五台山 (中国)
五台山(ごだいさん)は、中華人民共和国山西省忻州市五台県にある古くからの霊山である。標高3,058m。華北の最高峰であり、仏教では、文殊菩薩の聖地として、古くから信仰を集めている。旧字表記では五臺山。別名は清涼山。2009年にユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録された。中華人民共和国国家級風景名勝区(1982年認定)[1]、中国の5A級観光地(2007年認定)[2]。 概要山名の由来は、この山が五つの主要な木々の生えない台地状の峰によって構成されていることによる[3]。
マツ属、モミ属、ハコヤナギ属、ヤナギ属の森林および草原が生い茂る山内には[3]、北魏の時期に大浮図寺と呼ばれる寺が建立され、それ以後、多数の山岳寺院が建立された。 その最も繁栄した時期には、300以上の寺が林立していたといわれる。観音菩薩の霊場である普陀山と、普賢菩薩の霊場である峨眉山、地蔵菩薩の霊場である九華山と並んで、中国仏教の聖地である中国四大仏教名山の1つとされる。現在でも、台内に39ヶ寺(南山寺、顕通寺、塔院寺、碧山寺、普化寺、観音洞、龍泉寺、金閣寺など)、台外に8ヶ寺(延慶寺、南禅寺、秘密寺、尊勝寺など)で、合計47ヵ所の寺院が存在する。 日本の平安時代から鎌倉時代の入唐僧や入宋僧の多くも、天台山と共に率先してこの山を訪れた。また、チベット仏教の教徒の尊崇も集めており、菩薩頂と呼ばれるチベット仏教の寺院にはネパールやモンゴルの要素もみられる。そのため、五台山は中国本土では、大乗仏教の漢族仏教とチベット仏教との唯一の共通の聖地となっている。特に五台山の仏教文化と自然景観の融合は有名であるため、甘粛省、河北省、広東省などの中国の他の地域および韓国と日本にも同名の五台山が存在する[3]。河北省の小五台山も海抜2,882mで太行山脈の最高峰である。 世界遺産2009年の第33回世界遺産委員会で世界遺産リストへの登録が認められた。複合遺産としての推薦だったが、文化的景観としては認められたものの、自然遺産としての価値は認められず、文化遺産としての登録となった。登録物件には唐代の建立である佛光寺が含まれる。 登録基準この世界遺産は世界遺産登録基準のうち、以下の条件を満たし、登録された(以下の基準は世界遺産センター公表の登録基準からの翻訳、引用である)。
脚注
関連項目参考文献
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