新座頭市・破れ!唐人剣
『新座頭市・破れ!唐人剣』(しんざとういち・やぶれとうじんけん)は、1971年の日本、香港の合作映画。勝新太郎の代表作、座頭市シリーズの第22作にして、香港のトップスター、ジミー・ウォングの代表作、片腕必殺剣(獨臂刀)シリーズの第3作という側面を持つ、クロスオーバー作品である 概要香港映画のカンフースター、ジミー・ウォングを招き、言葉の違いによる壁と、それを超えた人間同士のつながりについて、座頭市ならではのヒューマニズムで描いた。日中アクション映画のアイドルが出演するイースト・ミーツ・イーストものとして海外でも人気があるが、座頭市作品としては異色の一作である。当初、相手役はブルース・リーの予定だったが、勝新太郎が「ブルース・リーって誰だ?」と、当時はまだ香港でも「ドラゴン危機一発」公開前であるため、当然、ブルース・リーは日本では無名。そのため「俺がそんな無名な俳優と組めるか!香港でトップは誰だ?」となり、ジミー・ウォングがキャスティングされたという経緯がある。 香港版本作は勝プロと香港ゴールデン・ハーベスト社との合作映画で世界配給は勝プロ、中国語圏および東南アジア諸国の配給はゴールデン・ハーベストが行った。香港版はジミー・ウォング、勝新太郎のダブル主演作品として公開された。巷間伝えられている、座頭市敗北版である。 以下、主な日本版との相違点である。
以上、主な相違点であるが、この香港版は版権が現在、混乱しており、公立のフィルムアーカイブで上映用プリントが確認されているだけである。 実質的な製作をした勝プロの常務だった眞田正典は本作の製作進行を担当、ラストシーンは組合の労働時間の関係で香港版はいい加減に撮影し、現像後、当該シーンのフィルムはネガごとゴールデン・ハーベストに引き渡したと証言している。 日本、香港、両版共に勝敗が決しただけで、互いに絶命には至っていない。 本作の主人公の名前は『方剛』であることから、オリジナルシリーズの製作会社ショウ・ブラザースから訴訟を含め、さまざまな妨害措置をとられた。その1つがオリジナルの監督チャン・チェがデビッド・チャン、ティ・ロン主演で製作した『新・片腕必殺剣』である 幻ではあるが、座頭市唯一の黒星である。 見どころ座頭市とジミー・ウォングとの対決が本作最大の見どころである。またお色気シーンは控えめなものの、殺陣によるゴアシーンの凄みは増し、ダークヒーローものにふさわしい味わいとなっている。東西芸人が出演し、劇中で余興を見せてくれるのも本シリーズ後期作品における魅力のひとつであるが、本作ではてんぷくトリオが出演し、座頭市との滑稽なやりとりを楽しむことができる。 スタッフキャスト
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