横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校・附属中学校
横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校・附属中学校(よこはましりつ よこはまサイエンスフロンティアこうとうがっこう・ふぞくちゅうがっこう)は、横浜市鶴見区小野町6番地にある横浜市立の全日制理数科高校である。2017年度には附属中学校が開校した。略称は「YSFH」「YSFJH」「サイエンス」。 概要横浜港が開港150周年を迎える2009年(平成21年)に、理化学研究所横浜研究所や横浜市立大学連携大学院などが立地する、京浜臨海部研究開発拠点「横浜サイエンスフロンティア地区」の一角に設立された。市立高校としては30年ぶりの新設高校。設立予算95億円。初年度の受験倍率は5倍を越え、県下公立高校で最高倍率となった。また、当校の開設に伴い、横浜市立鶴見工業高等学校が閉校した。 5人のスーパーアドバイザーを助言者に迎えるほか、「科学技術顧問」として50人を超える大学・大学院や企業の研究者等外部専門家のサポートを受ける。先端科学技術4分野(生命科学、ナノテク・材料、環境、情報)の「ほんもの体験」をきっかけとした「驚きと感動による知の探究」を教育の理念として、先端科学技術の知識を活用して、世界で幅広く活躍する人間の育成を目指す。2015年度、文部科学省よりスーパーサイエンスハイスクール (SSH)、および科学技術人材育成重点枠指定校[1]、スーパーグローバルハイスクール (SGH) に指定され[2][3]、横浜市教育委員会より「進学指導重点校」に指定されている[4]。 テレビの情報・バラエティー番組や[5]、科学雑誌『ネイチャー』でも紹介されたことがある[6]。初年度の大学入試では、東京大学に3名、東京工業大学に5名の合格者を輩出するなど実績を残した。 2012年(平成23年)には国際地学オリンピックで2期生の生徒が金メダルを受賞した。 2017年(平成29年)、附属中学校を開校した。横浜市内では横浜市立南高等学校附属中学校に次いで2番目となる。 沿革
特徴
通学区域
当初高校の通学区域(学区)も原則横浜市内とされていたが、当校が神奈川県で唯一の公立理数科高校であり(全校が理数科単一学科)、意欲ある生徒をより幅広く募集するべく学区外からも71名(募集定員237名の30%)を上限として入学を許可していた。 2011年(平成23年)6月28日の横浜市教育委員会において、2012年度(平成24年度)入試から全県学区となることが決定した。なお横浜市立の学校における全県学区は横浜市立横浜商業高等学校商業科の例がある。 2017年(平成29年)度開校の附属中学校では、学区は横浜市内とされており、学区外からの募集はしていない。 入学者の選抜高等学校12期生(2020年(令和2)年度入学生)より4学級158名を募集している。 入学者選抜では、学力検査のほか、面接、特色検査(説明文を読み、提示された資料を活用し、与えられた課題に対して自分の考えを記述する)が実施される。学力検査では、神奈川県共通の問題が使用され、数学と理科が重点化(2倍)される。調査書の評点(中学2年生および3年生の成績)は、理科、数学、英語の評点が重点化(2倍)される。 第一次選考(入学者選抜の90%)では、調査書と学力検査、面接、特色検査の比重は、3:5:2:2(学力検査の数・理、調査書の数・理・英をそれぞれ2倍に重点化)、第二次選考では、学力検査と面接、特色検査の比重は、8:2:2(学力検査の数・理をそれぞれ2倍に重点化)となっている[15]。 学力検査は、初年度は神奈川県立高校の共通問題が使用されたが、2010年(平成22年)度から2012年(平成24年)度入試の3年間のみ国語、数学、英語の三教科においては独自問題が出題された。これ以降の入試は問題を作成する負担が重いことから独自問題が廃止され、共通の学力検査と面接、特色検査が実施されている。 また、それに加えて前期選抜と後期選抜の統合が行われた。 附属中学校附属中学校は入学者の「選抜」ではなく、入学者の「決定」と呼称される。毎年男女計80名が入学できる。 入学者の決定には、適性検査Ⅰ(文章・図・表やデータなど与えられた資料を的確に読み解き、課題をとらえて適切に表現する力をみる)と適性検査Ⅱ(与えられた情報を科学的・数理的にとらえ、分析力や思考力、判断力などを生かして課題を解決する力をみる)が実施され選考される。 適性検査Ⅰは2019年(平成31年)度より、横浜市立南高等学校附属中学校と共通の問題となった。 第一次選考(男女計72名)では、適性検査(B値)と調査書(A値)を3:1の割合で合計した得点(S値)の上位から決定し、第一次選考で合格者となっていない者は第二次選考(定員を満たすまでの人数)で、適性検査の得点(B値)のみで上位から決定される。 2023年(令和5年)入学者選考から男女別枠は廃止されている。 学級編成附属中学校1期生の代にあたる高校12期生からは、1年次から附属中学校からの進学者と他中学校からの入学者を混合した学級編成を行っている。 これは同じく横浜市立の中高一貫教育校である横浜市立南高等学校と同様である(ただし南高校は当初高校からの入学者は2年間単独クラスという形をとっていた)。 校舎敷地面積約29200m2、延床面積約25000m2。 生命科学実験室、ナノ材料創製室、環境生命実験室、電子顕微鏡室などの特色ある20室の実験・実習室を備え、学習諸室には、冷暖房や校内LANが完備される。その他の施設、設備としては、天体観測ドーム、CALL教室、アリーナ、トレーニングルーム、プール、370人収容のホール、生徒用コンピュータ400台など。事業費は約94億円(建設費、維持管理費等PFI事業費)。附属中学校開校による校舎改修工事によって、プロジェクト工房が金工・木工室へと改修された。 敷地内に、東京大学大学院理学系研究科附属植物園から寄贈されたニュートンのリンゴの樹とメンデルのブドウの樹、ネイチャーから寄贈された月桂樹の樹が植えられている。 校歌校歌「知の開拓者」は、横浜市出身のシンガーソングライター、オオゼキタクが作詞・作曲を手がけた。なお、カラオケでも歌うことができる。2009年(平成21年)4月5日の開校記念式典では、オオゼキタクが第一期生や保護者など約800人の前で自ら披露した。この曲のCDは当校のみで販売している。 附属中学校でも、高校と同じ校歌が使用される。 主な行事
部活動
アクセス
関係者校長初代校長には、前神奈川県立柏陽高等学校校長の佐藤春夫が就任した。佐藤は1969年(昭和44年)に数学教諭として赴任した新設後まもない柏陽高校において、東京大学、京都大学等の難関校に合格者を送り出した。 2002年(平成14年)から同校の校長を5年間務めたが、その間文部科学省のスーパーサイエンスハイスクール (SSH) 指定を受け理系教育に力を入れ、また校長の立場においてもなお自ら教鞭を執るなど熱心な指導を通して国公立大学の合格者数を急増させるなどの実績を残し[16] スーパーアドバイザー
脚注
関連項目
外部リンク |