メイプル (商業施設)
メイプル(Maple)は、岩手県奥州市水沢にあった東西2棟からなる複合商業施設[2]。水沢市の市の木である楓から「メイプル」と名付けられた[2]。 前身のショッピングシティメイプルについても記載する。 概要市街地再開発事業によって1985年に開店した「ショッピングシティメイプル」が、核店舗の撤退を理由に2005年を以って閉店したことを受け、営業譲渡された水沢クロス開発が行政などからのバックアップを受けて2006年にリニューアルオープンした複合商業施設である[7]。水沢駅からほど近い場所に位置しており、奥州市内では随一の店舗規模を誇っていた[9][8]。核店舗を中心に多数のテナントが入居していた地上4階・地下1階建ての東館と、自走式駐車場が大分部を占め、行政施設が入居する地上5階建ての西館で構成される[10][11][12]。 ショッピングシティメイプルの開店当時から進行していた小売店の郊外進出による中心市街地の衰退や利用客の流失のほか、小売業の競争激化により核店舗をはじめとしたテナントの撤退で経営状況が悪化していた。また、人口減少の加速などにより客足が伸び悩んでいた最中のコロナ禍に伴う売り上げ減少や電気代の高騰などが追い打ちをかけ、2023年4月を以って二度目の閉店に至った[7][10][13][14]。 歴史ショッピングシティメイプル時代経済環境や消費者の変化により、水沢市中心部にある横町商店街の業況が停滞し始めていたことから、1977年(昭和52年)2月に市街地再開発法に基づく横町一番街整備構想を発表したのが始まりである[2]。1979年(昭和54年)9月に準備組合を設立し、1981年(昭和56年)3月に横町一番街市街地再開発組合を設立した[2]。同組合が総事業費54億円を投じ、1985年(昭和60年)11月13日に核店舗のジャスコ水沢店と地元で展開する専門店60店舗が出店し、水沢中央ビル運営の「ショッピングシティメイプル」として開店した[2][15][16]。 以後、水沢市街地の象徴的な施設として1993年(平成5年)には年間約80億円の売上高を記録したが、核店舗であるジャスコが1996年(平成8年)に隣接する前沢町へ出店(ジャスコ前沢店)したのを機に売上が減少した[7][16]。その後は売上が最盛期の6割ほどに落ち込んだことから、2002年(平成14年)6月に水沢中央ビルに対して2005年(平成17年)11月を以って撤退する旨を申し出た。イオンと水沢中央ビルとの協議は平行線の状態が続く中、2004年(平成16年)2月には撤退時期を同年6月下旬に前倒しする方針を打ち出した[16]。同年6月の撤退は免れたものの、2005年(平成17年)5月を以って核店舗の撤退と共に30の専門店も撤退を余儀なくされ、やむなく閉店した[17]。 メイプル時代この施設は中心市街地の核施設であり、その再生が中心市街地活性化のためには必要不可欠の重要課題であった。このため、当初の計画にはなかったTMO構想の一つに位置づけ、官民あげての取り組みを行い2006年(平成18年)4月の営業再開(核店舗ジョイス)に漕ぎつけた。[要出典] この事業は、中小商業者、水沢市、水沢商工会議所が出資した特定会社「株式会社水沢クロス開発」が事業主体となって、国・県の補助金を得て総事業費7億9629万3千円で実施したものである。また、この事業実施にあたっては、県・市・地元商工団体が事業主体と一体となって「水沢市大型商業施設再生事業促進委員会」を組織して再生事業を支援・促進してきたほか、日本ショッピングセンター協会からの全面的なバックアップも受けた。中心商店街にある大型商業ビルの再生モデルとして全国が期待し、注目していた。[要出典] 2019年(平成31年)2月24日に閉店したジョイス水沢中央店の跡地にマルイチが同年6月27日に出店した[18]。 近年は老朽化による改修費用や電気料金の値上げ、新型コロナウイルス感染症に伴う売り上げ減少によって資金繰りを悪化させ、2023年4月を以って閉店する旨を表明した[14]。奥州市が再生策を模索しており、閉店後に土地や施設一帯を取得する方針を出した。その後は改修工事などを施した上で民間企業へ譲渡する案が浮上している[19]。 年表
運営会社
株式会社水沢クロス開発(かぶしきがいしゃ みずさわクロスかいはつ)は、岩手県奥州市水沢に本社を置いている日本の企業。2004年3月22日に有限会社水沢中央開発として設立し、後に有限会社水沢クロス開発へ社名変更した[20]。 2005年6月3日には水沢市(現・奥州市)や水沢商工会議所(現・奥州商工会議所)が出資して株式会社へ移行された[20]。 商業施設「メイプル」の運営管理を事業内容としていた[14]。 水沢クロス開発は2023年5月11日に盛岡地方裁判所水沢支部から破産手続開始決定を受けた[26][27]。 フロアとテナントフロア概要約30の専門店や施設で構成されていた。西館は、奥州市の行政施設(公共機関)や交流館となっている。 また、両館を繋ぐ連絡通路「スカイブリッジ」が4階部分に設置されているが、2023年4月1日から閉鎖された[25]。
テナント・施設閉店に先立ち、2023年3月末を以って行政施設(公共機関)を除く大半のテナントが撤退した[7][10]。 →2023年1月時点のテナントについては、フロアガイドを参照
西館→2023年1月時点のテナントについては、施設案内を参照
アクセス県道113号・県道226号の交差点(水沢字大町)そばに位置していた。 鉄道バス
自動車駐車場当施設の駐車場は385台利用可能で、当施設の利用に限らず3時間まで無料で利用可能だった。
周辺脚注出典
関連項目外部リンク公式サイト
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