、乗客を疲れさせないため、揺れない繊細な運転ができるよう、運転手も靴を脱いで運転するという珍しい方針を採っている[7]。新人運転手は研修でこの「揺れない運転」の訓練を受け、4人の指導員が合格を出せば独車となるが、厳しい研修に合格するまで1年以上かかる者もいるという[7]。ちなみに道路交通法では運転中の履物に関する規定はあるが、履物を脱いで運転することについての規定はない[7]。 2013年(平成25年)7月30日に一般乗合旅客自動車運送事業の認可を取得[1]、新高速乗合バス制度施行と同時に高速乗合バスに移行した。その後は「マイ・エクスプレス(“MY Express”)」のブランド名を用い、徳島⇔東京便以外にも徳島⇔大阪・神戸便を設定・運行するなど、運行路線を拡大している。 2017年(平成29年)3月には徳島駅前営業所構内に徳島県内では初となるバス転車台が完成し、狭い敷地内でも大型バスが安全に回転できるようになった[9]。これは掘削中のトンネル内で大型車両の向きを変えるために使用する特殊な転車台を設置したもの[9]。同社では「お客様にも(転車台を)楽しんでほしい」としており、2017年3月9日付『毎日新聞』地方版では「バスの転車台は珍しく、バスファンの間で話題になりそうだ」と報道された[9]。 しかし2020年から本格化した新型コロナウイルス感染症の影響で経営が悪化し、海部観光グループは同年9月20日、事業再生コンサルティングなどを手掛けるナオヨシ株式会社(本社:東京都)[10]に株式を譲渡する形で同社の子会社となることを発表[11]。同年11月よりナオヨシの連結子会社となった[3]。なお打山昇は顧問に退いたのち2021年に退職、現在は美波町でタクシー会社を営む傍ら介護タクシーの運転手となっている[12]。 沿革
本社・営業所
運行路線東京線(阿南 - 東京)阿南市津乃峰町の海部観光阿南営業所と東京地区を結ぶ。バスの種類別(マイ・フローラ、マイ・リピート)に1日最大2往復運行される。京王電鉄バスの高速バス予約サイト「ハイウェイバスドットコム」での予約が可能。 以前は一部の便が大阪(梅田)・神戸(三宮)を経由していたが、2017年1月より停車を取り止めている。 走行距離が700kmを超える[注釈 1] ため、乗務員は2人体制をとっている。また、途中2 - 3カ所のパーキングエリア、サービスエリアを経由し、休憩をとる行程となっている。
関西線(阿南 - 大阪国際空港)海部観光阿南営業所から大阪の中心部である梅田を経由し、大阪国際空港(伊丹空港)までを結ぶ。途中、神戸淡路鳴門自動車道・室津パーキングエリアにて休憩をとる。1日9往復運行されている。うち6往復は三宮、5往復はなんばを経由する[15]。
過去の路線
停留所
関連会社
不祥事
脚注注釈
出典
関連項目外部リンク
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