アリアンロッドアリアンロッドまたはアリアンフロド/アランロド[1](Arianrhod, Aranrhod, Arianrod)は、ケルト神話(ウェールズ神話)の女性(女神)で、ウェールズ文学では名高い美女として登場する。彼女をめぐる物語は、より古い時代の月の女神の物語に基づいていると考えられる[2]。アリアンフロドとは、ウェールズ語で「銀の円盤」または「銀の輪・車輪」を意味する[2]。 概説アリアンロッドは、ウェールズの母神ドーンの娘と考えられている(ドーンは、アイルランドの母神ダヌのウェールズでの対応女神である)。ドーンの息子グウィディオン(Gwydion)の姉妹[3]であり恋人である[2]。後述のマースは叔父に当たる。ブリギッド(ブリーイッド、ブリギッテ)と同一神ともされる。 『マビノギオン』第4枝『マソヌウイの息子マース』では、グウィネズの領主マースが、彼の脚を支える者としての資格を持つかどうかで、アリアンロッドを試した。資格は処女であること[4]で、そのためアリアンフロドはマースの魔法の杖をまたがねばならなかった[5]。 しかしアリアンロッドは、杖をまたいだ瞬間に早生の双子の男児を産み落とした。一人はディラン[6]であるが、いま一人の子供は、彼女が適切と判断するまで名を付けないということも含めて、三つのゲッシュ(禁忌)を定めた。アリアンロッドは母性を否定する女性で、ディランを捨て、いま一人の子供も禁忌によって認知を拒否したとされる[7]。しかし、アリアンロッドは、弟グウィディオンの企みによって、男児をスェウ[8]と名付けざるを得なくなった[9]。また残り二つの禁忌も解除せざるを得なくなった。 ウェールズの詩人は、北冠座を「カエル・アリアンロド(アリアンフロドの砦の意)[10]」と呼び、しばしばこの言葉を使用した[7]。 脚注
参考文献
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