偵察大隊 (イスラエル国防軍)
本項では、イスラエル陸軍歩兵科管轄化の各現役常設歩兵旅団に設置されている偵察大隊 (Gdud Siour, GADSAR) 、およびその隷下にある偵察中隊 (Plugat Siour, PALSAR) について述べる。 概要イスラエル陸軍歩兵科には、現在5個の常設歩兵旅団が編成されている[1]。すなわち、
である。 これら歩兵旅団は、(予備役部隊を別にすれば)おおよそ共通する以下の構成を持っている[2]。
各歩兵旅団の偵察大隊 "GADSAR" は以前はそれぞれ独自の構成であったが、今日ではこれら偵察大隊も各歩兵旅団において同じような構成や訓練過程を持つものとなっている[2]。 構成偵察大隊 "GADSAR" の構成は、
となっている[2]。 この中で偵察中隊"PALSAR" (パルサー) は各歩兵旅団の中での最精鋭部隊であり、強行偵察や対テロ戦闘といった特殊部隊的性質を持った任務も担当する。 これらの部隊はそれぞれ長い歴史を持つものもある。ゴラニ旅団の偵察中隊"パルサー・ゴラニ"は2010年に、空挺旅団の偵察中隊"パルサー・ツァンハニム"は2016年に、それぞれ創立60周年を迎えた[2]。 また、文献や書籍等でこれら各旅団の偵察中隊"PALSAR"、あるいは偵察大隊 "GADSAR"について、しばしば"サイェレット・ゴラニ"、"サイェレット・ギヴァティ"、"サイェレット・ツァンハニム"などのように表現されている。"サイェレット" (Sayeret) は"偵察部隊"というような意味なので、この表現も間違いではない。 また2000年代以降、偵察大隊の他の中隊、対戦車中隊 "PALNAT"・戦闘工兵中隊 "PALHAN"も、偵察中隊"PALSAR"と同じような訓練過程・装備も持ち、必要に応じ任務をシェア出来るようになっている[2]。 訓練課程偵察中隊"PALSAR"は14ヶ月の訓練課程を持つ。このカリキュラムも基本的に各旅団共通である[2]。
その他イスラエル陸軍機甲科指揮下の4個の現役常設機甲旅団のうち訓練部隊である第460機甲旅団を除いた3個旅団にも、それぞれ偵察中隊 "PALSAR" が編成されている[3]。 これら機甲旅団の"パルサー"については、それぞれの旅団の番号を付けて、"PALSAR 7"・"PALSAR 188"・"PALSAR 401" などと表現される[3]。 機甲師団の偵察中隊の任務には、偵察活動・情報収集の他、戦闘地域での旅団司令部の護衛などが含まれる[3]。 脚注出典関連項目
外部リンク
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