マンションISPマンションISP(マンションあいえすぴー)とは、マンションなど集合住宅の全戸に、一括してインターネットを提供するサービス、または提供会社のこと[1]。ISPはインターネットサービスプロバイダの略。 提供会社においては「マンション全戸加入プラン」[2][3]「マンション全戸一括インターネット」[4][5]などのサービス名称が用いられ、不動産会社の募集においては「インターネット無料」「インターネット完備」などと表現される[6][7]。 概要マンションISPとは、マンションやアパート、ゲストハウスなどの集合住宅において、各部屋にあらかじめインターネットに接続するための設備が備え付けられているサービスである。そのため、入居者はインターネットの契約手続きを経ずに無料でインターネットを利用することができる[6][7]。 サービス名称マンションISPの導入においては、主に物件オーナーや不動産管理会社がマンションISP提供会社と契約を結ぶ。提供会社によってサービス名称が異なり、NTT東西は「マンション全戸加入プラン」[3][2]、マンションISPシェア1位のつなぐネットコミュニケーションズは「マンション全戸一括インターネット」などと呼称される[4][5]。 完備と対応の違い「インターネット無料」「インターネット完備」などの表記で不動産会社が入居者を募集しているケースがある。通常これらはマンションISPに該当し、入居者はLANケーブルを挿せばすぐにインターネットが利用でき[6][7]、またWi-Fiがすでに飛んでいる場合もある[8]。 しかし「インターネット対応」や「光ファイバー対応」などの表記の場合は、集合住宅の共有部まで光やインターネット設備があるというだけで、無料ではない場合がほとんどで、入居者が自分でインターネットを申し込んで開通することになる[6][7]。 背景とニーズ総務省の2008年通信利用動向調査によると、インターネットの人口普及率は75.3%、世帯におけるブロードバンド回線の割合は73.4%となった [9]。また、全国賃貸住宅新聞による2009年の賃貸住宅における「入居者が『絶対条件』と考える設備」ランキングによると、ブロードバンド設備が、単身者向け物件においては1位、ファミリー向け物件においても3位となっており、こうしたインターネットの普及と入居者のニーズの高まりを背景に、インターネットを備えた物件は増加している[10]。 シェアMM総研による2020年3月末の全戸一括型マンションISPシェア調査によると、サービス提供戸数は315万件を超えた。うちシェアの半数近くを上位3社が占めている[11]。
なお、同調査で全国的なマンションISP増加率は前年同月比で僅かに鈍化しており、これは新築物件への過剰供給、および既存物件への導入が停滞したためとしている[11]。 利用方法マンションISPでは、あらかじめ部屋にLANポート(差込口・コンセント)などのインターネット設備が備えられている場合が多く、LANポートとPC(パソコン)を接続するだけでインターネットが利用できる[12]。新築マンションなどでは、埋め込み型のWi-Fiルーターがあらかじめ備えられている場合もある[13]。 利用方法はおもにLAN方式とVDSL方式の2通りの利用方法があり、部屋にLANポートが無い場合は電話線とモデムを利用したVDSL方式となる[14]。
メリットとデメリットメリット
デメリット
オーナーメリット家主や管理会社などの物件オーナー側から見たメリット。
オーナーデメリット家主や管理会社などの物件オーナー側から見たデメリット。
機器の利用上述したとおり、マンションISPにおいては入居と同時にインターネットが利用できる点がメリットであるが、提供会社や物件仕様によっては無線LANルーターや光電話ルーターなどの機器が必要となる場合もある[23]。 ルーターなど機器の提供状況は、マンションISP会社によって異なる。有料・無料にかかわらずレンタル機器の提供が無ければ、利用者は自身でルーター等を購入する。またVDSLに必須なモデムは、部屋にあらかじめ設置している等、基本的に料金はかからない[24]。
脚注
関連項目
外部リンク |
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