手塚太郎

手塚太郎

手塚 太郎（てづか たろう、1862年2月14日（文久2年1月16日） - 1932年（昭和7年11月19日）は、日本の司法官。江戸出身。父は医師の手塚良仙、息子に写真家の手塚粲、孫に漫画家で医学博士の手塚治虫がいる。

概要

司法省法学校卒業後、司法省御用掛になった後、各地の地方裁判所に勤務する。大阪地方裁判所の検事正時代に、1886年の関西法律学校（関西大学の前身）の創立に関わり、1892年まで同校で法律大意・民法・経済学などを講じた[1]。名古屋控訴院の検事長時代に、1909年の中京法律学校（中京法律専門学校の前身）の創立に関わる。大津地方裁判所検事正、函館地方裁判所検事正なども務め[2]、1910年3月から1年間欧米諸国に派遣された[3]。1913年4月長崎控訴院長に就任し、翌年8月佐世保捕獲審検所長官を兼ねた[3]。

1925年に退官した後は兵庫県川辺郡小浜村（現・宝塚市）で過ごす。1932年11月19日、腎肺炎のため自宅で死去[3]。満70歳（享年71）。

家族・親族

手塚家

• 祖父・良仙（光照）（1801年 - 1862年。医師、蘭学者）
• 父・良仙（良庵）（1826年 - 1877年。医師、蘭学者）
• 長男・粲（1900年 - 1986年。会社員、アマチュア写真家）
• 次女・志賀子（1893年 - ?、南部球吾長男・太郎に嫁ぐ）
• 三女・近江（1897年 - ?、岸本綾夫に嫁ぐ）
• 孫・治（治虫）（1928年 - 1989年。漫画家）
• 曾孫・眞（1961年 - 。映像クリエイター）
• 曾孫・るみ子（1964年 - 。プランニングプロデューサー）

栄典・授章・授賞

位階

• 1886年（明治19年）7月8日 - 従七位[4]
• 1892年（明治25年）
  • 2月27日 - 正七位[5]
  • 12月23日 - 従六位[6]
• 1896年（明治29年）7月30日 - 正六位[7]
• 1898年（明治31年）9月20日 - 従五位[8]
• 1900年（明治33年）11月10日 - 正五位[9]
• 1911年（明治44年）1月31日 - 正四位[10]
• 1916年（大正5年）2月21日 - 従三位[11]
• 1924年（大正13年）5月15日 - 正三位[12]

勲章等

• 1898年（明治31年）6月28日 - 勲六等瑞宝章[13]
• 1902年（明治35年）12月27日 - 勲四等瑞宝章[14]
• 1906年（明治39年）12月27日 - 勲三等瑞宝章[15]
• 1913年（大正2年）12月27日 - 勲二等瑞宝章[16]
• 1915年（大正4年）
  • 11月7日 - 旭日重光章[17]
  • 11月10日 - 大礼記念章[18]
• 1923年（大正12年）12月25日 - 勲一等瑞宝章[19]

著書

• 『日本民法人事編釈義・日本法例釈義』
• 『法学通論』
• 『法律学 通信教授』
• 『現行商法警察必携 明治二十六年五月三日手塚検事正演説筆記』
• 『仏国財産法売買法問題』
• 『商法詳解』
• 『商事会社法釈義』（鶴見守義との共著）

脚注

1. 『関西大学百年史』 人物編 46頁
2. 『官報』第4345号「叙任及辞令」1897年12月23日。
3. ^ 『関西大学百年史』 人物編 52頁
4. 『官報』第908号「叙任及辞令」1886年7月12日。
5. 『官報』第2596号「叙任及辞令」1892年2月29日。
6. 『官報』第2849号「叙任及辞令」1892年12月24日。
7. 『官報』第3927号「叙任及辞令」1896年7月31日。
8. 『官報』第4570号「叙任及辞令」1898年9月21日。
9. 『官報』第5210号「叙任及辞令」1900年11月12日。
10. 『官報』第8281号「叙任及辞令」1911年2月1日。
11. 『官報』第1065号「叙任及辞令」1916年2月22日。
12. 『官報』第3533号「叙任及辞令」1924年6月4日。
13. 『官報』第4499号「叙任及辞令」1898年6月30日。
14. 『官報』第5848号「叙任及辞令」1902年12月29日
15. 『官報』第7051号「叙任及辞令」1906年12月28日。
16. 『官報』第427号「叙任及辞令」1913年12月29日。
17. 『官報』第1218号「叙任及辞令」1916年8月21日。
18. 『官報』第1310号・付録「辞令」1916年12月13日。
19. 『官報』第3404号「叙任及辞令」1923年12月26日。

参考文献

• 関西大学百年史編纂委員会 『関西大学百年史』 人物編、学校法人関西大学、1986年

外部リンク

• 関西大学を築いた人びと た行（下から3人目に手塚太郎）