家門の栄光
家門の栄光 (かもんのえいこう、朝鮮語: カムネ ヨングァン、ハングル: 가문의 영광) は、韓国SBSにて2008年10月11日から2009年4月19日まで放送されたテレビドラマである。全54話。 概要SBS週末特別企画ドラマ (SBS 주말 특별기획 드라마) 作品のひとつとして製作され、毎週土曜日および日曜日に1話ずつ、週2話放送された。チョン・ジウが脚本を執筆し、パク・ヨンスが演出を担当した。 「宗家」のひとつであるハ・マンギ家の伝統や家族を守ろうとする姿と、裸一貫から成り上がり財をなしたイ・チョンガブ家が、子どもたちのために「家門」を残そうとする姿を通じて見られる、家族の絆や名家の伝統のあり方が作品のメインテーマ。登場人物の描写とその基盤となる多彩なエピソード群、そして無駄な刺激を排した構成により、「無公害ドラマ」「名作ドラマ」との評価を得た[1]。韓国国内では平均20%、最終回で26.7%の視聴率を獲得した[1]。 あらすじハ家の曽祖父 (家長マンギの父親) が亡くなり、葬儀が行われることとなった。その孫のソッコは会社の部下で交際相手のヨンインから妊娠を告げ知らされ、ソッコの子どもたちも、長男スヨンは妻の不倫が発覚、次男テヨンは自らの不倫が原因で警察に逮捕されたりと身辺にトラブルを抱え込んだ状態。長女タナは済州島へと出張中、飛行機のチケットを巡ってたまたま出会った相手に不愉快な思いをする羽目に。 タナが出会った相手、イ・ガンソクは、一代で財をなした成金チョンガブの息子で、マンギの会社であるテソン建設の乗っ取りを画策していた。ふたりはハ家の弔問に訪れるが、チョンガブは宗家とマンギたちハ家の人々の振る舞いを不思議がり、一方カンソクはタナにまたも不遜な態度を取って平手打ちを食らってしまった。テソン建設は不渡りを出して、社長であるソッコは資金繰りに悪戦苦闘中。チョンガブとカンソクは、資金援助の見返りにハ家の家系図を要求するが拒否された。結局カンソクが経営陣に参加することとなった。ソッコはヨンインとの再婚許可を願い出るが、マンギは暗に反対し、子どもたちも動揺する。しかしソッコがヨンインの妊娠を告白してマンギも折れ、ふたりの結婚式が行われた。ヨンインはテヨンとはウマが合わないながらも、それまで男女別々であったハ家の食卓を家族一同のものに変えたりと、ハ家に新しい風をもたらす。 大学のキャンパスでサッカーをしていたタナを、生命工学科の学生ヒョンギュが見つめていた。ヒョンギュがタナの亡夫ユ・ジナに似ている事に気づいた同僚のナム教授はタナの心の慰めとなればと思ってヒョンギュを焚きつけるが、タナはそれをたしなめ、ヒョンギュとはあくまで大学教員として接しようとする。そんなヒョンギュの事を見つめていたのは、タナの授業で発表の時に倒れてしまった女子学生のヘジュであった。しかしタナに夢中なヒョンギュはヘジュを受け入れず、きつい口調で拒絶。ショックを受けたヘジュは自宅で倒れてしまう。彼女を病院に連れていったのは兄のカンソクだった。カンソクはタナに恋愛の提案をし、タナはヒョンギュとヘジュのためにこれを受け入れた。しかしデートの度に軋轢が絶えない。それでもふたりの関係は発展していくが、交際相手がタナだと知ったチョンガブも、カンソクの母親ヨンジャも猛反対。チョンガブはカンソクを殴り、親子の縁を切るかタナと別れるかどちらか選べと怒鳴る。ソッコの説得を受けてチョンガブは渋々折れるものの、タナが事故で前夫を亡くした未亡人である事をヨンジャは挙げて、不幸な運命を持つ女に息子はやれないと激しく反対した。タナとカンソクは一度は別れを決意してみるものの、チョンガブやヘジュも説得する中で、ヨンジャがふたりの交際をようやく認めた。傷心のヒョンギュは、これまで拒絶していたヘジュとの関係を改善させ、以前程彼女を拒む事はなくなっていく。 テヨンは警察署で出会った交通課勤務のマルスンと、その後も顔を合わせては言い争いを繰り返していたが、ある日見知らぬ女性を殴っていた男と、屋台で飲んで店から出てきたばかりのマルスンが喧嘩になり、彼女が殴られたのを見たテヨンは彼女に加勢してその男と喧嘩になる。結局怪我をしたマルスンは入院する事になるが、母親からの電話を受けたマルスンは、見舞いに来たテヨンにもたれて泣きだした。一緒に食事に行ったりするうちふたりの仲は深まっていくが、ある日マルスンの家に母親が訪ねてきた。テヨンがプレゼントした新しい携帯電話の番号をマルスンが伝えずにいたため、連絡が取れずにいた母親がいぶかってやってきたのであった。出会って早々のテヨンに自分の義弟の就職の世話を頼む母親の図々しさを見たマルスンは、母親の存在がテヨンに迷惑をかけると思い別れを切り出す。しかしどんな人であろうと、交際相手の親なんだから大切にしたいというテヨンの言葉を聞いて泣き崩れる。 スヨンは空港で偶然会った女性オ・ジナと、会社の建物内で再会した。彼女は清掃スタッフとして就職していた。そこにチナの古い知り合いミンジュンが訪ねてきた。ミンジュンはチナに馴れ馴れしい態度で接し、挙句彼女に抱きつこうとするが、スヨンが割って入りミンジュンを殴り退散させた。コンビニエンスストアでラーメンやおにぎりを一緒に食べたり、休憩時間に社屋内にて話をするうちふたりの関係は進展、ヨンインもそれに気づき、チナを呼んでスヨンへの気遣いを頼んだ。老人たちが訪ねてきてスヨンの再婚に関して話をしていったが、スヨンは家族に、「心にとめている人がいる」と、暗に交際相手の存在を告白した。チナはある日虫垂炎で倒れて入院するが、その際にヨンインの手はずで受けた健康診断でターナー症候群の当事者であることが発覚。長男で子どもをもうける必要がある立場のスヨンに対してヨンインは暗に結婚をあきらめるように言うが、スヨンは「ふたりだけの秘密に」と言い、チナが事実を知って傷つかぬよう、自分に不妊の原因がある事にして結婚の許可をマンギに願い出る。 紆余曲折の果てに、スヨンとチナ、テヨンとマルスンは無事結婚。その頃カンソクは、没落したミョンソン財閥の跡取りキム・ソンテに事務所に乗り込まれて、財閥とキム家の没落への謝罪を要求されるが拒否。ソンテは報復に、タナとデート中だったカンソクをひき逃げする。重傷を負ったカンソクは、その後奇跡的に回復。ソンテは、今度はアルバイト帰りのヘジュを誘拐。しかしソンテに車の中に拉致されていた時、彼女が助けを求めていたのを偶然見かけたヒョギュンがアジトまで乗り込み、自らも一時囚われながらも彼女を救出した。ソンテの悪事はまだ続き、今度はハ家の前でカンソクをかばったタナがナイフで刺されて病院に運ばれる。結婚の時期を延期しようかと話すカンソクにタナは怒り、予定通りに結婚をすると言った。タナの意見を入れる形で、回復後、ふたりの結婚式が行われた。 式の後、長年ハ家で家政婦をしてきた老女ユン・サムウォルに認知症の症状が現れるようになった。そしてサムウォルはマンギの妹のチュジョンに、彼女が捨て子で、ハ家に引き取られてマンギの妹として育てられた事を話してしまった。自分がハ家に迷惑をかける事になると悲しむサムウォルをタナは慰めた。カンソクとチョンガブは、サムウォルの新たな住まいとなったシルバータウンを経済的に支援する事を決めた。 自分の出生の秘密を知って落ち込んでいたチュジョンは、宗家の取材で大変な事実を知る - マンギがハ家の正当な血筋を引いていない、という事を。マンギは家族に語った…父親が日韓併合時代に徴用で生殖能力を失った事。徴用中に母親が何者かに強姦されて生まれてきたのがマンギであったという事。宗家の名誉を穢した責任を取り、マンギ出産後に母親が自殺した事。父親が自殺した妻を宗婦 (宗家の家長の妻) として、そしてマンギを自らの息子として受け入れてくれた事。そしてその父親の存在と彼が残した言葉が、己の血に対する恨みや憎しみから彼を解放し、落ちぶれた家門を立て直すという夢に邁進させてくれた事。 1年後。ヨンインとマルスンとタナに子どもが誕生し、スヨンとチナは養子を迎えていた。ヒョンギュは兵役に行っており、除隊後、ヘジュと結婚する事になっている。 キャストハ家
イ家
その他
韓国国外での放送日本スカパー!系専門チャンネルであるKNTVにて2009年8月25日から11月10日まで放送された後、CS局の衛星劇場にて同年11月18日から放送された。 放送自粛2010年12月3日、テヨン役で出演していたキム・ソンミンが覚醒剤の常習使用容疑で警察に逮捕されたと報道された[3]。これにともない、同年12月13日より放送をスタートさせる予定であったBS朝日は放送中止を決定、代わりに『憎くてももう一度』を放送すると発表した[4]。また同番組を放送中であったテレビ大阪でも、未放送分を残したまま、放送の休止が発表され[5]、別の番組への差替えが行われた。 シンガポール国内の中国語民放局であるメディアコープ系のチャンネル、メディアコープ・チャンネルU (MediaCorp Channel U) にて2009年10月11日から翌2010年3月27日まで、午後7時30分から土曜日および日曜日に放送された。 台湾スターの台湾向け放送局STARチャイニーズ・チャンネル (衛視中文台) にて、2009年11月23日から翌2010年3月16日まで放送された。 脚注
外部リンク
|