ルイズ・ラヴリー(Louise Lovely, 1895年2月28日 - 1980年3月18日)は、オーストラリアの女優である[1]。出生名はネリー・ルイズ・コーバス(Nellie Louise Corbasse)、旧芸名ルイズ・カーバス(Louise Carbasse)およびルイズ・ウェルチ(Louise Welch)[1]。
オーストラリアで最初にアメリカ合衆国を初めとする国際的に活躍した女優である[1]。
経歴
1895年2月28日、オーストラリアのニューサウスウェールズ州シドニーに生まれる[1]。
満9歳となる1904年ころから「ルイズ・カーバス」の名でシドニーの舞台に立ち、成長するにつれ舞台女優として成功し、映画界に進出する[1]。1911年5月11日にオーストラリアで公開された、ガストン・マーヴェイル監督の One Hundred Years Ago に主演したのが、もっとも古い映画への出演記録で、同作の公開当時ルイズは満16歳であった[1][2]。同作には、俳優時代のハリー・ボーモントも出演している[2]。満17歳となる1912年、ウィルトン・ウェルチと結婚する[1]。
アメリカ合衆国に渡り、ユニヴァーサル・フィルム・マニュファクチュアリング・カンパニー(現在のユニバーサル・ピクチャーズ)と契約、カール・レムリの命名により「ルイズ・ラヴリー」と改名する[1]。1915年、アイダ・メイ・パーク脚本、ジョセフ・ド・グラス監督の Father and the Boys で全米のスクリーンにデビューする[1]。1916年、ユニヴァーサル傘下に製作会社ブルーバード映画が設立され、同社で、ド・グラス監督の The Grip of Jealousy, Tangled Hearts, 『恨みの金貨』、『踊り子の生涯』、『文身美人』、ルパート・ジュリアン監督の『愛の決闘』、ジャック・コンウェイ監督の『社会の賊』、『人の力』、1917年には、ジュリアン監督の『誕生日』に主演し[1]、2作を除いていずれも日本でも公開された[3]。
1919年にはユニヴァーサルを去り、小プロダクションやフォックス・フィルム(現在の20世紀フォックス)、ゴールドウィン・ピクチャーズ等の映画に出演する[1]。1922年、エドワード・スローマン監督の Shattered Idols に出演したのを最後にアメリカ合衆国を去り、オーストラリアに帰った[1]。
1925年、オーストラリアで、夫ウェルチと共同で監督したサイレント映画 Jewelled Nights に主演するが、同作以降の出演記録等は見当たらない[1]。1928年、夫ウェルチと離婚する[1]。
1930年、バート・コーワンと再婚する[1]。1967年、夫コーワンと死別する[1]。
1980年3月18日、タスマニア州ホバートで死去した[1]。没後の20年が経過した2000年、オーストラリア映画協会は、ルイズに敬意を表し、オーストラリア映画協会賞の愛称として「ラヴリーズ」(Lovelys)という名称を採用した[1]。
おもなフィルモグラフィ
特筆以外はすべて出演作である[1]。
1910年代
- One Hundred Years Ago : 監督ガストン・マーヴェイル、1911年 - 「ルイズ・カーバス」名義で主演・役 Judith
- A Ticket in Tatts : 監督ガストン・マーヴェイル、1911年 - 「ルイズ・カーバス」名義で出演・役 Mrs. Fallon
- The Colleen Bawn : 監督ガストン・マーヴェイル、1911年 - 「ルイズ・カーバス」名義で主演・役 The Colleen
- A Tale of the Australian Bush : 監督ガストン・マーヴェイル、1911年 - 「ルイズ・カーバス」名義で出演・役 Mrs. Hall
- Hands Across the Sea : 監督ガストン・マーヴェイル、1912年 - 「ルイズ・カーバス」名義で出演
- A Daughter of Australia : 監督ガストン・マーヴェイル、脚本・主演ハリー・ボーモント、1912年 - 「ルイズ・カーバス」名義で出演
- Conn, the Shaughraun : 監督ガストン・マーヴェイル、1912年 - 「ルイズ・カーバス」名義で出演
- The Wreck of the Dunbar or The Yeoman's Wedding : 監督ガストン・マーヴェイル、1912年 - 「ルイズ・カーバス」名義で出演
- The Ticket of Leave Man : 監督ガストン・マーヴェイル、1912年 - 「ルイズ・カーバス」名義で出演
- Personal Magnetism : 監督不明、1913年
1920年代
- 『胡蝶の如し』(別題『蝴蝶の男』) The Butterfly Man : 監督ルイ・ガスニエ / アイダ・メイ・パーク、1920年 - 出演・役 Bessie Morgan
- 『名花一輪』 The Third Woman : 監督チャールズ・スウィッカード、1920年 - 出演・役 Eleanor Steele
- 『孤児』 The Orphan : 監督J・ゴードン・エドワーズ、1920年 - 出演・役 Helen Shields
- The Twins of Suffering Creek : 監督スコット・R・ダンラップ、1920年 - 出演・役 Little Casino
- 『幸運児』(別題『愉快な厄介者』) The Joyous Troublemaker : 監督J・ゴードン・エドワーズ、1920年 - 出演・役 Beatrice Corlin
- 『航空百万哩』(別題『蒼空の人』) The Skywayman : 監督ジェームズ・P・ホーガン、1920年 - 出演・役 Virginia Ames
- The Little Grey Mouse : 監督ジェームズ・P・ホーガン、1920年 - 出演・役 Beverly Arnold
- 『運命の罠』 Partners of Fate : 監督バーナード・J・ダーニング、1921年 - 出演・役 Helen Meriless
- While the Devil Laughs : 監督ジョージ・ヒル、1921年 - 出演・役 Mary Franklin
- 『懐しの我家』 The Old Nest : 監督レジナルド・バーカー、1921年 - 出演・役 Kate at 21-31
- 『極北の霹靂』 The Heart of the North : 監督ハリー・レヴィアー、1921年 - 出演・役 Patricia Graham
- 『貧しき者の幸福』 The Poverty of Riches : 監督レジナルド・バーカー、1921年 - 出演・役 Grace Donaldson
- 『人生の最大疑問』(別題『人生の最大問題』) Life's Greatest Question : 監督ハリー・レヴィアー、1921年 - 出演・役 Nan Cumberland
- Shattered Idols : 監督エドワード・スローマン、1922年 - 出演・役 Diana Chichester
- Jewelled Nights : プロデューサー・共同監督・共同脚本・共同編集ウィルトン・ウェルチ、1925年 - 監督・脚本・編集・出演・役 Elaine Fleetwood
関連項目
註
外部リンク