泥酔夢
『泥酔夢』(でいむ、Dames)は、1934年のアメリカ合衆国のワーナー・ブラザースのミュージカル・コメディ映画。 レイ・エンライトが監督、バスビー・バークレーがミュージカル・シーンの監督を務めた。ルビー・キーラー、ディック・パウエル、ジョーン・ブロンデル、ガイ・キビー、ザス・ピッツ、ヒュー・ハーバートが出演した。 楽曲は「When You Were a Smile on Your Mother's Lips (and a Twinkle in Your Daddy's Eye)」、「The Girl at the Ironing Board」、「I Only Have Eyes for You」、「Dames」、「Try to See It My Way」などが使用された。 あらすじ一風変わった億万長者のエズラ・オンス(ヒュー・ハーバート)の人生最大の目標は全米のアメリカ人のモラルを高めることであり、財産は正直な親戚に相続させようと考える。アメリカで最もモラルのないとされる街、ニューヨークのいとこのマチルダ・ヘミングウェイ(ザス・ピッツ)を訪ねる。オンスが最も不快と感じるのはミュージカル・コメディとそれに関わる人々であり、マチルダの娘バーバラ(ルビー・キーラー)がダンサーおよび歌手であり、遠い親戚で貧乏な歌手および作曲家のジミー・ヒゲンズ(ディック・パウエル)と恋していることを知る。エズラにとって面汚しのジミーは家族から疎遠にされ、相続の対象から外されている。 マチルダの夫ホレス(ガイ・キビー)はショーガールのメイベル(ジョーン・ブロンデル)と出会う。メイベルは出演するはずだったショーが頓挫しトロイで途方に暮れており、帰宅途中の汽車の中でホレスの客室で寝ることをたくらむ。スキャンダルを恐れたホレスはメイベルに金と名刺、そして口止めのメモを渡す。しかしメイベルはホレスがバーバラの父親と知り、ジミーのショーへの支援をするよう脅す[2]。 登場人物
助演
特記事項
ミュージカル・シーンミュージカル・シーンはバスビー・バークレーにより振付、演出、監督された。ワーナー・ブラザースの広報はバークレーの演出方法を「cinematerpsichorean」と名づけた[3]。『四十二番街』、『フットライト・パレード』、『ゴールド・ディガース』の成功の後、ハル・B・ウォリスの管轄において、バークレーはワーナー・ブラザースに自身のユニットを持ち、自身で全て管理していた[4]。
プロダクション・コードの影響により、公開されなかったミュージカル・シーンがある。バークレーはメイベル(ジョーン・ブロンデル)をメインとした猫とネズミの抗争のシーンを計画し、最後にメイベルが「私のプッシー(猫/女性器)を見においで」と言う予定であった。プロデューサーのハル・B・ウォリスはヘイズ・コードに抵触することを恐れ、脚本から削除した[4]。 制作当初監督はアーチー・メヨが務める予定であったが、次に別の人物が候補に挙がったが、撮影開始1週間前にレイ・エンライトに決まった[4]。またマチルダ役はルース・ドネリー、そしてエルスワーシー・トッド役はホバート・カバナーが配役される予定であった[3]。エレノア・パウエルに特別出演を依頼したが断られた[7]。 1934年3月28日、カリフォルニア州バーバンクのワーナー・ブラザースのスタジオで制作が開始された。4月中旬にはレイ・エンライト監督によるドラマ・シーンは完成しており、7月3日までバスビー・バークレーがミュージカル・シーンの制作を続けた。8月16日にプレミア公開され、9月1日に一般公開された[8][9] 興行収入ワーナー・ブラザースによると、アメリカ国内で$1,057,000、国外で$456,000を得た[1]。 評価2006年、アメリカン・フィルム・インスティチュートにおけるミュージカル映画ベストにノミネートされた[10]。 関連項目脚注
外部リンク |