ルリトウワタ
ルリトウワタ(瑠璃唐綿、Oxypetalum coeruleum)は、キョウチクトウ科ガガイモ亜科ルリトウワタ属の1種の、蔓性多年草ないし亜低木である[7]。 ブルースター (blue star)、オキシペタラム (Oxypetalum)、ツイーディア (Tweedia) とも呼ばれるが、いずれも本種に固有の名ではない。 属については諸説あったが、分子系統により、ルリトウワタ属 Oxypetalum に確定した[1][2][8]。 名称花の色と形からブルースター (blue star) とも呼ばれる[4]。ただし、英語圏ではブルースターと呼ぶことは稀で、ブルースターと言えば同科の(ただし科の中では特に近縁ではない[3])チョウジソウ属 (Amsonia) のことが普通である。なお、高知県特産で知られるブルースターは本種ルリトウワタである。 属 Oxypetalum からオキシペタラム(オキシペタルム)とも呼ばれる。Oxypetalum は「鋭い花弁」を意味する[7][4]。 現在は属さないが、旧属 Tweedia からツイーディア(トゥイーディア、トウィーディア)とも呼ばれる。Tweedia はジェームズ・ツイーディー (James Tweedie) への献名である。彼はエディンバラ王立植物園の園丁で、南アフリカに移りアフリカ各地で植物標本(本種あるいは Tweedia ではない)を採集した[7]。 種小名 coerulem は、英語の cerulean にあたり、空色という意味である。 和名に含まれるトウワタ(唐綿)とは、同亜科トウワタ属 Asclepias の1種である。 分類ルリトウワタ属 Oxypetalum に分類する説が主流で、分子系統でも確かめられた[1][8](ただし、この説をとらない場合は、Oxypetalum をルリトウワタ属とは呼べない)。 分子系統による系統樹は以下のとおり[1][8][9](関係しない部分は一部省略、ここで主に言及する種や属は太字)。ルリトウワタ属内の系統関係は若干不確実であるが、ルリトウワタがその中に位置するのは確かである。
ルリトウワタを既存の別属ツイーディア属 Tweedia に移す説もあったが、分子系統からは否定された。この属(少なくとも模式種 T. brunonis )は、ルリトウワタや他のルリトウワタ属の種とは遠縁で、むしろ Philibertia やチョウトリカズラ属 Araujia に近縁である[1][8]。 ルリトウワタを O. coccineum と共に新属 Amblyopetalum に分離する(模式種は A. coccineum )説もあった (Malme 1927)[6]。しかしこれら2種はいずれもルリトウワタ属系統内部に位置する(ただし O. coccineum の詳細な系統位置は不確実)[1][8]。 特徴ブラジル南部・ウルグアイ原産[6]。オーストラリアクイーンズランド州とニュージーランドに帰化[6]。 長三角形の葉は対生し、葉は緑灰色で、毛に覆われる[4]。開花時季は夏から秋。葉腋から生えた花梗が5本ほどに分枝した先に咲く。花径は2-3 cm[4]。花色は明るい青だが、つぼみの時と花が終わる頃にはピンク色を帯びてくる[4]。本来は星型の青い五弁花だが、色や花弁数が異なる栽培品種もある。果実は大型の蒴果で、種子には白い冠毛がある[4]。茎の切り口からは白い汁が出る[4]。ハーディネスゾーン9-11[10]。 出典
参考文献
|