ja %E3%83%A8%E3%82%A6%E5%8C%96%E3%82%AB%E3%83%89%E3%83%9F%E3%82%A6%E3%83%A0

ヨウ化カドミウム
	IUPAC名ヨウ化カドミウム; Cadmium iodide
識別情報
CAS登録番号	7790-80-9
特性
化学式	CdI2
モル質量	366.220 g mol−1
外観	無色結晶
密度	5.67 g cm−3, 固体
融点	385℃
沸点	713℃
水への溶解度	85.2 g / 100cm3（18℃）
構造
結晶構造	六方晶系（α）
熱化学
標準生成熱 ΔfHo	−203.3 kJ mol−1
標準モルエントロピー So	161.1 J mol−1K−1
標準定圧モル比熱, Cpo	79.96 J mol−1K−1
危険性
EU分類	有毒 (T); 有害 (Xn); 環境への危険性 (N)
EU Index	048-007-00-8
Rフレーズ	R23/25, R33, R68, R50/53
Sフレーズ	(S2), S22, S45, S60, S61
引火点	不燃性
関連する物質
関連物質	ヨウ化亜鉛;ヨウ化水銀(II)
	特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

ヨウ化カドミウム（ヨウかカドミウム、Cadmium iodide）は、化学式 CdI₂ で表されるカドミウムのヨウ化物である。

合成

水中で金属カドミウムにヨウ素を加えて加熱し反応させ、生じた水溶液を濃縮すると無水物が析出する^[1]。

{\ce {Cd\ + I2 -> Cd^{2+}(aq)\ + 2 I^{-}(aq)}}

{\ce {Cd^{2+}(aq)\ + 2 I^{-}(aq) -> CdI2}}

またはヨウ化カリウムと計算量の硫酸カドミウムをそれぞれ水溶液として混合し、蒸発乾固してエタノールで抽出して蒸発させると得られる。

{\ce {2KI\ + CdSO4 -> CdI2\ + K2SO4}}

無色の光沢ある板状結晶で六方晶系に属し、その格子定数はa = 4.24Å、c = 6.84Å、Cd−I結合距離は2.99Åである^[2]。

水に溶解しやすく、エタノール、エーテルおよびアセトンにも溶解する。結晶を空気中で長時間可視光線に当てるとヨウ素を生じて黄色を帯びる。

ヨウ化物イオンとカドミウムイオンは錯体を形成しやすく、ヨウ化カドミウムは水溶液中において弱電解質である。その錯生成定数は1.6M硝酸カリウム水溶液中で以下の通りである^[3]。

{\ce {Cd^{2+}\ +I^{-}\ \rightleftarrows \ [CdI]^{+}\ ,}}

{\rm {{log}{\it {{K}{\rm {1=2.96}}}}}}

{\ce {[CdI]^{+}\ +I^{-}\ \rightleftarrows \ [CdI2]\ ,}}

{\rm {{log}{\it {{K}{\rm {2=1.33}}}}}}

{\ce {[CdI2]\ +I^{-}\ \rightleftarrows \ [CdI3]^{-}\ ,}}

{\rm {{log}{\it {{K}{\rm {3=1.07}}}}}}

{\ce {[CdI3]^{-}\ +I^{-}\ \rightleftarrows \ [CdI4]^{2-}\ ,}}

{\rm {{log}{\it {{K}{\rm {4=1.00}}}}}}

__ Cd²⁺ __ I⁻

ヨウ化カドミウム型構造

ヨウ化カドミウム型構造は六方晶系に属し、ヨウ化物イオンがほぼ六方最密充填構造に配置し、c軸方向の層の一つおきに八面体六配位の間隙に金属イオンが位置した構造である。ヨウ化物イオンが水酸化物イオンに置換された構造は水酸化カドミウム型構造と呼ばれる。

層状構造であり、多くの2価の金属のヨウ化物および臭化物に見られる結晶構造である。