品川CC横浜(しながわシーシーよこはま、Shinagawa CC Yokohama)は、東京都品川区と港区港南(事実上は神奈川県横浜市)をホームタウンとするサッカークラブ[2]。
概要
2006年に、サッカー団体infinity(2001年設立)が総合型スポーツ・文化団体として品川カルチャークラブを設立、そのサッカークラブ部門として同時に設立されたのがクラブ・アトレティコ・横浜で、2011年に現在の名称に改められた[3]。ホームタウンは東京都にある為、本来であれば東京都社会人サッカーリーグに参戦するはずだが、当初より神奈川県リーグに参戦している。これは、当時の東京都リーグが大学生の登録を認めていなかった関係から、当時大学生だった選手兼代表が選手として活動できる場を近隣の神奈川県社会人サッカーリーグに求めたためである[4]。一方で、練習は品川区内の中学校のグラウンドや大田区の多摩川田園調布南・鵜の木緑地球技場で行われていた他、品川区サッカー協会に加盟し、同協会主催のリーグや品川区民スポーツ大会にも「品川CC」の名で参加していた[5][6]。
また港区には、3x3.EXE PREMIERに参戦している3x3(3人制バスケットボール)のプロチーム「品川CC WILDCATS」や港南の未就学児と小学生を対象にした少年サッカースクール「港南FC」、チアダンスチーム「GRANITA」、品川CCオフィシャルチアリーダーズ「品川CC Rainbow Venus」を発足させており、スポーツ教室やチャリティイベントといった地域貢献活動も同地域にて行っている[3]。
歴史
2001年7月にサッカー団体infinityが設立。2006年、infinityが品川区と港区港南を本拠地に日本のスポーツ・文化の育成と発展を目的に総合型スポーツ・文化団体品川カルチャークラブと、そのサッカークラブ部門クラブ・アトレティコ・横浜を設立、神奈川県社会人サッカーリーグ3部に参入した[3]。
2009年に3部Cブロックを制し、神奈川県リーグ参入後初優勝を飾るも、2部昇格トーナメントを兼ねた神奈川県社会人サッカー選手権大会1次トーナメントの1回戦で海上自衛隊厚木基地なかよしFCに敗れ3部残留となった[7]。翌年も3部Cブロックで優勝し2連覇を達成、神奈川県社会人サッカー選手権大会1次トーナメントの決勝(昇格決定戦)でみなとみらいFCにPK戦の末敗れ、2部総合22位横須賀高校OBクラブとの入替戦に回ったものの、これを制して2部昇格が決定した[8][9][3]。
2011年、この年よりクラブ・アトレティコ・横浜から品川CC横浜へ改称して臨んだ2部では、A・B両ブロック通じて、昇格組で唯一5勝を挙げてBブロック6位・総合10位[注釈 1]となる。その後、年々と順位を上げていき、2015年にAブロックを制して1部昇格を決めた[3]。また、Bブロック1位のFIFTY CLUBとの総合優勝決定戦でもPK戦の末勝利し、2部総合優勝も果たした[11]。
2016年、3連勝でスタートするも、その後は2連敗を2度喫するなど調子を落とし、最終的に6勝5敗の6位でシーズンを終えた。またこの年より、横浜市金沢区をホームタウンとしていた金沢FC(2015年から神奈川県リーグに参入)をセカンドチームとして編入、3部Eブロック及び神奈川県社会人サッカー選手権大会1次トーナメントを制し、2017年からの2部昇格が決定した[12][3]。
2017年は、得点が前年から23から43に増加したものの失点も21から40に増加、8勝2分8敗の5位に終わった。金沢FC改め品川CC金沢となったセカンドチームは、2部Bブロックを9位で終えた。
2018年は、開幕2試合を1分1敗でスタートするものの、その後はシーズン終了まで1敗も喫することなく、13勝4分1敗の成績で1部初優勝。この結果により関東社会人サッカー大会に初めて進出を果たしたが、この大会優勝のCriacao Shinjukuに準決勝で敗れ、関東サッカーリーグ2部昇格とはならなかった[13]。品川CCセカンドへ改称したセカンドチームは、2部Bブロックを4位で終えた[3]。
2019年は、4勝1分のスタートを切るも、下位クラブとの対戦での取りこぼしや優勝したFIFTY CLUBと1勝1敗となったことが響き、12勝2分4敗の2位に終わる。関東社会人サッカー大会でも、2回戦でエリース東京FCにPK戦の末敗れ関東リーグ2部昇格は叶わなかった[14]。セカンドチームは、2部Aブロックを5位で終えた。また、この年の4月より品川カルチャークラブが法人化され、「株式会社品川カルチャークラブ」となった。
2020年、リーグはコロナウイルス感染拡大の影響により1回戦総当たりに変更、更に海上自衛隊厚木基地マーカスが出場を辞退したため9クラブでの開催となった[15]。首位で4位日本工学院F・マリノスとの対戦を迎えたが、終盤に逆転負けを喫しシーズン終了。11月に行われるシーズン最後の試合で、日本工学院F・マリノスが引き分け以下であれば品川CC横浜の優勝となったが、日本工学院F・マリノスはこれに勝利し逆転優勝、品川CC横浜は5勝1分2敗の2位でシーズンを終えた。関東社会人サッカー大会では、この大会優勝の南葛SCに1回戦で敗れ、関東リーグ2部昇格とはならなかった[16]。セカンドチームは、2部Aブロックを4位で終えた。
2021年は、開幕8連勝でシーズンをスタート、FIFTY CLUBには敗れたものの、10勝1敗で3年ぶりの優勝を果たした。しかし関東社会人サッカー大会では、1回戦で境トリニタスにPK戦の末敗れ関東リーグ2部昇格は叶わなかった。また、神奈川県予選・関東予選を勝ち上がり、第57回全国社会人サッカー選手権大会出場権を獲得した[17][18] が、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、大会は開催中止となった[19]。セカンドチームは2部Cブロックで優勝、1部昇格プレーオフでも2位となり、トップチームが所属する1部への昇格が決定した。
戦績
トップチーム
クラブ・アトレティコ・横浜
年度 |
所属 |
順位 |
勝点 |
試合 |
勝 |
分 |
敗 |
得点 |
失点 |
差
|
2006 |
神奈川県3部Eブロック |
3位 |
13 |
8 |
4 |
1 |
3 |
28 |
16 |
12
|
2007 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
2008 |
3位 |
13 |
7 |
4 |
1 |
2 |
17 |
6 |
11
|
2009 |
神奈川県3部Cブロック |
優勝 |
20[注釈 2] |
8 |
7 |
0 |
1 |
24 |
9 |
15
|
2010 |
優勝 |
19 |
8 |
6 |
1 |
1 |
28 |
9 |
19
|
品川CC横浜
年度 |
所属 |
順位 |
勝点 |
試合 |
勝 |
分 |
敗 |
得点 |
失点 |
差
|
2011 |
神奈川県2部Bブロック |
6位 |
16 |
11 |
5 |
1 |
5 |
17 |
21 |
-4
|
2012 |
神奈川県2部Aブロック |
4位 |
17 |
11 |
5 |
2 |
4 |
29 |
26 |
3
|
2013 |
神奈川県2部Bブロック |
3位 |
21 |
10 |
7 |
0 |
3 |
31 |
15 |
16
|
2014 |
2位 |
26 |
11 |
8 |
2 |
1 |
34 |
10 |
24
|
2015 |
神奈川県2部Aブロック |
優勝 |
28 |
11 |
9 |
1 |
1 |
36 |
10 |
26
|
2016 |
神奈川県1部 |
6位 |
18 |
11 |
6 |
0 |
5 |
23 |
21 |
2
|
2017 |
5位 |
26 |
18 |
8 |
2 |
8 |
43 |
40 |
3
|
2018 |
優勝 |
43 |
18 |
13 |
4 |
1 |
40 |
19 |
21
|
2019 |
2位 |
38 |
18 |
12 |
2 |
4 |
48 |
17 |
31
|
2020 |
2位 |
16 |
8[注釈 3] |
5 |
1 |
2 |
14 |
7 |
7
|
2021 |
優勝 |
30 |
11[注釈 4] |
10 |
0 |
1 |
28 |
6 |
22
|
2022 |
4位 |
27 |
13 |
8 |
3 |
2 |
34 |
9 |
25
|
2023
|
7位
|
29
|
16[注釈 5]
|
9
|
2
|
5
|
31
|
19
|
12
|
セカンドチーム
金沢FC
年度 |
所属 |
順位 |
勝点 |
試合 |
勝 |
分 |
敗 |
得点 |
失点 |
差
|
2015 |
神奈川県3部Eブロック |
優勝 |
19 |
8 |
6 |
1 |
1 |
37 |
9 |
28
|
金沢FC/品川CC金沢/品川CCセカンド
年度 |
所属 |
順位 |
勝点 |
試合 |
勝 |
分 |
敗 |
得点 |
失点 |
差
|
2016 |
神奈川県3部Eブロック |
優勝 |
23 |
9 |
7 |
2 |
0 |
47 |
10 |
37
|
2017 |
神奈川県2部Bブロック |
9位 |
10 |
10 |
3 |
1 |
7 |
20 |
36 |
-16
|
2018 |
4位 |
25 |
13 |
8 |
1 |
4 |
27 |
24 |
3
|
2019 |
神奈川県2部Aブロック |
5位 |
27 |
13 |
9 |
0 |
4 |
32 |
16 |
16
|
2020 |
4位 |
10 |
6[注釈 6] |
3 |
1 |
2 |
8 |
7 |
1
|
2021 |
神奈川県2部Cブロック |
優勝 |
24 |
9[注釈 7] |
8 |
0 |
1 |
26 |
11 |
15
|
2022 |
神奈川県1部 |
13位 |
8 |
13 |
2 |
2 |
9 |
5 |
24 |
-19
|
2023
|
神奈川県2部Aブロック
|
2位
|
32
|
15
|
10
|
2
|
3
|
41
|
14
|
27
|
タイトル
リーグ戦
- トップチーム
- セカンドチーム
カップ戦
所属選手・スタッフ
- 2024年
スタッフ
役職 |
氏名 |
前職 |
備考
|
トップチーム監督 |
槙野智章 |
ヴィッセル神戸選手 |
|
ヘッドコーチ |
飯島一雄 |
鹿島アントラーズノルテジュニアユースコーチ |
新任
|
コーチ |
藤井翔 |
C.F.BARRO コーチ |
|
セカンドチーム監督 |
小川雄生 |
FC Caramba Dinamo Riga-Riga FC選手 |
新任
|
セカンドチームコーチ |
西田智則 |
横浜Fマリノス スクールコーチ |
|
選手
歴代所属選手
ユニフォーム
ユニフォームの色
カラー
|
シャツ
|
パンツ
|
ストッキング
|
FP(1st)
|
紺青
|
紺青
|
紺青
|
FP(2nd)
|
白
|
白
|
白
|
GK(1st)
|
赤
|
赤
|
赤
|
GK(2nd)
|
緑
|
緑
|
緑
|
|
|
|
クラブカラー
ユニフォームスポンサー
ユニフォームサプライヤーの遍歴
歴代ユニフォームスポンサー表記
脚注
- ^ a b c d e f g h “品川CCリブランディングのお知らせ”. 品川CC. 2021年12月19日閲覧。
- ^ “CLUB CONCEPT”. 品川CC. 2021年12月13日閲覧。
- ^ a b c d e f g “CLUB”. 品川CC. 2021年12月13日閲覧。
- ^ “2018神奈川県社会人サッカーリーグ1部チーム紹介(2)”. From Mitsuzawa Northeast (2018年2月19日). 2022年2月16日閲覧。
- ^ “品川カルチャークラブ”. LaBOLA. 2022年2月16日閲覧。
- ^ “社会人部”. 品川区サッカー協会. 2022年2月16日閲覧。
- ^ “第29回神奈川県社会人サッカー選手権大会 (兼2部昇格トーナメント兼全国社会人サッカー選手権大会関東予選県代表決定戦兼神奈川県サッカー選手権大会社会人代表決定戦) 1次トーナメント”. (一社)神奈川県サッカー協会第1種社会人部会. 2022年2月16日閲覧。
- ^ “第30回神奈川県社会人サッカー選手権大会 (兼2部昇格トーナメント兼全国社会人サッカー選手権大会関東予選県代表決定戦兼神奈川県サッカー選手権大会社会人代表決定戦) 1次トーナメント”. (一社)神奈川県サッカー協会第1種社会人部会. 2022年2月16日閲覧。
- ^ “神奈川県社会人サッカーリーグ入替戦”. (一社)神奈川県サッカー協会第1種社会人部会. 2022年2月16日閲覧。
- ^ “2011年/KSL2 最終順位”. (一社)神奈川県サッカー協会第1種社会人部会. 2022年2月16日閲覧。
- ^ “2015年/KSL2 11月試合日程”. (一社)神奈川県サッカー協会第1種社会人部会. 2022年2月16日閲覧。
- ^ “第36回神奈川県社会人サッカー選手権大会 (兼2部昇格トーナメント兼全国社会人サッカー選手権大会関東予選県代表決定戦兼神奈川県サッカー選手権大会社会人代表決定戦) 1次トーナメント”. (一社)神奈川県サッカー協会第1種社会人部会. 2022年2月16日閲覧。
- ^ “第52回(2018年)関東社会人サッカー大会組合せ”. (一社)神奈川県サッカー協会第1種社会人部会. 2022年2月16日閲覧。
- ^ “第53回(2019年)関東社会人サッカー大会組合せ”. (一社)神奈川県サッカー協会第1種社会人部会. 2022年2月16日閲覧。
- ^ a b “2020 神奈川県社会人サッカーリーグ 1部”. (一社)神奈川県サッカー協会第1種社会人部会. 2022年2月16日閲覧。
- ^ “第54回(2020年)関東社会人サッカー大会組合せ”. (一社)神奈川県サッカー協会第1種社会人部会. 2022年2月16日閲覧。
- ^ “第40回(2020年度)神奈川県社会人サッカー選手権大会組合せ (全国社会人大会県代表決定戦 兼 神奈川県サッカー選手権大会社会人代表決定戦)”. (一社)神奈川県サッカー協会第1種社会人部会. 2022年2月16日閲覧。
- ^ “第57回(2021年度)全国社会人サッカー選手権大会 関東予選 組合せ”. (一社)神奈川県サッカー協会第1種社会人部会. 2022年2月16日閲覧。
- ^ 『2021年度 第57回全国社会人サッカー選手権大会(いちご一会とちぎ国体サッカー競技リハーサル大会)中止決定のお知らせ』(プレスリリース)日本サッカー協会、2021年9月11日。https://www.jfa.jp/news/00027886/。2021年9月11日閲覧。
- ^ “2020年度神奈川県第1種社会人部会 各事業の再開スケジュールについて”. (一社)神奈川県サッカー協会第1種社会人部会. 2020年12月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年2月16日閲覧。
- ^ 総合順位決定戦が行われる1位 - 4位・19位 - 24位(下位の総合順位決定戦は年度によって変動する)を除き、勝点の多い順に総合順位が決定されていた(総合順位決定戦を残して2011年を以て廃止)。しかし神奈川県リーグの公式サイトでは、理由は不明だが、Bブロックで勝点16を稼いだ品川CC横浜は総合11位で、Aブロックで勝点15を稼いだFC厚木が総合10位となっている[10]。
- ^ 不戦敗により勝ち点-1
- ^ 当初は10クラブによる2回戦総当たりで開催される予定だったが、コロナウイルス感染拡大の影響により1回戦総当たりに変更、更に海上自衛隊厚木基地マーカスが出場を辞退したため9クラブでの開催となった[15]。
- ^ 1部から2部への降格はなかったため、2部からの昇格2クラブを加えた全12クラブが参加、コロナウイルス感染拡大の影響により1回戦総当たりで開催された。
- ^ 前期は12チーム1回戦総当たり。後期は6チームずつ上位・下位に分かれ1回戦総当たり。
- ^ 当初は28クラブをAとBの2ブロック(各ブロック14クラブ)に分けて開催される予定だったが、コロナウイルス感染拡大の影響により、A - Dの4ブロック(各ブロック7クラブ)に再編成された上で開催された[20]。
- ^ 2部から3部への降格はなかったため、3部からの昇格2クラブを加えた全30クラブが参加、10クラブずつA - Cの3ブロックに分けて開催された。
外部リンク