ロジャー・ジ・エンジニア
『ロジャー・ジ・エンジニア』(Roger the Engineer)は、イギリスのロックバンド、ヤードバーズのスタジオ・アルバム。プロデューサーはポール・サミュエル・スミスおよびサイモン・ネピア=ベル。全英20位[1]、全米52位を記録[2]。 本作の正式なタイトルは『Yardbirds』であり、「ロジャー・ジ・エンジニア」というタイトルは本作の表ジャケットのイラストに書かれた一文から採られた通称であったが、いつしかこちらの呼称が一般的になり、現在では正式にこのタイトルで扱われている。旧邦題は『サイケデリックのエース』[2]。 解説本作はヤードバーズにとって2作目のオリジナルアルバムであるが(ベスト盤やライブ盤などを含めると5作目)、スタジオでレコーディングされた新作アルバムとしては最初のアルバムである。ジェフ・ベックがリードギタリストとして在籍していたグループ最盛期の頃の作品であり、彼らのルーツであったブルースの他、インド音楽やグレゴリオ聖歌、トラッド・フォークといった様々な音楽の要素を取り入れた実験的な作風となった[2]。レコーディングは1966年4月から6月にかけて、ロンドンのアドヴィジョン・スタジオにて行われたが、ライブツアーの合間を縫っての作業だったため、実質的な期間は1週間もなかったという[2]。全曲がメンバー5人による共作で、歌詞は主にキース・レルフによるものである。アルバムジャケットのアートワークはクリス・ドレヤ、ライナーノーツはジム・マッカーティがそれぞれ担当。タイトルの由来になった「ロジャー・ジ・エンジニア」とは、本作のレコーディング・エンジニアであるロジャー・キャメロンのことである[2]。尚、本作のリリースを待たずにサミュエル=スミスがバンドを脱退、ベックもこの年の12月に脱退したため、このラインナップでのアルバムは、本作が唯一となっている。 本作はステレオ/モノラルの2パターンでリリースされた(ステレオ版でも一部の曲は擬似ステレオで収録されている)。アメリカではタイトルを『Over Under Sideways Down』と改題し、「ナッズ・ア・ブルー」と「ラック・マイ・マインド」の2曲をオミットした全10曲でリリースしている。本作からは「オーヴァー・アンダー・サイドウェイズ・ダウン」がシングルカットされ、全英10位[1]、全米13位[3]にランクインしている。 リイシューCDでは、1990年代からステレオ、モノラル両バージョンを併録し、さらにベックとジミー・ペイジのツイン・リード時代に唯一遺したシングル「幻の10年/サイコ・デイジーズ」を追加収録した形でリリースされている。イギリス版ではジャケットが黄色のバージョンが存在する[4]。 収録曲※全曲作詞・作曲はクリス・ドレヤ、ジム・マッカーティ、ジェフ・ベック、キース・レルフおよびポール・サミュエル=スミス。
パーソネル
脚注
|
Portal di Ensiklopedia Dunia