メッセンジャー (競走馬)
メッセンジャー(Messenger、1780年 - 1808年)はイギリスの競走馬。のちアメリカ合衆国に渡り、スタンダードブレッドの重要な基礎種牡馬となった。その名は今もスタンダードブレッドによって行われるペース競走(繋駕速歩競走の一種)の大レースメッセンジャーステークスとして残っている。 生涯現役時代は3-5歳の間にイギリスのニューマーケットで走り、14戦8勝の戦績を残している。その後、1788年5月にトーマス・ベンジャーによってアメリカ合衆国に輸入された。18世紀以降、数多くのサラブレッドがアメリカに輸出されるのだが、メッセンジャーはその中でも比較的早くアメリカに渡った一頭であった。同時期に第1回エプソムダービー馬ダイオメドもアメリカの土を踏んでいる。 アメリカに渡った初めての年はペンシルベニア州のフィラデルフィアで供用されている。そして1793年にはヘンリー・アスターに売却され、さらに1796年、コーネリアスW.ヴァン・ランストに売却された。 メッセンジャーはアメリカで種牡馬として成功し、1806年にはマンブリノIIを輩出した。このマンブリノIIはスタンダードブレッドの根幹種牡馬であるハンブルトニアン10の父の父である。このほかスタンダードブレッドの成立過程においてはメッセンジャーが大きくかかわっており、ハンブルトニアン10にもメッセンジャーのかなり強いインブリードが含まれている。マンブリノII以外にも多くの産駒を残しており、スタンダードブレッドのほか、アメリカ乗用馬やテネシー乗用馬など多くの馬種の礎となった。サラブレッドの父としてはそれほど成功したわけではないが、最初期のアメリカ名馬アメリカンエクリプスの母の父となっているように、現在への影響も皆無ではない。 そして1808年にニューヨーク州で死亡し埋葬された。このころにはメッセンジャーの種牡馬としての名声は大きくなっており、死亡したときには大砲が撃たれ弔われたという。 血統表
参考文献外部リンク
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