明星輪寺
明星輪寺(みょうじょうりんじ)は、岐阜県大垣市にある真言宗の寺院である。山号は金生山(きんしょうざん)。寺が建つ山「金生山」は山号に由来する。 概要通称「赤坂虚空蔵」、「虚空蔵さん」、「こくぞうさん」。日本三大虚空蔵の一つという。(京都法輪寺、伊勢朝熊山金剛證寺、他の説もある) 本尊は虚空蔵菩薩。洞窟(岩屋)の中にある彫刻。言い伝えによれば、役小角が彫刻したものという。 西美濃三十三霊場第三十一札場。 沿革寺伝によれば、686年(朱鳥元年)、持統天皇の勅命により、役小角が開山。2年後に建立したという。一時廃れるが、平安時代の801年(延暦20年)、空海が再興し、真言宗に改宗。桓武天皇により保護を受けたという。 1148年(久安4年)の落雷により焼失。再建されるが、小規模となってしまう。 1609年(慶長14年)、美濃国高須藩藩主徳永寿昌の援助で再建される。1657年(明暦3年)、大垣藩藩主戸田氏信により、大垣藩藩主戸田氏の祈祷所に指定され賑わう。1863年(文久3年)、戸田氏彬の援助で現在の本堂が再建される。 1869年(明治2年)、神仏分離令により蔵王権現宮が金生山神社として分離独立する。 文化財
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虚空蔵さんのお話大垣市には、このような昔話が伝わっている。 ある日、虚空蔵さんが草むらで立小便をしていると、そこに眠っていた大蛇にかかってしまう。この大蛇は、伊勢国で虚空蔵さんに恋焦がれた女性が、虚空蔵さんに会いたい一心で大蛇に変化したものであった。怒った大蛇は虚空蔵さんを追いかけ始めた。驚いた虚空蔵さんは被っていた笠を脱ぎ捨てて走って逃げ出した。喉が渇き、近くの農民に水を求めたが断られ、止むを得なく近くの自噴井戸の水を飲み、さらに逃げた。しかし大蛇は追いかけていった。やがて虚空蔵さんは、金生山の岩屋の中に逃げ込んだ。大蛇は岩屋ごと締め付け始める。岩屋が崩れかけたとき、虚空蔵さんは、「そなたを私より高い位置にお祀りする。だから助けてくれ」と叫んだ。すると大蛇は締め付けを止め、何処へと消えていったという。大蛇は蛇王権現として、明星輪寺の鎮守として祀られている。 虚空蔵さんが笠を脱ぎ捨てたの土地が、笠縫(安八郡笠縫村、現 大垣市)、自噴井戸の水を飲んだ土地が、河間(安八郡河間村、現 大垣市)であるとされている。 脚注外部リンク |