メイオラニア
メイオラニア(学名:Meiolania)は、人類時代初期まで現在のオーストラリアやニューギニアに生息していた大型の陸棲のカメの一属。かつては現生の全種のカメを含むカメ目の属とされていたが、分類は不確かであり、カメ目の外にあるステムグループのカメ類の最後の生き残りであるという見方も強い。学名は「小柄な放浪者」を意味する。 形態甲長1m、全長は2mにも達し、陸生ガメとしては最大級。頭部には麟状骨からなる一対の角を持つ。この角はおそらく繁殖期においてはディスプレイとして用いられたであろう。また、長い尾には骨質のリング状の鞘があり、その表面には太い棘状の突起が発達していた。この特徴は、グリプトドンやアンキロサウルスなど装甲した草食動物にも同様のものが見られる。この尾で捕食者を威嚇し、身を守っていたのであろう。このカメは通常のカメのように首や手足を甲羅の中に引き込めて防御する事が出来なかったと考えられており、装甲はこれらの弱点を補う為の防御対策だったと思われる。ただし、甲羅の骨格は厚紙程度の薄さであった。おそらく生体では、この表面に分厚い角質の鱗板があったと思われる。これは、島嶼型のゾウガメと共通する特徴である。頸椎は前後方向に短く高さがあり、頸肋骨が発達する。吻部咬合面にはリッジが発達しており、おそらく植物食性(肉食性とする説もある)であった。
名称とその由来最初の化石(脊椎骨)が発見され、これを研究した古生物学者リチャード・オーウェンは、メイオラニアを大型のオオトカゲの一種であると誤認してしまった。現在 Varanus priscus として知られるメガラニアよりも小さかったことから、メイオラニアと名づけられた。メガラニアは「大柄な放浪者」、「メイオラニア」は小柄な放浪者を意味する。後にさらに化石が発見され、トマス・ヘンリー・ハクスリーらにより、メイオラニアはカメの一種であり、トカゲの仲間ではないことが明かになった。MiolaniaやCeratochelysといったシノニムがある また、最大のM. oweniは別属としてニンジェミス (Ninjemys oweni) とも呼ばれる。 分類と分布メイオラニア科の分類については諸説あり、初期の潜頸亜目とする説やより後期に分岐した真潜頚下目とする説があった。そして、プロガノケリスのような初期のカメのステムグループの遺存種(レリック)であるとする説もあった。メイオラニアが分布するオーストラリアは最初期に分岐した哺乳類である単孔類が現在まで生き残っており、メイオラニアもこうした生き残りであった可能性も指摘されている。2000年代にはメイオラニアと特徴を共有する中生代のステムカメ類が数属記載されており、カメ目以前に分岐したグループの生き残りであるという見方を強めている[1][2][3][4]。 脚注出典
参考文献
関連項目 |
Portal di Ensiklopedia Dunia