国立天文台ハワイ観測所国立天文台ハワイ観測所 (こくりつてんもんだいハワイかんそくじょ、NAOJ Hawaii Observatory) は、日本の国立天文台が初めて海外に設置した大学研究利用共同施設である。アメリカ合衆国ハワイ州ハワイ島ヒロに設置した事務所を本拠地に、マウナケア山頂に設置された観測機械「大型光学赤外線望遠鏡」(すばる望遠鏡)を使い天体観測を行っている。 公開種別本研究施設は、国立天文台の研究施設であるが、ハワイ州立ハワイ大学との共同研究施設であるため、以下は日本国内向けの公開情報である。
歴史
施設の概要マウナケア山頂施設すばる望遠鏡ドーム施設
観測制御棟
ヒロ研究室
ハワイ観測所概要すばる望遠鏡等の観測装置のモニターや制御等は、マウナケア山頂にて行う。ヒロ研究室では、大型計算機室や図書室、研究解析業務を行う事務棟を設けている。現在、80名以上のスタッフが常駐し、天文科学の観測研究に携わっている。また、標高4000m以上の高地での長期作業には、高山病等の危険が伴うため、望遠鏡から離れて出来る作業は全て山麓施設にて実施している。 なお、「すばる望遠鏡」(ヒロ研究施設を含む)は、国立天文台が運営する天体観測施設の1つであり、台内における光赤外観測研究に関する研究部と密接な関係がある。また、観測装置開発に関しては台内の先端技術開発センターにおいて開発が実施されている。 最近の活動としては、ハワイ州ハワイ島のイミロア天文学センターに4D2U(4次元デジタルシアター)を設置し、地元ハワイ大学やハワイ州との間で研究者の受け入れを始めとして協力関係を更に強化している。 すばる望遠鏡への道のりヒロ研究室からマウナケア山頂までは、国道200号線という幹線道路が通っている。この行程間の距離は、直線距離にして、約20キロメートル。標高差は、4200メートル近くにもなる。見学にも記載したように、高山病の危険があるため、マウナケア山頂に設けられた観測所へ向かう観測者は、途中ハワイ大学が設けたビジターセンターで休憩して、体を高地に慣らすことになっている。このビジターセンターからは、専用のRVで向かう。もしくは、自由見学の場合には、ヒロ市内などのレンタカー会社に、マウナケア山頂へ向かう旨を告げて、RVを借りて向かうことになる。 すばる望遠鏡での観測すばる望遠鏡を収めているドームは、マウナケア山頂に設置されることを目的として、風洞シミュレーションなどを経て設計が行われたエンクロージャー型のドーム施設である。観測所では、観測グループで観測装置を観測焦点に設置する作業がある。観測装置の微調整を行い、その上で観測計画によって承認を受けた焦点へ観測装置を取り付ける。コンピュータを起動すると、最適制御によって、人工星によって、精密な焦点調整などを行い、観測を開始する。そして、観測装置から得られたデータは、ヒロ研究室にあるコンピュータの記憶装置へと送られ、観測者はそこでデータ解析を行う。 業務解説観測所
一般見学マウナケア山頂にある望遠鏡及び観測施設は、高地(4169メートル)地点にあるため、高山病等の危険が伴う。そのため、見学入場者を16歳以上と限定している。また、観測計画等との間において支障が生じないようにするため(非常に精密な機器群を取り扱う)、予約見学制となっている[2]。 本観測所の主観測装置である「すばる望遠鏡」は、光学反射式天体望遠鏡のため、数年に一度主鏡や副鏡の表面に蒸着を行う必要があるため、その期間は見学できない場合がある。 ヒロ研究室ではデジタル・シアターや一般公開展示を実施していたが、2006年春からはハワイ州政府が運営するイロミア天文学センター(天文博物館)へデジタル・シアターを移設し公開展示を行う[3]。 関連項目施設研究分野外部リンク脚注 |
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