天牛堺書店
株式会社天牛堺書店(てんぎゅうさかいしょてん、英文表記:Tengyu Sakai Shoten Co.,Ltd.)とは、かつて大阪府堺市南区に本社を置いていた書籍販売会社である。 1907年(明治40年)創業の「天牛書店」とは異なる。 概要大阪市の老舗古書店「天牛書店」に勤めていた藤吉信夫(2011年死去)がのれん分けで独立し、1963年(昭和38年)12月1日に大阪府堺市の国鉄阪和線津久野駅前に開店した書店(のち津久野店、2018年閉店)を発祥とする。1968年7月16日、『株式会社天牛堺書店』の商号で法人化し、大阪府内に店舗を展開した。 幅広い書籍や雑誌の品揃えに力を入れるとともに、天牛書店時代の経験を生かして古書販売も手がけていたのが特徴で、既に絶版になった出版物を求める客からの需要にも応えられるよう努め、大手との差別化を図った。 堺市、大阪市、高石市のほか、和泉市、泉佐野市、河内長野市にも出店[2]し、ピーク時には25店舗を数えた。このほか学習塾2教室を運営。全国書店ネットワーク『e-hon』(いい本)にも加盟していた。2018年に放送されたTVアニメ『だがしかし』には、当書店がモデルになった書店が登場している。 経営の低迷と倒産2000年代以降、インターネットの普及や活字離れ、出版不況の影響で業績が落ち込み、CD、DVD、文具などの取り扱いも開始するなどして打開を図ったが[2]、1998年に堺市南区に移転新築した本社不動産への投資が経営の重荷となっていた。 2016年には最大の書籍仕入先であったトーハンへの支払いに支障をきたすようになった。末期の黒字店舗は天下茶屋店(大阪市西成区)および粉浜店(大阪市住吉区)の2店だけとなっており、不採算店を次々と閉鎖した。二代目社長の藤吉信彦は2018年5月、トーハンから役員を受け入れ、同年9月から元金返済を停止して関係金融機関と私的整理による自主再建に向けた交渉を行ったが、2012年から2017年にかけて経営陣が行っていた複数の不明朗な決算処理に対して金融機関側が強い不信感を示し、合意に至らなかった[2][3]。 2019年1月17日、一部の金融機関が預金を差し押えたことから事業継続が困難となり[2]、同年1月28日、大阪地方裁判所堺支部へ自己破産を申請し、経営破綻した[4][5]。各店舗の営業は破綻前日の1月27日まで通常通り行われていた。 天下茶屋店では経営破綻直後、店舗シャッターに常連客などがさまざまな思いを込めたメッセージや店への感謝をつづった紙を次々に貼り、話題となった[6]。同様のメッセージを貼る客の動きは他店舗でも見られた。 本社不動産は破産管財人によって売却処分された後に建物自体も解体され、跡地には2022年4月28日にスギドラック泉田中店が開業した[7]。天牛堺書店は2020年12月25日に法人格が消滅した[8]。 沿革
店舗経営破綻時の店舗
経営破綻以前の閉鎖店舗
2011年閉店
2013年閉店
2014年閉店
2015年閉店
2016年閉店
2018年閉店
関連項目脚注
外部リンク |