梅澤高明梅澤 高明(うめざわ たかあき、1962年 - )は、日本と米国で活動する経営コンサルタント・起業家。A.T.カーニー日本法人会長[1]、CIC Japan(ケンブリッジ・イノベーション・センター ジャパン)会長[2]、フォースタートアップス株式会社 社外取締役[3]、一般社団法人 ナイトタイムエコノミー推進協議会 (JNEA) 理事[4]。 略歴東京都出身。筑波大学附属駒場中学校・高等学校を経て、東京大学入学。在学中にゴシック・ロックバンド「G-Schmitt」を結成。ベーシスト・コンポーザーとして、通算9枚のLP・EP・CD制作に参加。 1995年、マサチューセッツ工科大学 (MIT) スローン経営大学院の修士課程を修了し、A.T.カーニーのニューヨーク・オフィスに入社。 1999年にA.T.カーニーの東京オフィスに異動。その後、パートナー、日本代表(2007~2013年)、本社取締役(2012~2014年)、消費財・小売プラクティス グローバルリーダー(2014年)を歴任。2014年より日本法人会長[1]。日本の大企業を中心に、戦略・マーケティング・イノベーション・組織関連のコンサルティングを実施[1]。 2014年4月より2020年3月まで、テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」レギュラーコメンテーター。 2019年4月にCIC Japan会長に就任。CICは米国マサチューセッツ州ケンブリッジを本拠とし、世界8都市で大規模なスタートアップ集積拠点を運営する企業[7]。2020年10月、国内最大級の都心型イノベーションセンターCIC Tokyoが、虎ノ門ヒルズビジネスタワー15F・16F(計6,000㎡)にオープン[8]。 2021年11月、Scrum Ventures(サンフランシスコを本拠とするベンチャーキャピタル)のアドバイザーに就任[9]。 2022年6月、フォースタートアップス株式会社の社外取締役に就任[10]。同社はスタートアップの経営幹部人材紹介のリーダー企業であり、起業支援、オープンイノベーション支援、ベンチャー投資など幅広く「成長産業支援事業」を行う。フォースタートアップスとCIC Tokyoは、イノベーションイベント「FUSE」などで提携関係にある。 2019年4月に一般社団法人 ナイトタイムエコノミー推進協議会(JNEA)を設立、理事に就任。JNEAは、政府や自治体のナイトタイムエコノミー政策立案をサポートし、様々な地域で民間実装していくためのプラットフォーム[4]。 政府の委員会としては、内閣府「知的財産戦略本部」本部員[11]、同「税制調査会」特別委員[12]、観光庁「地方における高付加価値なインバウンド観光地づくり検討委員会」座長[13]、経済産業省「J-Startup」推薦委員[14]などを務める(現任)。 政府以外の役職として、経済同友会「ベンチャー創造PT」副委員長(2012~14年)、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会「テクノロジー諮問委員会」委員(2016~18年)、一般社団法人 外国人雇用協議会(JAEFN)副会長(2015~19年)、株式会社グロービス社外取締役・グロービス経営大学院大学理事(2017~2020年)、海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構)社外取締役(2017~2021年)、日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)アドバイザー(2015年~2022年)[15]を歴任。[16] 教育関係では、グロービス経営大学院大学客員教授(2006~2013年、経営戦略講座を担当)、NPO法人ISL(Institute for Strategic Leadership)ファカルティ(2007~2020年)、一橋大学ICS(大学院国際企業戦略研究科)特任教授(2019年~、英語EMBAのリーダーシップ講座担当)を務める。 音楽を趣味とし、クラブやレストランバーで定期的にDJプレイを行う。過去に出演したベニューはSound Museum Vision(渋谷)、Trunk (Hotel)(渋谷)、東間屋(渋谷)、marunouchi HOUSE(丸の内)、PLUSTOKYO(銀座)、麦ノ音(新宿)、セントレジス大阪など[6]。麦ノ音で開催するシリーズイベント「MUGINO OTO SATURDAY」は計17回を数える(2022年7月現在)[17]。 人物・活動ケンブリッジ・イノベーション・センター (CIC)2019年4月にCIC Japan会長に就任。CICは米国マサチューセッツ州ケンブリッジを本拠とし、世界8都市で大規模なスタートアップ集積拠点を運営する企業[7]。2020年10月、国内最大級の都心型イノベーションセンターCIC Tokyoが、虎ノ門ヒルズビジネスタワー15F・16F(計6,000㎡)にオープン。 2022年夏時点で200社以上が入居し、開設後2年弱で計300回以上のイノベーションイベントを開催。岸田文雄総理を始め、小池百合子都知事、平井卓也デジタル大臣(当時)、小泉進次郎環境大臣(同)、小林鷹之内閣府特命担当大臣(同)、平将明衆議院議員、世耕弘成参議院議員ほか、数多くの政府高官・国会議員・首長がCICを訪問している。 2018年3月より虎ノ門で活動するベンチャーカフェ東京は姉妹組織である。CIC Tokyoとベンチャーカフェ東京の合計で関連イベントに累計7万人以上を動員しており、日本最大のイノベーションコミュニティを形成している。 政府委員会、メディアやカンファレンスなどで、スタートアップおよびイノベーションに関する提言を積極的に行う。
クールジャパン経済産業省「クール・ジャパン官民有識者会議」(2010~12年)、同「クリエイティブ産業国際展開懇談会」(2013年)、内閣官房「クールジャパン戦略推進会議」(2015年)、内閣府「クールジャパン拠点構築検討会」(2016~17年)、同「クールジャパン人材育成検討会」(2017~18年)、同「Create Japanワーキンググループ」(2019年~)[19]などの委員を歴任。 2012年11月の「クール・ジャパン官民有識者会議」で、他の民間委員とともに「COOL JAPAN 『海外展開を推進する機構』の設立構想」を提案[20]。翌年、官民ファンド「海外需要開拓支援機構」(クールジャパン機構)が発足する。2017年6月から2021年6月まで同機構の社外取締役を務める[21]。 メディアやカンファレンスなどでも、クールジャパン戦略の紹介を積極的に行う。
福島復興プロジェクト東日本大震災を受けて、2011年3月に外部有識者との共同チームを発足し、被災地の復興構想策定に着手。同年4月に朝日新聞とテレビ東京「ニュースモーニングサテライト」で、コンパクトシティと産業集積・雇用創造を軸とした復興の方向性を提示。 同年夏にかけて、福島県南に先端的農業、福祉・介護、観光などの産業集積と、千人を上回る新規雇用の創造を目指す構想を策定。同年8月に、推進母体である西郷村・下郷町と共同で構想を正式発表[22]。 両自治体は復興特区の枠組みによる構想実現を目指し、東芝、パナソニック、丸紅、スプレッド、ニチイ学館など約20社が構想への参加を計画していた[23]。しかし同年11月、西郷村議会において関連予算案が否決され、構想は事実上頓挫した。
NEXTOKYOプロジェクト/都市開発2014年3月、東京の未来ビジョン策定のために「NEXTOKYOプロジェクト」を立ち上げる。 2018年9月現在のプロジェクトメンバーは、梅澤高明(A.T.カーニー)、楠本修二郎(カフェ・カンパニー)、小笠原治(ABBALab)、齋藤精一(ライゾマティクス)、齋藤貴弘(弁護士)、田川欣哉 (Takram)、為末大(元陸上競技選手)、林千晶(ロフトワーク)、伏谷博之(タイムアウト東京)、藤村龍至(建築家/東京藝術大学、森俊子(建築家/ハーバード大学大学院)[24]。 近著『NEXTOKYO』によると、NEXTOKYO構想は3つのテーマを掲げる。①「クリエイティブシティ」(個々の街の特徴を先鋭化した文化創造都市)、②「テックシティ」(先端産業が集積し先端技術が実装される都市)、③「フィットネスシティ」(健康的なライフスタイルを実現する都市)。 2014年9月、国家戦略特区における規制改革案を政府に提案[25]。提案項目の内、ダンス規制の撤廃が2015年6月の風営法改正で実現し[26]、クールジャパン人材の海外からの受入れ拡大は、国家戦略特別区域法の2017年6月の改正に織り込まれた[27]。 2015年6月、「東京のグランドデザイン検討委員会」(舛添都知事主催)で、椎名林檎・山崎亮・工藤和美・猪子寿之・山海嘉之などの有識者とともに講演。
2017年11月、日経BPより『NEXTOKYO 「ポスト2020」の東京が世界で最も輝く都市に変わるために』を発刊(楠本修二郎と共著)。NEXTOKYOのコンセプトと街の進化のアイデアや各メンバーとの対談を収録。 2017年から3年間、阿部仁史(UCLA)、隈研吾(東京大学)、出口敦(東京大学)が毎年夏に開催する建築教育の国際プログラム『x-LABサマー・プログラム』に参加。講演や審査員を務める。 2020年11月より、国土交通省「デジタル化の急速な進展やニューノーマルに対応した都市政策のあり方検討会」[28]委員を務める。同委員会は中間報告書を翌年4月に発表。
メディアやカンファレンスで、都市開発関連の発信を積極的に行う。
デザイン経営デザインの活用によるイノベーションについて、産業界に積極的に提言・発信している。 委員として参加した内閣府「クールジャパン戦略推進会議」(2015年)[29]は、デザインをクールジャパン戦略深化の重要なドライバーとして位置づけた。梅澤は田川欣哉 (Takram) とともに世界水準の「デザインラボ」設立を提案。後にロイヤル・カレッジ・オブ・アートと東京大学生産技術研究所が共同で設立した「RCA-IIS Tokyo Design Lab」の布石となる。
2017年には経済産業省・特許庁「産業競争力とデザインを考える研究会」に参加[30]。2018年5月に発表された報告書「デザイン経営宣言」では、田川欣哉 (Takram)、林千晶(ロフトワーク)、田中一雄(GKデザイン機構)とともにドラフト起草チームに参加。
デザイン経営、テクノロジーとデザインなどのテーマで、メディア・カンファレンスに頻繁に登場。
観光・ナイトタイムエコノミー改正風営法施行(2016年6月)を受けて、自由民主党(日本)が2017年春に立ち上げた「時間市場創出推進議連(ナイトタイムエコノミー議連)」のアドバイザリーボードに参画。 その後、観光庁が2018年に設立した「地域活性化に向けた観光コンテンツ拡充推進会議」「夜間の観光資源活性化に関する協議会」に委員として参加[31]。 2019年4月に「一般社団法人 ナイトタイムエコノミー推進協議会」(JNEA) を設立、理事に就任。他の理事は、風営法改正のロビイング以来、協働してきた齋藤貴弘弁護士(代表理事)、およびイベント・PRプロデューサーの永谷亜矢子[4]。JNEAは、2019年度の観光庁「最先端観光コンテンツ インキュベーター事業」[32]において、全国から公募で選ばれた13事業でコーチングを実施。2020年度は観光庁「夜間・早朝の活用による新たな時間市場の創出事業」[33]の31事業でコーチングを行う。
2020年4月、JNEAは「Creative Footprint TOKYO」報告書を発表。夜間帯の文化的価値を評価する本調査は、JNEAの齋藤・梅澤が主導し、ルッツ・ライシェリング(ベルリン・クラブコミッション)、ミリク・ミラン(元アムステルダム・ナイトメイヤー)、森記念財団などが協力して実施。ナイトタイムエコノミーの視点から、観光・文化・都市開発を接続する考察を行う。
2020年7月、菅義偉官房長官(当時)が主催する「観光戦略実行推進会議」で富裕層観光の推進を提言[34]。同年10月に設置された「上質なインバウンド観光サービス創出に向けた観光戦略検討委員会」で座長に就任[35]。 政府委員会、メディアやカンファレンスなどで、インバウンド観光およびナイトタイムエコノミーの提言を積極的に行う。
G-Schmitt1983年、ゴシック・ロックバンド「G-Schmitt」[36][出典無効]を結成し、ベーシスト・コンポーザーとして活動。G-SchmittはボーカリストSYOKOをフロントに、内省的・耽美的な詩とサウンドを追求し、80年代ゴシック・ロック/ポジティヴ・パンクの代表的バンドの一つと称される。通算9枚のLP・EP・CD制作(内、7枚はヴェクセルバルグ・レーベル[37])、およびAUTO-MOD主催のシリーズギグ「時の葬列」に参加。1986年、就職を機にG-Schmitt脱退。
AUTO-MODなど4バンドによるコンピレーション・アルバム「時の葬列」は、30周年記念盤として2014年に再発される[38]。 著書共著
出典
関連項目外部リンク
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