久美浜一区
久美浜一区(くみはまいっく)は、京都府京丹後市久美浜町にある地名。久美浜湾の南岸にある向町区、十楽区、仲町区、土居区、東本町区、西本町区、新町区、新橋区、栄町区の9の区で構成される[1]。2021年(令和3年)3月31日時点の人口は1580人[1]。 地理京都府の北西端、北は日本海に面する久美浜町の中心市街地にあり、9つの地区がある[2]。 町の中心を久美谷川が北流して久美浜湾にそそぎ、その川の東の表通り沿いに土居地区、仲町地区、裏通り沿いに栄地区があり、栄の東側に向町地区がある[3]。仲町と向町の東側には栃谷川が北流して久美浜湾に注ぎ、栃谷川の東側に十楽地区がある[3]。久美谷川より西側には、久美浜湾と表通りの間に東本町地区、次いで西本町地区があり、表通りと裏通りの間には新橋地区、新町地区が続き、陣屋川を挟んでかつて久美浜代官所がおかれた京丹後市立久美浜小学校に面する[3]。 河川・海
構成する区
9の区と久美浜一区自治会自治組織として9の区があり、それぞれ代表者として区長を有する[11]。区ごとの世帯数は30世帯から100世帯である[11]。ごみ収集場所の情報提供、回覧板の巡回、地域の清掃活動、子ども会、季節ごとのイベントなどは区ごとに行っている[11]。 9の区の連合自治組織として久美浜一区自治会があり、各区の区長が役員となっており、代表者として自治会長を有する[11]。運動会、球技大会、敬老会、各区と行政との連携、河川の安全管理などを行っている[11]。 人口の変遷国勢調査による人口の推移。
歴史中世の城下町を骨格として近世には幕府の直轄地として発展した[3]。明治期に入ると、江戸時代の代官所跡には久美浜県庁が置かれ、さらに発展の兆しを見せたが、数年のうちに久美浜県は廃止となり、県庁は豊岡に移る[2]。詳細は「久美浜」「久美浜町」の項目を参照のこと。京都府移管後は久美浜町一町で熊野郡を成したうちの久美浜町字久美浜の地域で、町の中心であったが、2004年(平成16年)に久美浜町は他5町と合併し京丹後市となった。 景観遺産登録への道のり2004年(平成16年)、6町が合併し誕生した京丹後市は、その初年度予算で久美浜一区の伝統的な家並みや生活空間の保全に8,300万円を盛り込んだ「街なみ環境整備事業」を採択した[12]。住民は自宅や店舗を改修する際、「和風建築とすること」「1階の軒は隣家と続くよう配慮すること」「窓に木製の格子を付けること」を義務付け、10年間継続して各戸に最高200万円を補助し、古来の景観を復活させることを目標とした[12]。この取り組みは如意寺の住職であった友松裕也が代表を務めていた「久美浜一区まちづくり協議会」が推進し[13]、地権者のおよそ8割にあたる220人が同意、2002年(平成13年)末に協定を交わしていた[12]。2004年(平成16年)7月には、地域の情報発信の拠点施設とするべくコミュニティスペース「丁子屋」(土居地区)に格子を付けるなどしてレトロな趣に改修し、掲示板を設置[14]。この環境整備事業は、老朽化した消防車庫を移転新築する際にも適用され、浜公園には2005年(平成17年)に江戸時代の土蔵を想起する消防車庫が事業費3,500万円で新築され、「町火消し」の看板を掲げる[15]。 2011年(平成23年)1月、城下町特有の細長い宅地割りを維持する「城下町に由来する風情ある久美浜の街並み」が、京都府景観資産に登録された[16][17]。京都府景観資産は2007年(平成19年)に景観条例で定められたもので、久美浜一区は府内で15件目、京丹後市内では4件目だった[17]。なお、久美浜町内では先行して「久美浜湾と牡蠣の養殖景観」も京都府景観遺産に登録されている[18]。 同2011年(平成23年)同1月には、総工費4,300万円をかけて1929年(昭和4年)建設の久美浜公会堂を約80年ぶりに全面的に改修し、3月27日に「久美浜公会堂の修景を祝う会」を町を挙げて開催した[19]。景観づくりの取組は建物改修のみでなく、地区の行事としても推進された。3月に竹筒雛、5月に鯉のぼりを約30軒が軒先に飾るなど、住民が連携する[13][20]。 2011年(平成23年)、久美浜一区まちづくり協議会は国土交通大臣による「まちづくり功労者表彰」を受賞した[13]。 久美浜一区自治会久美浜一区には区長会、自治振興会、地区公民館という3つの組織があったが、持続可能な運営に対する危機感があったことから、2018年度(平成30年度)には自治組織検討委員会が設立されて組織の見直しが検討され、2020年度(令和2年度)には3つの組織を一本化して久美浜一区自治会が設立された[1]。 神谷太刀宮神社には中央部で縦に割れている巨岩の神谷磐座がある。久美浜一区の自治会長は2020年(令和2年)10月29日、アニメ『鬼滅の刃』の主人公 竈門炭治郎が修業中に切った巨岩に似ていると感じてFacebookに投稿したところ、投稿が拡散されて観光客が訪れるようになり、新聞やテレビの取材も受けた[21][22]。11月1日には10組の来訪者があり、11月22日には約25組80人と増えると、12月6日には来訪者が300人を超えた[23]。これを受け、一区では有志を募り、磐座保存会を結成して地域振興と環境保全に努めた[24]。 京都外国語大学と連携して地域課題や観光施策を考えるフィールドワークなどを行っている。 施設久美浜一区には鉄道駅として京都丹後鉄道宮津線久美浜駅がある。
名所・旧跡・行事
神谷太刀宮神社氏神祭(秋祭り)久美浜一区の祭礼として、神谷太刀宮神社氏神祭(秋祭り)を開催している[30]。氏神祭の前日夜には宵宮が行われ、日和神楽に提灯が付けられて練り歩く[30]。氏神祭の当日には(本宮)が行われ、神谷太刀宮の境内に飾り太鼓台が集結して芸が奉納される[30]。神輿の一種である5台の太鼓台が出る[30]。
出身者
脚注
参考文献
外部リンク |