北川 透(きたがわ とおる、1935年8月9日 - )は、日本の詩人・文芸評論家。本名は磯貝 満(いそがい みつる)。愛知県碧南市出身。
梅光学院大学特任教授。中原中也賞選考委員。現代詩から北村透谷、萩原朔太郎、中原中也論など著書多数。
経歴
1935年(昭和10年)に愛知県碧南市に生まれる。1958年(昭和33年)に愛知学芸大学(現・愛知教育大学)学芸学部国語科を卒業。高校教諭を経て、1962年(昭和37年)に詩誌「あんかるわ」を創刊し、詩と批評を掲載する。1990年(平成2年)に同誌を廃刊させ、1991年(平成3年)には山口県下関市に移住して梅光女学院大学教授となった。
受賞
- 2001年(平成13年) - 『詩論の現在 全3巻』で第3回小野十三郎賞特別賞
- 2008年(平成20年) - 『溶ける、目覚まし時計』で第38回高見順賞
- 2009年(平成21年) - 『中原中也論集成』で第46回藤村記念歴程賞
- 2016年(平成28年) - 中日文化賞
- 2023年(令和5年) - 『現代詩論集成』で日本芸術院賞・恩賜賞[1]
作品
- 『北川透詩集』(現代詩文庫)思潮社、1972
- 『反河のはじまり 詩集』思潮社、1974
- 『遥かなる雨季 詩集』国文社、1977
- 『隠語術 北川透の詩』弓立社、1986
- 『ポーはどこまで変われるか』思潮社、1988
- 『戦場ケ原まで』思潮社、1992
- 『続 北川透詩集』(現代詩文庫)思潮社、1994
- 『デモクリトスの井戸』思潮社、1995
- 『俗語バイスクール』砂子屋書房、2003
- 『眼の韻律』
- 『闇のアラベスク』
- 『溶ける、目覚まし時計』思潮社 2007
- 『なぜ詩を書き続けるのか、と問われて』思潮社、2015
- 『傳奇集』思潮社、2022
主な評論
- 『詩と思想の自立』思潮社、1966
- 『情況の詩』思潮社、1967
- 『中原中也の世界』紀伊国屋新書、1968
- 『詩の自由の論理』思潮社、1968
- 『幻野の渇き』思潮社、1970
- 『<像>の不安 仮構詩論序説』青土社、1972
- 『北村透谷試論1-3』冬樹社、1974-77
- 『熱ある方位 鮎川信夫と吉本隆明』思潮社、1976
- 『中原中也 わが展開 天使と子供』国文社、1977
- 『詩的火線 同時代覚書・上 詩論集』思潮社、1979
- 『詩的弾道 同時代覚書・下』思潮社、1979
- 『中野重治 近代日本詩人選15』筑摩書房、1981
- 『詩神と宿命 小林秀雄論』小沢書店、1982
- 『未明の構想』白地社、1982
- 『荒地論 戦後詩の生成と変容』思潮社、1983
- 『魔女的機械』弓立社、1983
- 『現代詩前線』小沢書店、1984
- 『詩的メディアの感受性 『あんかるわ』百回通信より』未來社、1985
- 『現代文学はどこで成立するか 言葉の「演戯」と「魔術性」』河合ブックレット、1986
- 『詩と時代の水際へ 全対話』風琳堂、1987
- 『萩原朔太郎<詩の原理>論』筑摩書房、1987
- 『侵犯する演戯 '80年代詩論』(北川透評論集)思潮社、1987
- 『詩的レトリック入門』思潮社、1993
- 『萩原朔太郎<言語革命>論』筑摩書房、1995
- 『詩的90年代の彼方へ 戦争詩の方法』(詩論の現在 1)思潮社、2000
- 『詩の近代を超えるもの 透谷・朔太郎・中也など』(詩論の現在 2』)思潮社、2000
- 『詩的スクランブルへ 言葉に望みを託すということ』(詩論の現在 3)思潮社、2001
- 『谷川俊太郎の世界』思潮社、2005
- 『中原中也論集成』思潮社、2007
- 『北川透現代詩論集成』思潮社、2014- 第5巻まで刊
脚注
- ^ 「日本芸術院賞に9人、恩賜賞に3人 能楽師・金剛永謹さんら」『日本経済新聞』2023年3月29日朝刊、社会1面。
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太字は恩賜賞受賞者。名跡は受賞時のもの。表記揺れによる混乱を避けるため漢字は便宜上すべて新字体に統一した。 |