『建国大業』(けんこくたいぎょう、The Founding of a Republic )は、2009年公開の中華人民共和国による建国60周年記念映画。日本では2009年の第22回東京国際映画祭に出品されたが、一般公開はされていない[1]。ソフトウェアも日本未発売。
概要
中国を代表する人気俳優や歌手、若手からベテランまで総勢172人が出演している。そのほとんどがボランティア出演であることが報道され、国内外で話題になった[2]。
毛沢東を演じている唐国強は、ドラマや映画で何度も毛沢東を演じてきた国民的俳優。
これまで中国大陸のドラマや映画における蔣介石は、私利私欲のために国を乱した悪人という描かれ方が一般的だったが、本作における蔣介石は愛国主義者であり、国民党が敗色濃厚になると、これ以上無益な戦いを避けるために、台湾に逃れたように描かれている。当時国務院台湾事務弁公室主任だった王毅の勧めでこれを視聴した蔣介石の孫で国民党副主席でもある蔣孝厳は「客観的な歴史評価」と称賛した[3]。
ストーリー
1945年8月、日中戦争(中国側は中国抗日戦争と呼称)が終結し中華民国は戦勝国の一国となった。しかし、蔣介石率いる中国国民党と毛沢東率いる中国共産党による国共合作が崩壊し、内戦状態に突入。当初は、国民党が優勢だったが、人民の支持と強力な武器を入手した共産党がしだいに形勢を逆転させていく。そして、軍事的にも経済的にも追い詰められた国民党は首都南京を脱出し台湾に逃れる。かくして、1949年9月、各界の代表を招き、北平(現:北京)で第1回中国人民政治協商会議が開催され、新しい国歌や国旗について議論される。そして10月1日、天安門にて毛沢東は「中華人民共和国」成立を宣言。この激動の4年間を描いている。
スタッフ
キャスト
※矢印から右は1947年以降の中華人民共和国(中国共産党)及び中華民国(中国国民党)における主な役職
主演
中国共産党関連人物
中国国民党関連人物
- 姜文:毛人鳳(軍事委員会調査統計局局長 → 国防部保密局局長)
- 胡軍:顧祝同(国防部陸軍総司令 → 参謀総長兼国防部長)
- アンディ・ラウ:兪済時(三民主義青年団中央監察会監察 → 総統府第三局局長)
- 陳宝国:周至柔(国民革命軍空軍一級上将 → 参謀総長)
- ジェット・リー:陳紹寛(国民革命軍海軍一級上将 → 中華人民共和国全国人民代表大会代表)
- 肖文閤:何応欽(中国陸軍総司令 → 総統府戦略顧問委員会主任委員)
- 尤勇:白崇禧(戦略顧問委員会主任委員 → 中国回教協会理事長)
- 李強:陳誠(参謀本部参謀総長 → 中華民国副総統)
- 楊暁丹:張治中(国民政府軍事委員会委員長西北行営主任兼新疆省政府主席 → 中華人民共和国全国人民代表大会常務委員会副委員長)
- 佟大為:孔令侃(孔祥熙と宋靄齢の子、揚子公司総経理 → アメリカへ移住)
- 曹可凡:呉国楨(上海市長 → 台湾省政府主席)
- 仲星火:黄紹竑(監察院副院長 → 中華人民共和国全国人民代表大会常務委員)
- 夏剛:邵力子(国民革命軍総司令部事務局長 → 中華人民共和国全国人民代表大会常務委員)
- 丁志誠:盧広生(国防部保密局中校級秘密特務員)
- 陶澤如:呉鉄城(国民政府立法院副院長 → 総統府資政)
- 許還山:于右任(監察院院長)
- 趙暁時:孫科(孫文の子、立法院院長 → フランス、アメリカに移住)
- 孫興:杜聿明(東北九省保安司令部司令長官 → 中国人民政治協商会議委員)
- 林棟甫:甘介侯(西山任花紗布公司主任、李宗仁の私設秘書代表 → アメリカに移住)
- 葉小鏗:戴季陶[4](国民政府考試院院長 → 1949年に自殺)
- 張涵予:劉従文(毛沢東暗殺を図る国防部保密局上尉諜報員 → 1950年に中国人民解放軍によって処刑)
民主党派関連人物
- チェン・カイコー:馮玉祥(国民党軍事委員会副委員長、中国国民党革命委員会中央政治委員会主任 → 1948年に船舶事故で死亡)
- レオン・ライ:蔡廷鍇(中国国民党革命委員会中央常務委員 → 全国人民代表大会常務委員)
- 葛存壮:譚平山(中国国民党革命委員会中央常務委員 → 政務院人民監察委員会主任)
- 張世忠:沈鈞儒(中国民主同盟 → 中央人民政府最高人民法院院長)
- 畢彦君:羅隆基(中国民主同盟執委 → 中国人民政治協商会議常務委員)
- 呉剛:聞一多(詩人、中国民主同盟委員 → 1946年に中国国民党によって暗殺)
- 喬立生:郭沫若(文学者、詩人、歴史家、国民政府軍委会政治部第三庁庁長、中央研究院院士 → 中国科学院院長)
- 鄧超:徐悲鴻(中国現代画家、美術教育家 → 中央美術学院院長)
- 李浜:何香凝(中国画家、孫文の辛亥革命に参加、中国国民党革命委員会を組織 → 第2~3代中国人民政治協商会議副主席)
- 張秋芳:李徳全(馮玉祥の妻、中国国民党革命委員会中央執行委員 → 中央人民政府首任衛生部部長)
- 劉儀偉:李璜(中国青年党創設者 → 総統府資政)
その他の著名人
- 馮小剛:杜月笙(暗黒街の秘密結社「青幇」の首領 → 中国建国後は香港に逃れた)
- 馮遠征:傅涇波(在中華民国アメリカ合衆国特命全権大使ジョン・レイトン・スチュアートの私設秘書 → アメリカへ移住)
世界各国の政治家
架空の人物
出番がカットになった人物
- ジョン・ウー:劉文輝(西康省政府主席兼全省保安司令 → 中国人民政治協商会議全国委員会常務委員)
- 侯勇:張聞天(中国共産党中央委員会 → 在ソ連中華人民共和国特命全権大使)
評価
2009年9月下旬に中国全土で公開後、10月5日には興行収入が3億3000万元(約44億円)を突破。中国映画の新記録を樹立した[5]。
出演者のうち21人が米国などの外国籍を取得[6] しており、「国を捨てた者が愛国映画に出演しても説得力がない」という意見がネット上で相次いだ[7]。
受賞
注記
外部リンク
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主演・出演映画 (◎印は監督作品 ★印はプロデュース作品 ☆印は原案作品) | |
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ドキュメンタリー |
- ジェット・リー 燃えよカンフー(1983年)
- ジェット・リーの軌跡(1988年)
- 真少林寺(1994年)
- リーサル・ウェポン・ドキュメンタリー(1999年)
- HERO外伝(2002年)
- バイオグラフィー:ジェット・リー(2008年)
- カンフースタントマン 龍虎武師(2021年/2023年)
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関連人物 | |
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関連項目 | |
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