弦楽四重奏曲第13番 (ベートーヴェン)弦楽四重奏曲第13番(げんがくしじゅうそうきょくだいじゅうさんばん)変ロ長調 作品130は、ベートーヴェンが作曲した弦楽四重奏曲である。1825年11月に完成された[1]。伝統的に出版順に番号付けされているが、作曲順では本作が14番目に相当し、第15番の次に作曲された。1826年3月にシュパンツィヒ四重奏団によって初演され、1827年の出版時にロシア貴族ニコライ・ガリツィンに献呈された。6楽章からなる。 初演時は終楽章に『大フーガ』が置かれ、50分前後に及ぶ作品だった。ベートーヴェンは後期においてしばしばフーガを好んでおり、本作だけでなくピアノソナタ第29番『ハンマークラヴィーア』、交響曲第9番、ピアノソナタ第31番で用いている。しかし『大フーガ』は大変難解で、初演後にも評価が二分した。結局ベートーヴェンは、友人の助言や出版社からの要請もあって『大フーガ』を切り離し(独立して作品133として出版された)、これとは別の、もっと軽快で小型の終楽章を新たに書き直して出版した。 現代では『大フーガ』に対する理解も進み、ベートーヴェンの当初の意図通りこのフーガを本来の形で終楽章として演奏したり、あるいは新旧のフィナーレを両方取り上げるといった演奏もしばしば行われている。 曲の構成終楽章改作後のものについて記述する。本作は、6楽章で構成されている点で異例の弦楽四重奏曲である。5楽章で構成された第15番の次に作曲されており、さらに規模が拡大していることがわかる。『大フーガ』が差し替えられた改訂後も42分前後と、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲の中では最も演奏時間が長い。中間楽章において通例とは逆の舞踊楽章、緩徐楽章という並べ方をするのは交響曲第9番などでも見られたが、本作では中間2楽章の並びがもう一度くり返され、開始楽章、舞踊楽章、緩徐楽章、舞踊楽章、緩徐楽章、終楽章となっている。
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