小林章小林 章(こばやし あきら、1960年 - )は、書体デザイナーである。モノタイプのタイプディレクターとして、書体設計の指揮や、Optimaなど名作書体の改刻を手掛けている。複数の国際的なタイプフェイス・コンテストの審査員も務める。写研出身で、のちにヒラギノ明朝やAXIS Fontの欧文を設計した。日本における欧文書体設計の第一人者である。 略歴武蔵野美術大学視覚伝達デザイン科を卒業後、写研で原字の設計をしていた。1989年、欧文書体を学ぶため退職して渡英。1年半にわたってカリグラファーや石工、工芸家などと交わってそのエッセンスを学ぶ。 1990年日本帰国後字游工房でヒラギノ明朝・ヒラギノ角ゴシックの制作に携わり、1993年からタイプバンクで同社書体の欧文を手掛ける。1997年にフリーランスの書体設計家として独立。1998年、CliffordでU&lc Type Design Competition最優秀賞・本文部門1位を同時受賞し、2000年にはConradがライノタイプ・ライブラリーによる第3回International Digital Type Design Contestで本文部門最優秀賞に選ばれるなど、欧米の大きなタイプデザインコンテストでいくつも賞を獲得し、世界的にも注目される。 鈴木功と共に仕上げたAXIS Fontの完成後、ライノタイプ(現モノタイプ)に招かれてドイツに渡った。 ヘルマン・ツァップやアドリアン・フルティガーなど、書体デザインの巨匠と組んで数々の名作書体の改刻などを行った。 改刻作業は、それらの書体が本来もっているはずの字形や魅力を、金属活字時代の技術的制約から解き放ってデジタル環境に本来の姿で生まれ変わらせることで、その成果はライノタイプ改刻書体シリーズに現れている。 日本では大新聞社や一部の印刷会社といった例外を除いて、メディアや企業が各々独自の書体を持つことは少ないが、欧米ではかなり一般的である。ライノタイプ・モノタイプにおいて彼は、企業や新聞社からの制定書体の提案・制作なども担当している。この分野ではソニーのSST[1]、AlibabaグループのAlibaba Sans[2]などがある。 2017年には、Neue Frutigerに合う書体として東京のデザインチームによってデザインされたモノタイプ初の日本語書体たづがね角ゴシックのディレクションを行った[3]。 本人は、苦手なものとしてドイツ語、プレゼンテーションの技能、またコンピュータそのものに関する知識などを挙げている。 年譜
主な作品
著書
脚注
外部リンク
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