国鉄DF91形ディーゼル機関車
DF91形は、かつて日本国有鉄道(国鉄)が試用した電気式ディーゼル機関車である。本形式は、同一形式・同一番号で2種類各1両が存在した。国鉄内部の正式な呼称ではないが、ここでは便宜的に「初代」「二代目」と区別し、本稿では、「初代」の車両について解説する。 製造の背景国鉄がディーゼル機関車の開発を模索していたころ、国内の車両メーカーは国鉄および海外への売り込みをはかるべく、独自の機関車を設計・試作した。これらの機関車は、合計9形式が国鉄に借り入れられ、40番台・90番台の形式を与えられて試用され、一部の形式は国鉄が正式に購入した。 本機はその中にあって、国内メーカー各社が技術アピールと共に国鉄への導入をも目論んでいた他の試作ディーゼル機関車とは異なり、元々輸出用として製作されたものの1両を、輸出に先立って国鉄線上を借りる形でトライアル走行したものである(線路を貸す国鉄にも、新しいディーゼル機関車を試用できるというメリットがあった)。従って、試用期間も1ヶ月と非常に短かった。 その後、本機は同型機11両とともに台湾鉄路管理局に納入され、R0型ディーゼル機関車として使用された[1]。1996年までに全車が廃車となったが、R6号機が苗栗の苗栗鉄道文物展示館に保存されている。 構造エンジンは日立製作所がドイツのMAN社のエンジンをライセンス製作した12気筒のV6V22/30形1420馬力機関である。動力伝達方式は電気式を採用した。 車体は長大なセミセンターキャブで、ボンネットの高さは運転室と同じという、アメリカンスタイルをしている。軸配置はC-C。国鉄試用時の車体塗色は濃い青、試用途中でスカート部にゼブラ模様の警戒色が追加された。形式表記は白のペンキ書きであった。 製造運用1959年(昭和34年)8月の1か月間のみ国鉄が借り入れ、水戸機関区に配置。常磐線の旅客列車牽引などに試用された。 台灣鐵路管理局R0型との差異台湾納入時には、塗色の変更のほか、前照灯が1灯から2灯に変更され、重連用ジャンパ栓受もデッキ部に移設された。 参考文献
脚注
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