令和3年足利市山林火災
令和3年足利市山林火災(れいわさんねんあしかがしさんりんかさい)は、栃木県足利市西宮町の両崖山、天狗山において2021年(令和3年)2月21日の午後3時30分頃に発生し、167ヘクタールを焼いた火災である[N 2]。 概要2021年2月21日15時30分頃、栃木県足利市西宮町の林野で空気の乾燥による火災が発生した[N 2]。消防隊員によれば山頂付近の休憩所の周辺約50m2が燃えているのが確認されている[N 1]。 足利市は市内の207世帯に避難勧告を出したが、すぐには避難できない世帯もあることから、職員が2人一組でこれらの世帯を回り、健康状態の聞き取りや、マスクやのど飴の配布を行った[N 3]。 火災からおよそ1か月後の3月30日、足利市は山火事の出火原因が「たばこと推定される」と発表した。同市消防によると、山頂から南西に200メートルの地点である出火場所とみられる付近に、複数のたばこの吸い殻が落ちていたことから、出火原因の推定に至ったという[1]。 気象状況火災発生時の湿度は12%と乾燥した状態だった。この時期は北側にある赤城山(群馬県)から吹きつける赤城おろしと呼ばれる季節風が強い北風があり、23日には近隣の佐野市で最大瞬間風速17メートルを観測[N 1]。強風により延焼が拡大するとともにヘリコプターの消火が中断されるなどした[N 1]。 消火体制地上2021年2月26日14の消防局・本部の消防隊員 及び足利市消防団員(100人超)が消火活動にあたった[N 4][N 5]。
など 上空自衛隊や栃木県消防防災航空隊のヘリコプターほか、緊急消防援助隊として宮城県消防防災航空隊、埼玉県防災航空隊、茨城県防災航空隊、山梨県消防防災航空隊、富山県消防防災航空隊、東京消防庁航空隊、横浜市消防局航空消防隊の消防防災ヘリが消火活動を実施[N 6][N 4]。 経過
支援の動きこの火災を受けて足利市が開設した避難所には、市内外からの物資の寄付が相次いでおり、27日には産業廃棄物処理業者の日環(宇都宮市)から、マスク1万枚が寄付された[N 14]。また、1千万円を超える寄付(2021年2月27日時点)が同市のふるさと納税を通じて寄せられた[N 14]。また、足利市はボランティアの募集はしていないが、ボランティアの申し出も50件近く寄せられたとされている[N 14]。 2021年3月21日には、この火災のチャリティーイベント「足利応援マルシェin栃木」が、栃木市万町にあるとちぎ山車会館前広場で開かれた[N 15]。 規制強化事件を受け、「美しい山林を火災から守る条例」が制定、施行された。市内全域のすべての山林において、
を禁止するもの。モラル向上を目的とするもので、罰則は設けられない。[N 16] [N 17] また、消火活動の際に何者かがドローンを飛行させたことで、ヘリによる消火活動が1~2時間中断された。これを受け、国土交通省航空局は「緊急用務空域」を指定できるように航空法施行規則を改正した[N 18]。 その他足利市では2014年にも72ヘクタールを焼く大規模山林火災が起きており、鎮火まで約2週間かかった[N 19]。 足利市に隣接する群馬県みどり市で2021年4月22日に再び山火事が発生している。 出火場所から800メートルほど離れた大岩山毘沙門天では、火災の被害を避けるため文化財約150点を運び出したが、その後運び出しの作業や経年劣化の影響により、県指定文化財の本尊・毘沙門天像など10点の文化財で損傷が見つかった[N 20]。 脚注出典(新聞・ニュース = N)
出典(国の機関及び自治体 = G)
出典(その他)
関連項目外部リンク
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