北海道小樽潮陵高等学校
北海道小樽潮陵高等学校(ほっかいどうおたるちょうりょうこうとうがっこう、Hokkaidō Otaru Chōryō Kōtō Gakkō)は、北海道小樽市にある公立(道立)の高等学校である。 沿革
概要・特色函館中(現北海道函館中部高等学校)、札幌一中(現北海道札幌南高等学校)に次いで道内三番目に設立された旧制小樽中を前身とする、古い歴史をもつ公立高等学校である。自由な校風が特徴とされる。北海道内では「潮陵(ちょうりょう)」の名で知られている。 校歌OBである作家・評論家、伊藤整の自伝的小説「若い詩人の肖像」によれば、開校20周年の記念祭の前に、当時の校長が新進小説家として知られていた卒業生の岡田三郎に作詞を依頼し、卒業直前にできた校歌を体操の教師の弾くオルガンで練習したとの記述がある。ヘ長調のゆったりとした曲調。歌詞の一節「鳳(ほう)高校の高き誉れ」は、日本有数の港として栄えた小樽港の埠頭の形を模した表現であり、鳳凰、「鳳(おおとり)」は潮陵の象徴的存在である。また、三番の歌詞は潮陵生の進路を航海に例え、暴風や波涛を超えて対岸のシベリアに向かうという表現がある。近年、記念館の手前に歌碑が建立された(写真)。 ※歌詞全文は公式サイトを参照 暁鐘校歌にも登場する屋上の鐘。以前のこげ茶色から塗り替えられ、現在は明るい茶色となっている。毎日午前8時5分と午後5時25分頃に校歌のメロディを奏でる。PTA広報誌の名称も「暁鐘」である。 学区学区内の人口が減少傾向にあることから近年募集間口が減らされており、2014年度からは一学年6クラス(240名)となっている。そして2023年度からは一学年5クラス(200名)となっている。 北海道では一つの学区が非常に広くなっており、学区内最大の高等学校である潮陵には後志管内全域にわたる広範な学区から生徒が集まるが、現状では9割近くが小樽市と余市町出身の生徒で占められている。市内の生徒の多くは市内バスで通学する。最寄りのバス停は、北海道中央バス「龍徳寺前」。 入学試験は道立高等学校の統一入試を利用している(後志学区唯一の学校裁量問題導入校)。 授業50分を1時間として6時間授業を週に3日、7時間授業を2日行っている。2年次から文系・理系・医進類型の3つに分かれたカリキュラムが組まれている。2006年に全国的に発覚した高等学校の特定科目未履修問題に際しては、潮陵高校も情報、理科総合の授業数が足りなかったことや、現代社会を政治経済の教科書に切り替えて授業をしていたことなどが明らかとなった。 「文武両道」を重要な校訓のひとつとする潮陵では体育も重視されている。週3時間のうち1時間は、男子では柔道、女子ではテニス(夏のみ)に充てられている。男女とも、1年次にオリジナル体操「潮陵体操」が取り上げられる。2年次は行わず、3年次に潮陵体操の創作を行う。不満の声もたまに上がるが、潮陵の伝統だからとの理由で大半が諦めている。 服装1972年11月10日、制服制度を廃止し、従来の制服は標準服とされたが、現在その標準服は消滅している。制服廃止の前後には、服装自由化を求める生徒による「制帽焼き打ち事件」があり有名なエピソードとしてかつて生徒会誌でも取り上げられた。 指定の「潮陵ジャージ」は学年ごとに赤(小豆色)・青・緑の三色が繰り返されている。上靴のラインの色もジャージの色に併せて三年で一巡する。特徴としては、チャックが身頃の半分までしかない、白の一本ラインやズボンにポケットが一個だけある、などが挙げられる。 生徒会立候補と投票によって三役が決められる。各種専門委員長は各クラスの評議委員の承認を得て決定する。全校生徒には後日、掲示によって知らされるため、各種専門委員長の決定を知らない生徒も。選挙活動があまりに静かであり、役員の人数も流動的であるため、選挙はやや形骸化したものになっている。生徒会誌「鳳(おおとり)」が年1回発行され、クラス紹介、クラブ紹介などが掲載される。 なお、116期生で構成された第の生徒会はNHKに取材を受け、テレビ出演もしている。 部活動2013年9月現在、22の運動部・10の文化部・4の外局・7の同好会(・チアリーディング特別委員会)が活動しており、加入率は毎年9割を超える。 全国的な強豪である放送局は、1996年と2006年にNHK杯全国高校放送コンテストの創作テレビドラマ部門(番組名「熱血超人カイザーマン」)とテレビドキュメント部門(同「なまら重くね!?」)でそれぞれ全国優勝を果たし[1]、2007年と2013年には同大会テレビドキュメント部門(番組名「だって好きなんだもん!!」)と創作テレビドラマ部門(同「セーブマイセルフ」)での全国優良賞という結果をのこした。 また、吹奏楽局、音楽部は、毎年秋に地元の小樽市民会館、小樽市民センター(マリンホール)などを会場に定期演奏会を開催し、市民に親しまれている。 陸上も非常に強豪であり、毎年数人のインターハイ出場者を出す。 ボート部は旧制小樽中時代からの古豪として知られ(かつては『端艇部』とよばれた)、ラグビー部も7人制全国大会出場歴がある。 硬式野球部は、2014年に地区大会で前年度甲子園出場校の北照を7回コールドで下し、創部111年目を迎えた同年の南北海道大会で(夏の選手権大会では初の)準優勝を経験している(決勝は東海大四に0-1で惜敗)[2][3]。
記念館校舎に隣接して高校の様々な資料を展示する記念館が設けられている。茶色のレンガと八角形の平面が印象的な建物で、演劇部の稽古場として使われるほか、軽音楽部やクラシックのミニコンサートが催される。 購買・食堂校内の購買では、地元のパン屋の商品や飲み物、文房具などを買うことができる。食堂は定時制専用。また、昼休みには近所の商店などへ行くことが認められている。 行事3年生の受験準備を考慮し、8月の終わりまでに行事が集中している。 潮陵祭7月の第3週の週末あたりに開催される最大の行事。期間は3日間で、準備期間も含めて期間中はそれぞれのクラスがまとまり、学校全体が活気に満ちあふれる。期間中はクラスTシャツや潮陵祭オリジナルTシャツを着ている生徒が多く見られる。
球技大会年度内に2度あり、夏季は7月初めに、冬季は3年生が卒業した後の3月に行われる。 体育祭8月末、二学期が始まってすぐにある実力テスト期間の直後に行われる。 見学旅行10月の始めに行われ、2年生で関西へ行く。3泊4日と周辺の公立高校より一泊短い。 卒業生組織卒業生の組織として、潮陵倶楽部、東京潮陵樽中会がある。潮陵倶楽部から機関誌『潮陵』が発行されており、小樽市内の書店でも店頭で入手できる。 著名な出身者学者
政治家
官僚医学・医療
経済人
文化/芸能
放送
スポーツ野球陸上
スキージャンプ
※周りを山に囲まれた旧制小樽中は、大正期から昭和初期にかけて黎明期の日本ジャンプ界を牽引する存在であった。OBらの尽力で、ジャンプ台や合宿所を整備、1934年にはナイター設備を完成させている。 脚注
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