ヨウ化水銀(I)(ヨウかすいぎん(I)、Mercury(I) iodide)は、化学式が Hg2I2 と表される水銀のヨウ化物である。感光性があり、容易に金属水銀とヨウ化水銀(II)に分解する。
合成
ヨウ化水銀(I)は、水銀とヨウ素から直接合成することができる。
構造
一般に一価水銀(Hg(I))の化合物は直線形の の単位構造を持つが、 も同様に直線形の の単位構造を持つ。 の結合長は272 pm(金属中のHg-Hgの結合長は300 pm)で、 の結合長は268 pmである[3]。全体的にそれぞれのHg原子は八面体形構造をとり、2番目に近い4個のI原子との距離は351 pmである[3]。この化合物はしばしば と説明される[4]。
用途
ヨウ化水銀(I)は以前は医療に使われたが、現在はその毒性のため全く使われていない。
脚注
- ^ MaTecK GmbH
- ^ WebElements Periodic Table of the Elements
- ^ a b Wells A.F. (1984) Structural Inorganic Chemistry 5th edition Oxford Science Publications ISBN 0-19-855370-6
- ^ Cotton, F. Albert; Wilkinson, Geoffrey; Murillo, Carlos A.; Bochmann, Manfred (1999), Advanced Inorganic Chemistry (6th ed.), New York: Wiley-Interscience, ISBN 0-471-19957-5
関連項目