最多本塁打(さいたほんるいだ)は、日本プロ野球におけるタイトルの一つ。本塁打王、ホームラン王ともいう。打撃部門の主要タイトルの1つであり、首位打者・最多打点と同時受賞した選手は「三冠王」と呼ばれる。
概説
レギュラーシーズン1年間を通じて記録した本塁打の本数が最も多い選手に与えられる。セントラル・リーグ、パシフィック・リーグの各リーグ毎に選出され、リーグから表彰と賞金が贈られる。
本塁打の本数が最も多い選手が規定打席に到達していなくても選出対象となるが、2リーグ制成立以降、実際に規定打席に到達せずに最多本塁打となったのは2012年のウラディミール・バレンティンが唯一の例である[1]。
歴代本塁打王獲得者
1リーグ時代
2リーグ制後
年度
|
セントラル・リーグ
|
パシフィック・リーグ
|
受賞選手
|
所属球団
|
本塁打
|
受賞選手
|
所属球団
|
本塁打
|
1950年 |
小鶴誠 |
松竹ロビンス |
51 |
別当薫 |
毎日オリオンズ |
43
|
1951年 |
青田昇(2) |
読売ジャイアンツ |
32 |
大下弘(3) |
東急フライヤーズ |
26
|
1952年 |
杉山悟 |
名古屋ドラゴンズ |
27 |
深見安博 |
西鉄ライオンズ →東急フライヤーズ |
25
|
1953年 |
藤村富美男(3) |
大阪タイガース |
27 |
中西太(1) |
西鉄ライオンズ |
36
|
1954年 |
青田昇(3) |
洋松ロビンス |
31 |
中西太(2) |
西鉄ライオンズ |
31
|
1955年 |
町田行彦 |
国鉄スワローズ |
31 |
中西太(3) |
西鉄ライオンズ |
35
|
1956年 |
青田昇(4) |
大洋ホエールズ |
25 |
中西太(4) |
西鉄ライオンズ |
29
|
1957年 |
佐藤孝夫 |
国鉄スワローズ |
22 |
野村克也(1) |
南海ホークス |
30
|
青田昇(5) |
大洋ホエールズ
|
1958年 |
長嶋茂雄(1) |
読売ジャイアンツ |
29 |
中西太(5) |
西鉄ライオンズ |
23
|
1959年 |
森徹 |
中日ドラゴンズ |
31 |
山内和弘(1) |
毎日大映オリオンズ |
25
|
桑田武 |
大洋ホエールズ
|
1960年 |
藤本勝巳 |
大阪タイガース |
22 |
山内和弘(2) |
毎日大映オリオンズ |
32
|
1961年 |
長嶋茂雄(2) |
読売ジャイアンツ |
28 |
野村克也(2) |
南海ホークス |
29
|
中田昌宏 |
阪急ブレーブス
|
1962年 |
王貞治(1) |
読売ジャイアンツ |
38 |
野村克也(3) |
南海ホークス |
44
|
1963年 |
王貞治(2) |
読売ジャイアンツ |
40 |
野村克也(4) |
南海ホークス |
52
|
1964年 |
王貞治(3) |
読売ジャイアンツ |
55 |
野村克也(5) |
南海ホークス |
41
|
1965年 |
王貞治(4) |
読売ジャイアンツ |
42 |
野村克也(6) |
南海ホークス |
42
|
1966年 |
王貞治(5) |
読売ジャイアンツ |
48 |
野村克也(7) |
南海ホークス |
34
|
1967年 |
王貞治(6) |
読売ジャイアンツ |
47 |
野村克也(8) |
南海ホークス |
35
|
1968年 |
王貞治(7) |
読売ジャイアンツ |
49 |
野村克也(9) |
南海ホークス |
38
|
1969年 |
王貞治(8) |
読売ジャイアンツ |
44 |
長池徳二(1) |
阪急ブレーブス |
41
|
1970年 |
王貞治(9) |
読売ジャイアンツ |
47 |
大杉勝男(1) |
東映フライヤーズ |
44
|
1971年 |
王貞治(10) |
読売ジャイアンツ |
39 |
大杉勝男(2) |
東映フライヤーズ |
41
|
1972年 |
王貞治(11) |
読売ジャイアンツ |
48 |
長池徳二(2) |
阪急ブレーブス |
41
|
1973年 |
王貞治(12) |
読売ジャイアンツ |
51 |
長池徳二(3) |
阪急ブレーブス |
43
|
1974年 |
王貞治(13) |
読売ジャイアンツ |
49 |
C.ジョーンズ(1) |
近鉄バファローズ |
38
|
1975年 |
田淵幸一 |
阪神タイガース |
43 |
土井正博 |
太平洋クラブライオンズ |
34
|
1976年 |
王貞治(14) |
読売ジャイアンツ |
49 |
C.ジョーンズ(2) |
近鉄バファローズ |
36
|
1977年 |
王貞治(15) |
読売ジャイアンツ |
50 |
L.リー |
ロッテオリオンズ |
34
|
1978年 |
山本浩二(1) |
広島東洋カープ |
44 |
B.ミッチェル |
日本ハムファイターズ |
36
|
1979年 |
掛布雅之(1) |
阪神タイガース |
48 |
C.マニエル(1) |
近鉄バファローズ |
37
|
1980年 |
山本浩二(2) |
広島東洋カープ |
44 |
C.マニエル(2) |
近鉄バファローズ |
48
|
1981年 |
山本浩二(3) |
広島東洋カープ |
43 |
T.ソレイタ |
日本ハムファイターズ |
44
|
門田博光(1) |
南海ホークス
|
1982年 |
掛布雅之(2) |
阪神タイガース |
35 |
落合博満(1) |
ロッテオリオンズ |
32
|
1983年 |
山本浩二(4) |
広島東洋カープ |
36 |
門田博光(2) |
南海ホークス |
40
|
大島康徳 |
中日ドラゴンズ
|
1984年 |
宇野勝 |
中日ドラゴンズ |
37 |
ブーマー.W |
阪急ブレーブス |
37
|
掛布雅之(3) |
阪神タイガース
|
1985年 |
R.バース(1) |
阪神タイガース |
54 |
落合博満(2) |
ロッテオリオンズ |
52
|
1986年 |
R.バース(2) |
阪神タイガース |
47 |
落合博満(3) |
ロッテオリオンズ |
50
|
1987年 |
R.ランス |
広島東洋カープ |
39 |
秋山幸二 |
西武ライオンズ |
43
|
1988年 |
C.ポンセ |
横浜大洋ホエールズ |
33 |
門田博光(3) |
南海ホークス |
44
|
1989年 |
L.パリッシュ |
ヤクルトスワローズ |
42 |
R.ブライアント(1) |
近鉄バファローズ |
49
|
1990年 |
落合博満(4) |
中日ドラゴンズ |
34 |
O.デストラーデ(1) |
西武ライオンズ |
42
|
1991年 |
落合博満(5) |
中日ドラゴンズ |
37 |
O.デストラーデ(2) |
西武ライオンズ |
39
|
1992年 |
J.ハウエル |
ヤクルトスワローズ |
38 |
O.デストラーデ(3) |
西武ライオンズ |
41
|
1993年 |
江藤智(1) |
広島東洋カープ |
34 |
R.ブライアント(2) |
近鉄バファローズ |
42
|
1994年 |
大豊泰昭 |
中日ドラゴンズ |
38 |
R.ブライアント(3) |
近鉄バファローズ |
35
|
1995年 |
江藤智(2) |
広島東洋カープ |
39 |
小久保裕紀 |
福岡ダイエーホークス |
28
|
1996年 |
山崎武司(1) |
中日ドラゴンズ |
39 |
T.ニール |
オリックス・ブルーウェーブ |
32
|
1997年 |
D.ホージー |
ヤクルトスワローズ |
38 |
N.ウィルソン(1) |
日本ハムファイターズ |
37
|
1998年 |
松井秀喜(1) |
読売ジャイアンツ |
34 |
N.ウィルソン(2) |
日本ハムファイターズ |
33
|
1999年 |
R.ペタジーニ(1) |
ヤクルトスワローズ |
44 |
T.ローズ(1) |
大阪近鉄バファローズ |
40
|
2000年 |
松井秀喜(2) |
読売ジャイアンツ |
42 |
中村紀洋 |
大阪近鉄バファローズ |
39
|
2001年 |
R.ペタジーニ(2) |
ヤクルトスワローズ |
39 |
T.ローズ(2) |
大阪近鉄バファローズ |
55
|
2002年 |
松井秀喜(3) |
読売ジャイアンツ |
50 |
A.カブレラ |
西武ライオンズ |
55
|
2003年 |
A.ラミレス(1) |
ヤクルトスワローズ |
40 |
T.ローズ(3) |
大阪近鉄バファローズ |
51
|
T.ウッズ(1) |
横浜ベイスターズ
|
2004年 |
T.ローズ(4) |
読売ジャイアンツ |
45 |
松中信彦(1) |
福岡ダイエーホークス |
44
|
T.ウッズ(2) |
横浜ベイスターズ |
F.セギノール |
北海道日本ハムファイターズ
|
2005年 |
新井貴浩 |
広島東洋カープ |
43 |
松中信彦(2) |
福岡ソフトバンクホークス |
46
|
2006年 |
T.ウッズ(3) |
中日ドラゴンズ |
47 |
小笠原道大 |
北海道日本ハムファイターズ |
32
|
2007年 |
村田修一(1) |
横浜ベイスターズ |
36 |
山﨑武司(2) |
東北楽天ゴールデンイーグルス |
43
|
2008年 |
村田修一(2) |
横浜ベイスターズ |
46 |
中村剛也(1) |
埼玉西武ライオンズ |
46
|
2009年 |
T.ブランコ |
中日ドラゴンズ |
39 |
中村剛也(2) |
埼玉西武ライオンズ |
48
|
2010年 |
A.ラミレス(2) |
読売ジャイアンツ |
49 |
T-岡田 |
オリックス・バファローズ |
33
|
2011年 |
W.バレンティン(1) |
東京ヤクルトスワローズ |
31 |
中村剛也(3) |
埼玉西武ライオンズ |
48
|
2012年 |
W.バレンティン(2) |
東京ヤクルトスワローズ |
31 |
中村剛也(4) |
埼玉西武ライオンズ |
27
|
2013年 |
W.バレンティン(3) |
東京ヤクルトスワローズ |
60 |
M.アブレイユ |
北海道日本ハムファイターズ |
31
|
2014年 |
B.エルドレッド |
広島東洋カープ |
37 |
E.メヒア |
埼玉西武ライオンズ |
34
|
中村剛也(5) |
埼玉西武ライオンズ
|
2015年 |
山田哲人 |
東京ヤクルトスワローズ |
38 |
中村剛也(6) |
埼玉西武ライオンズ |
37
|
2016年 |
筒香嘉智 |
横浜DeNAベイスターズ |
44 |
B.レアード |
北海道日本ハムファイターズ |
39
|
2017年 |
A.ゲレーロ |
中日ドラゴンズ |
35 |
A.デスパイネ |
福岡ソフトバンクホークス |
35
|
2018年 |
N.ソト(1) |
横浜DeNAベイスターズ |
41 |
山川穂高(1) |
埼玉西武ライオンズ |
47
|
2019年 |
N.ソト(2) |
横浜DeNAベイスターズ |
43 |
山川穂高(2) |
埼玉西武ライオンズ |
43
|
2020年 |
岡本和真(1) |
読売ジャイアンツ |
31 |
浅村栄斗(1) |
東北楽天ゴールデンイーグルス |
32
|
2021年 |
岡本和真(2) |
読売ジャイアンツ |
39 |
杉本裕太郎 |
オリックス・バファローズ |
32
|
村上宗隆(1) |
東京ヤクルトスワローズ
|
2022年 |
村上宗隆(2) |
東京ヤクルトスワローズ |
56 |
山川穂高(3) |
埼玉西武ライオンズ |
41
|
2023年 |
岡本和真(3) |
読売ジャイアンツ |
41 |
G.ポランコ |
千葉ロッテマリーンズ |
26
|
近藤健介 |
福岡ソフトバンクホークス
|
浅村栄斗(2) |
東北楽天ゴールデンイーグルス
|
2024年 |
村上宗隆(3) |
東京ヤクルトスワローズ |
33 |
山川穂高(4) |
福岡ソフトバンクホークス |
34
|
- 太字は各リーグ記録
- 赤太字はNPB最高
- 括弧内は受賞回数
本塁打王に関する主な記録
複数回受賞者
選手
|
回数
|
年度
|
王貞治
|
15
|
1962年、1963年、1964年、1965年、1966年、1967年、1968年、1969年、1970年、1971年 1972年、1973年、1974年、1976年、1977年
|
野村克也
|
9
|
1957年、1961年、1962年、1963年、1964年、1965年、1966年、1967年、1968年
|
中村剛也
|
6
|
2008年、2009年、2011年、2012年、2014年、2015年
|
青田昇
|
5
|
1948年、1951年、1954年、1956年、1957年
|
中西太
|
5
|
1953年、1954年、1955年、1956年、1958年
|
落合博満
|
5
|
1982年、1985年、1986年、1990年、1991年
|
山本浩二
|
4
|
1978年、1980年、1981年、1983年
|
タフィ・ローズ
|
4
|
1999年、2001年、2003年、2004年
|
山川穂高
|
4
|
2018年、2019年、2022年、2024年
|
セ・パ両リーグでの本塁打王獲得者
選手名 |
リーグ |
所属球団 |
本塁打王獲得年度
|
落合博満 |
セ・リーグ |
中日ドラゴンズ |
1990年、1991年
|
パ・リーグ |
ロッテオリオンズ |
1982年、1985年、1986年
|
タフィ・ローズ |
セ・リーグ |
読売ジャイアンツ |
2004年
|
パ・リーグ |
大阪近鉄バファローズ |
1999年、2001年、2003年
|
山﨑武司 |
セ・リーグ |
中日ドラゴンズ |
1996年
|
パ・リーグ |
東北楽天ゴールデンイーグルス |
2007年
|
その他の記録
- 本塁打数
- 最多本塁打
- セ・リーグ:60本 - ウラディミール・バレンティン(2013年)
- パ・リーグ:55本 - タフィ・ローズ(2001年)、アレックス・カブレラ(2002年)
- 日本人記録:52本 - 野村克也(1963年)、落合博満(1985年)
- 最少本塁打
- セ・リーグ:22本 - 佐藤孝夫・青田昇(1957年)、藤本勝巳(1960年)
- パ・リーグ:23本 - 中西太(1958年)
- 規定打席不足で本塁打王
- ウラディミール・バレンティン(2012年、規定打席446に対し422打席)
- その他、複数球団で本塁打王
- 青田昇、タイロン・ウッズ、アレックス・ラミレス、山川穂高
脚注
関連項目
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1950年代 | |
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1960年代 | |
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1970年代 | |
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1980年代 | |
---|
1990年代 | |
---|
2000年代 | |
---|
2010年代 | |
---|
2020年代 | |
---|
|
---|
1950年代 | |
---|
1960年代 | |
---|
1970年代 | |
---|
1980年代 | |
---|
1990年代 | |
---|
2000年代 | |
---|
2010年代 | |
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2020年代 | |
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