掘り上げ田掘り上げ田(ほりあげた、ほりあげでん)は、低湿地における開田法の一種[2]。 地域により呼称が異なり、堀上田(ホリアゲタ)、畝田(ウネタ)、浮田(ウキタ)、新起こし(シンオコシ)、掻上田(カキアゲタ)、堀田(ホリタ)などの呼称がある[2]。 概要掘り上げ田は干拓や埋め立てが困難な水面下あるいは地下水位が極めて高く水生植物が繁茂するような低湿地における開田法である[2]。このような開墾技術は日本の低湿地帯で広く行われ、少なくとも14世紀中葉にまで遡ることができる[2]。1794年(寛政6年)の大石久敬『地方凡例録』には「堀田」として説明があり、水田湿地において田の内部を掘上げ畔を立てて、その高みに稲作を行う方法としている[2]。 水路(地域によりミヲ、掘潰れ(堀潰れ)、掘付(ほっつけ)などという)を掘削して田(耕作部分)の盛土を行うため、水田と水面が櫛状に並ぶ景観となる[2][3]。冠水しやすく農作業に田舟などを用いることもあり農作業の労働効率は低い[2]。 掘潰れなどと称される水路は水運にも利用されたほか漁場としても重要な役割を果たした[2]。一方、時間の経過とともに掘り上げ田より土が掘潰れへと流れ堆積し、水路が浅くなるなどの弊害も起きる。そのため定期的に掘り潰れより掘り上げ田へと土を盛り直す作業(のろ上げ、ノロ上げ、ノロアゲなどと称する)が行われた。なお、掘り上げ田を開発する以前の湖沼・沼沢地には周辺からの水路が流入していることも多く、それらは「附廻堀」として掘り上げ田の造成時に併せて再整備されていることが多い。 各地の掘り上げ田関東平野の堀上田(ホリアゲタ)、石川県の畝田(ウネタ)、静岡県沼津市浮島沼の新起こし(シンオコシ)、岐阜県木曽三川河口付近の堀田(ホリタ)などがある[2][4]。なお、牛久沼周辺では岸辺に連続しているものを掻上田(カキアゲタ)、岸辺から隔てられた島状のものを浮田(ウキタ)といい区別した[4]。 下記の掘り上げ田は過去に存在していたが、現存していないものを含む。 埼玉県
群馬県茨城県岐阜県
脚注
関連項目
外部リンク
埼玉県関連
群馬県関連
岐阜県関連
|
Portal di Ensiklopedia Dunia