広島高速交通7000系電車
広島高速交通7000系電車(ひろしまこうそくこうつう7000けいでんしゃ)は、広島県広島市で新交通システム(アストラムライン)を運営する広島高速交通の案内軌条式電車。2020年3月26日から営業運転を開始した[2][3][4][7][8]。 概要開業当初から在籍する6000系と、その増備車でVVVFインバータ車の1000系置き換えのために導入された。製造に際しては、三菱重工業から交通システムやエンジニアリング事業を受け継いだ新会社の三菱重工エンジニアリングが担当している[3][8][9][10][11]。2021年度グッドデザイン賞を三菱重工エンジニアリングと共同受賞した[12][13]。 構造編成は従来の車両と同様の6両編成で、内訳は制御車(Tc)2両、中間電動車(M)3両、付随車(T)1両の3M3Tである。車体はゆりかもめの7300系・7500系や東京都交通局日暮里・舎人ライナーの330形、埼玉新都市交通伊奈線(ニューシャトル)の2020系でも使用実績がある、軽量かつ高い耐久性やリサイクル性を備えたアルミニウム合金を用いたダブルスキン構造である「Al-fine」が用いられる。これにより従来車から約3 tの軽量化が実現している。また車幅や車高も従来の車両から拡大しており、広い車内空間が確保されている。一方、カラーリングについては従来の車両のイメージを受け継ぎ、アストラムラインのシンボルカラーであるクロムイエローを基調としたデザインとなっている。前照灯や尾灯はLEDが用いられる[2][4][5][8][14]。 インテリアデザインは三菱重工業が展開する「Detail-ism」を基礎に、従来の車両で築かれたアストラムラインのイメージを踏襲する形で仕上げられている。座席は従来の車両と同様にロングシートだが、背もたれを高くし座席幅も従来車から3 cm広く取る事で座り心地の向上を図ったセパレートタイプの座席「G-Fit」が採用されている。また、従来の車両には先頭車のみ設置されていた車椅子スペースに代わり、中間車を含めた全車両に車椅子に加えてベビーカーにも対応したフリースペースが設置される[注釈 1]。一方、これらの変更に伴い定員数や座席数は従来の車両から減少している。車内には空調が完備され、従来の車両から能力が30%向上している他、天井部に配風ダクトを配置する事で車内温度を均一化し冷房効率を高める。また安全対策のため監視カメラも設置されている[2][4][5][6][8]。 走行機器など各車両に設置されているボギー台車は揺れを低減し乗り心地の向上を図った「T-smover」で、走行輪が中子性補助輪付きのゴムタイヤ、案内輪や分岐輪はソリッドタイヤが用いられる。集電装置は進行方向と垂直に備わった案内操行装置に設置され、ばねによって側面の剛体複線に接触する[2][5]。 制御装置は東洋電機製造製のIGBT素子によるVVVFインバータ制御方式となっている。補助電源装置には同じく東洋電機製造製の静止型インバータ(SIV)で、定格出力は60 kVAを有する。SIVの素子にはハイブリッドSiCを使用している。 電動空気圧縮機はスクロール式回転型1段圧縮式である[2][15]。
運用最初の編成となる第31編成は2019年10月4日に長楽寺駅に近接した車両基地に搬入され、10月10日に報道機関向けの車両公開が実施された。その後は試運転や乗務員の訓練運転を経て、2020年3月26日から営業運転を開始した。以降は2024年度末までに第31編成を含めた24本が導入される予定となっている[注釈 2]。これにより6000系(6両編成23本)・1000系(6両編成1本)全車両が置き換えられる。なお、現在予定されている西広島延伸に際しての車両増備は2019年の時点で未定となっている[2][4][7][8][6][17]。 編成
脚注注釈出典
外部リンク
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