大久保孝治
大久保 孝治(おおくぼ たかじ、1954年(昭和29年)4月11日- )は、日本の社会学者。早稲田大学文化構想学部教授[1]。専門は、ライフストーリー研究・清水幾太郎研究。ライフコース論、日常生活論、社交論の研究家[2]。 来歴東京都大田区蒲田出身。東京都立小山台高等学校卒業。早稲田大学第一文学部人文専修卒業。早稲田大学大学院文学研究科修士・博士課程(社会学専攻)を経て、早稲田大学助手、放送大学助教授、早稲田大学助教授から、早稲田大学文化構想学部教授。 以下の大学の非常勤講師を歴任。東洋大学、文教大学、流通経済大学、武蔵大学、聖心女子大学、慶応義塾大学、お茶の水女子大学[2]。 研究専門はライフストーリー研究・清水幾太郎研究。現代社会では、個人のあり方が多元化し、個人と個人の関係は部分的なものになっている。この状況は個人と集団との関係の希薄化やパーソナル・メディアの普及などの進展によって、個人に自由と不安をもたらし、社会に流動性と不均衡をもたらすものである。大久保はこのような個人と社会の「明と暗」の両方に目を向けながら、この時代を生き抜いていくための方法論について考えている。現代人の日常生活の場面をフィールドにして、そこで繰り広げられる人々の相互作用(コミュニケーション)のあり方を観察し、社会学的な概念や理論によって説明している。 大久保はとくに近代社会の変動に伴う「人生の物語(生き方についての社会規範)」の変容に関心を持っている。清水幾太郎研究では、彼は清水幾太郎の戦略的な概念としての庶民の「匿名の思想」に注目する。清水は西洋市民社会で理想化された「個人」に寄ってたつ進歩的文化人を批判するが、その基礎に、「庶民」というものの日常生活思想を置いていたとする[3]。 大久保はこのような庶民の活動としての「社交」にも注目している。主要な著作に、『ライフストーリー分析』『日常生活の社会学』(共に学文社)、『変容する人生』(コロナ社)、『きみたちの今いる場所』(数研出版)、『生活学入門』『ライフコース論』(放送大学教育振興会)などがある。 主な著書
主な論文
脚注外部リンク |
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