ミシェル・ブラスミシェル・ブラス(Michel Bras, 1946年11月4日 - )は、自然から料理を創作する料理人と称され、21世紀のフランス料理界を代表するといわれている、フランス中南部オーブラック(l'Aubrac)地方(オーヴェルニュ地域圏、ミディ=ピレネー地域圏、ラングドック=ルシヨン地域圏を含む地方のこと)の、ソムリエナイフで有名なラギオール(Laguiole)村でオーベルジュ(Auberge)「ミシェル・ブラス」を営むシェフ。 ミシェル・ブラスは、有名シェフに師事したり、高級レストランで修業したことはなく、両親の経営するオーベルジュ「ルー・マズュック(Lou Mazuc)」の厨房で料理を作る母親に学び、オーブラック地方の大地と空のなかで、彼独自の料理の世界を築き上げてきた。 フランス料理界で有名なレストランガイドの一つであるゴー・ミヨ(Gault-Millau)が、70年代末にブラスを扱ったとき、「上質だが素朴な郷土の素材を活かして、これほどシンプルで、軽やかで、多様で、創造的で、素晴らしい"饗宴"を仕上げる術を持っている者は、ミシェル・ブラスのほかにはいない」と評した。 ミシェル・ブラスのスペシャリテガルグイユ(Gargouillou)ガルグイユは、もとは、ジャガイモと生ハムなどを煮込んだオーブラック地方の郷土料理。ミシェル・ブラスはそれを、その土地の野菜を使う基本はそのままに、四季折々の20~30種類の香草や若野菜30~40種類、野の花、キノコなどを、それぞれに最適な別々の調理法で仕立て、バターとハムでまとめ、ミシェル・ブラスの料理を代表する一品に仕上げている。 アリゴ(Aligot)→「アリゴ」を参照 アリゴは、オーブラックの修道院が巡礼にふるまった食べ物がルーツとされる、オーブラック地方の名物料理。ラギオールの凝乳チーズ=アリゴの熟成前の塊(トム)に、ジャガイモのピュレ(puree)と牛乳とバターとニンニクを加えて練り、糸を引くような状態に仕上げたものに、ソーセージを付け合せた。 クーラン(Coulant)「流れ出る」という意味をもつ「クーラン(商標登録済)」は1981年に完成したデザート。ビスキュイ(Biscuit)にナイフを入れると、中からあたたかいチョコレートが流れ出て、アイスクリームとからまる、温かく、冷たいデザートである。 カトラリー(cutlery)食事の前にスタッフがカトラリーについて説明してくれる。 ミシェル・ブラスは、ソムリエナイフで有名なラギオール村の出身だが、ライヨール村には、一生に一本、質の良いナイフを持ち、手入れをしながら、それを生涯大切に使い続けるという伝統があり、今日の食事の間だけは、その伝統に倣って最後まで同じナイフでお楽しみ下さいという、シェフの思いが伝わってくる趣向である。もちろん頼めば換えてもらえるが、食べ終わったとき、パンでナイフをぬぐってナイフレストに置く。 略歴
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