民間伝承における近親相姦民間伝承における近親相姦(みんかんでんしょうにおけるきんしんそうかん)とは、民間伝承において扱われる近親相姦のことである。世界中の様々な地域において近親相姦のテーマが扱われる。 概要近親相姦を扱った民衆本や聖徒伝、文学作品は古代だけでなくキリスト教中世においても数多く見られる[1]。 北東シベリア地域においては兄妹の結婚によって民族が始まったとする兄妹始祖神話が多く見られるが、兄妹(姉弟)で近親相姦をするということについて忌避のモチーフが見られる伝承だけではなく、近親相姦忌避の観念が表出されない伝承が少なからずある。近親相姦忌避は特に神々の系譜を物語る伝承において希薄である一方、兄妹相姦をしながら近親相姦を忌避しようとする観念と強く関連している兄妹婚伝承においては、神々の系譜ではなく人間の氏族や民族などの起源を説く伝承に多い。そういった伝承は、近親相姦を行ったという現実とインセスト・タブーの狭間で、その葛藤にどう折り合いをつけるかという努力が内容の要となっている。例えば、ユカギルの伝承では、両親が死亡した兄妹が自分たちの欲求に基づいて近親相姦を行おうとした所、神が現れ、二人の行為を咎めようとするが、兄は弓を取って10日間神と戦い、11日目に神を殺害して妹と近親相姦をした。その兄妹相姦から数人の子供が生まれ、そこから一族が始まった[2]。また、近親婚が当事者にとって心理的葛藤を経ないで実現された場合には、動物によってその事実が知らされる一類型があるなど、兄妹始祖神話は多様な内容を持っている[3]。 地域→「洪水型兄妹始祖神話」も参照
ケルトヘブライ中国沖縄
アフリカフィンランド
インドネシア
脚注
参考文献
関連項目 |