六人の嘘つきな大学生
『六人の嘘つきな大学生』(ろくにんのうそつきなだいがくせい)は、浅倉秋成による日本の小説。2021年3月2日にKADOKAWAより刊行された[1]。 オーディオブック化、舞台(リーディングアクト)化、漫画化、ラジオドラマ化された他、2024年には映画版が公開された[1]。 あらすじ
「就職試験」と「それから」に分けられ、ともに視点となる人物は異なるが、「就職試験」文中に、「それから」の時期に当時の関係者へのインタビューされた内容が記載されており、就職試験当時の告発内容などの裏付けを取る形になっている。 就職試験渋谷駅前の大型商業に入居[2]のスピラリンクスでの最終面接で、人事部長から1ヶ月後の4月27日にグループディスカッションの実施を告げられた[3]。内容によっては6人全員の内定もありえると言われ[4]、直後にファミレスに6人で集まり自己紹介。その後も定期的に集まることにして対策を練っていたところ[5]、鴻上人事部長から選考方法と採用者数を1人に変更すると各々にメール通知が来た[6]。 4月27日当日、グループディスカッションのルールとして、鴻上が退出したら開始で、与えられた時間は2時間30分だが途中退出は即不採用。人事部は天災発生以外は介入しない。室内にカメラを4台設置し3台は証拠映像として常に録画、残る1台は人事部による監視用と説明を受ける[7]。 波多野が最終投票に加えて、30分ごとにも投票してはどうかと提案する[8]。1回目の投票後に部屋に不審な封筒があるのを発見し、最初に九賀が開けたところ[9]、中から「波多野省吾さん用」や「袴田亮さん用」など各々宛の6通の封筒があり、九賀が最初に開封すると袴田亮の高校時代に部活いじめがあり自殺者がでていた過去を告発する内容の紙が出てきた。順番に封筒を開けていくと、交際相手を妊娠させ中絶、本当のバイト先、高齢者詐欺の片棒、未成年飲酒などが告発されていた。 封筒を置いた人物は、4回目の投票前に人事部が設置したカメラの一つの録画を停止し、動画を確認視聴したことによって森久保と判明した[10]。森久保は、4回目の投票後に自宅に届いた封筒を持ってきたことは認めたが、封筒を用意したのは自分ではないと言う[11]。 告発内容に添付されていた盗撮写真の撮影日がそれぞれのスケジュールから全て2011年4月20日であり、撮影したカメラも同一であることが判明したことからアリバイの確認が行われたが、唯一アリバイがなく、最初から封筒は開けるべきではないと言っていた波多野が、封筒は僕が用意したと未開封の封筒を手に、僕は嶌さんへ入れるとの言葉を残して最後の投票の時に退出した[12]。総得票数は嶌がトップだった[12]。 それからスピラリンクス社員として勤務の嶌に、2019年に波多野祥吾が病死したことが波多野芳恵から伝えられた。遺品の中に「犯人、嶌衣織さんへ」と記入されたクリアファイルがあったと会社宛に電話があり、当日夜に朝霞の波多野家を訪問して現物を受取る。ファイルには鍵とUSBメモリも入っていた。2011年のある日就活から帰宅したの波多野省吾はひどく取り乱していたという[13]。当時の関係者5人にインタビューして[14]、就職試験当時を振り返るある日、芳恵から当日の映像が見たいと言われ、嶌は自宅に招いて録画映像や資料を見せると、芳恵は慶応大学総合政策部のキャンパスは藤沢なので、2011年4月20日にすべての写真は撮影するのは不可能だという。映像からもう一枚紙を取り出すような仕草をしている人を見つけ、脅されて撮影されたのは4月20日と虚偽の説明を強要されたのではと推測し、了承を得て録音していたインタビューの受け答えの中にも脅されたという証言もあった[15]。前後して、マネージャーから就職試験の面接官を依頼される[16]。嶌は抱えている案件があるから断ろうとしたが、マネージャーは案件の一部をOJT中の鈴江に任せることを提案する[17]。 嶌は、波多野省吾のUSBメモリのパスワードを解錠し、封筒を用意した人物にたどり着く。メモリ内には波多野省吾が告発内容の関係者にインタビューした音声も残されていた[18]。さらに波多野が持ち去りレンタル倉庫に保管していた嶌の告発内容を知る[19]。 登場人物
書誌情報
受賞歴
オーディオブック版Audible版2022年5月6日に、Audibleで配信開始。朗読は木村良平[33]。 漫画2021年12月24日、本作が全ミステリランキングにランクインしたことと、13刷を突破したことを記念して、「作品の冒頭部分」を描いたあらすじ漫画をWebサイト「カドブン」にて公開[34]。漫画は杉基イクラが執筆[34]。 『ヤングエース』(KADOKAWA)では、2022年7月号(2022年6月3日発売)から2024年12月号(2024年11月1日)『六人の嘘つきな大学生【プラス1】』が連載された[35]。漫画は大沢形画、キャラクター原案は杉基イクラが担当[35]。
ラジオドラマNHK-FM「青春アドベンチャー」にて、2022年1月17日から28日の日程で全10回が放送された[40]。 キャスト(ラジオドラマ)スタッフ(ラジオドラマ)
映画
2024年11月22日に公開された[41]。監督は佐藤祐市[41]。 キャスト(映画)
スタッフ(映画)
脚注出典
外部リンク
|
Portal di Ensiklopedia Dunia